会員コラム

遠山 達次
氏名
遠山 達次
会社名
株式会社 TIF
部署・役職名
代表取締役
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第3回百年企業研究会で学ぶ意味

始まり

この百年企業研究会に参加させてもらうことになったのは、2014年にこの会の代表である田中先生の講演を受講したことが始まりである。
地元商工会の主催の『戦略ゼミ』というものだった。
半ば強制的なこともあったが、これまで自分自身が経営・戦略を学んだり、それについて話をしたり聞いたりと言うこともなかったので、参加をした。

この戦略ゼミは4回の受講だ。
1日目は、自分が考えていた想像通りの講演だった。
2回目の宿題で、『10年後自社の目指すべきところ』をテキストに沿って記入せよとの宿題が出た。
これには本当に頭を抱えた。
少し気の利いたことを書いて田中先生に褒めて貰おうとか、戦略ゼミで目立ってやろうとかではなく、まったくもって何もない、真っ白なのか真っ黒なのかさえも解らない状態だったからだ。
なんとか記入はできたが、これが正解なのか不正解なのか、田中先生にどのような印象をもってもらえたのか解らないまま、最後の講演まで受講することになった。

最後の講演は、田中先生とお付き合いのある滋賀県のパン製造の社長さんのお話だった。
年齢で言うと私と同年代で、体型のガッチリした方だった。
その人の話は最初から最後まで自信に満ちた話ばかりで、凄く大胆な考えを述べている一方、会社の方向性や従業員との向き合い方は凄く繊細で、従業員の顔色、言動をつぶさに感じておられる人であった。
頭の中で『これが田中効果なのか!・田中イズムだ!』と感銘を受けたのを覚えている。
戦略ゼミが終わろうとしていた時、田中先生から『君、来月から滋賀で勉強してみないか!』とお誘いを受けたのがはじまりだった。

 

アウェイ(away)な空間

お誘いを受け、滋賀の勉強会が開催されている場所に向かった。
正直、緊張の度合いはハンパない状態。1ヶ月前にパン製造の社長さんの話を聞いた後だ。
しかも田中先生が声をかけた人ばかり。どんな怪物達がいる会だ?
先に会議室を見ようと会議室にいくと、パン製造の社長さんがもう到着をしていた。
『あっ!この間はありがとうございます。凄く感動した話でした。』と挨拶をして、心の中で『まだ30分以上前やのになんなんだこの人は?』と思いながら他の怪物達の到着を待っていた。
時間が迫るにつれて、続々と怪物達が到着。
そして会議が始まる。
簡単な自己紹介の後、この会の主旨説明の中で、会を1回解散してからもう1度会員を募り再スタートしたばかりと聞いて、安心したと言うより『超精鋭の集まりやないか!』と心の中で叫んだことを覚えている。

会に参加しはじめた2~3回の間は、外国のクラスに1人で編入したような感じで過ごした。
解らないながら会に参加し、意見を聞き・意見を発表し・課題をしていると、やらされているんじゃない、自分のためにやっているんだ! 次の定例会までに考えをまとめ発表できるように完成させ皆に挑むんだ!と意識が変わっていった。

月に1回、第2木曜日に真剣勝負の試合に挑む気持ちで、車を滋賀に走らせる。
会が始まると発表する側、受け手側が、付け焼刃ではない意見や思いを全員がぶつけ合い、皆で切磋琢磨する。
1番の大きな目標である『一流の経営者を目指す!』と言う大きな課題があるからこそ成せる本物の研究会だと、知らず知らずに解ってきた。
この4年を経過し、私自身がどのように進化し成長したかは定かでないが、他の会員の方を見ていると進化し成長して進んでいるのが解る。
私自身も同様に進化し成長しているのなら嬉しい。

 

これから・この先

百年企業研究会に参加し、学んできたこと・学ぶことは、まだまだ沢山ある。
いつがゴールなのか、今どの時点なのかは到底解らない。
自身が進化し成長し続けることで、新たな学ぶべきこと・考えなくてはいけないこと・目を向けるべきことは、必ず出て来る。
ただ、この研究会でよく言われる『土台を固める』のが大事だということはいつも思う。

この先、問題を受け止める力が必要となってくる。
その時土台がなく、やり過ごすか受け流すだけでは、自身の進化や成長が止まってしまう。
人にはペースがあり、皆が皆、ハイペースで物事をできるとは限らない。
しかし、限られた時間の中で、自分自身で進化・成長しなくてはならないのも事実である。

私に後、どれくらいの時間があるかは解らないが、今年の所信である『清く正しく真っ直ぐに!』を心がけたい。
『毎日を大切に生き』、コツコツと日々を大切に過ごすことが土台固めに1番必要なことで、仕事・人生においても通じると私は思っている。
ここを疎かにしていると、全てが付け焼き刃になってしまう。
鉄鋼業で日々鉄を削る仕事をしているので、付け焼刃ほど何も作れない、何も残せないのが非常によくわかる。
私は、『毎日を大切に生きる』と言うことを通じて、本物の刃になりたい。

 

2018.10.29
株式会社 TIF 遠山 達次

 

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