読むドラマ(議事録)

相手を知ることは、自分を知ること。
年齢も業種も異なる経営者たちが、月に一度つどう目的はただ一つ。
決して一人ではたどり着けない月面「本当の自分」に降り立つため。
これはそんな経営者たちのリアルなやり取りから生まれたドラマ(議事録)です。
(禁:無断転載)

 百年企業研究会 臨時オンラインミーティング(2020/05/22)

<初のオンラインミーティング>

新型コロナウィルス。3月より、例会の開催自粛中の百年企業研究会。
5月、メンバーの呼びかけにより、オンライントークが催されることになった。2ヶ月ぶりにズームでみんなが集合し、近況報告が行われた。
 「ズーム」。コロナの影響だ。アナログ寄りに生きる私にも、身近な存在になりつつある。ガラケーからスマホに変えたとき、恐ろしくて「一生スマホなんて無理」と思ったはずなのに、今やなくてはならないパートナー。「ズーム」なるものも、近い将来、当たり前の存在になるのかもしれないと少し思う。
 事前に、事務局水島さんより、ズーム初心者の方、体験やりますよと呼びかけがあった。
今回、初めて議事録を作成するにあたり、「会議に参加しながら、ワードを打つのはどうしたらよろしいでしょうか?」という、私の質問にも、答えていただき感謝。
体験型でとても丁寧にご指導いただいた。キーボードをむやみにたたく音が、ミーティングの邪魔にならないことも、確認してくださった。
 背景が少し気になった。生活臭あふれる背景が恥ずかしく、でも仮想背景を使うのもなんとなく恥ずかしく、オーブンを背に、食パンを型から外すときの台にノートパソコンを置いた。
 ドキドキしながら開始時間を迎えたのでした。
 
 続々とメンバーが画面に集合。
 少し前の新聞で、「オンライン会議の心がまえ」という記事を読んだ。
 空気感が伝わりにくいので、いつもより大きな声ではっきりと話す、視線はカメラに向ける、などと書いてあったので、読み返したりしつつ、パソコンの前に座っていた。
 司会は事務局墨田さん。
「お疲れ様です。ズームで会いましょうということで、急遽開催しました。一発目にしては割と集まりもよいですね。
時間は16時から18時です。ひとり5分ずつ目安に、近況報告、コロナのこと、世の中どうなるか予測したり、課題とか相談とかお話ください。僕から順にあてていきますね。では水島さんからお願いします」

水島
「お久しぶりです。皆さんのお顔が見られて嬉しいです。
2月3月は忙しく、4月から落ち着いてきました。今は大分落ち着いています。
持続化補助金のサポートが多いですね。ホームページや名刺、ロゴなどを作成したり、補助金用の文章を書いている感じです。
うちの会社も、持続化補助金の申請をしました。無事採択されまして、看板作ろうと思っています。
ずっと引きこもっていて週に1回だけ出社。久しぶりに外で打合せがあり、コロナの話ばかりでしたけれども、対面で話せるのは嬉しいですね」

蒼天先生がひとこと。「コロナという背景があったから、こう変わったとか、ということを中心にして話をしませんか?」

水島さんが続けます。「わかりました。そうですね、家族との時間が増えて、リズムよく規則正しい生活になりました。会話が増え、食事も一緒にとっています。運動不足解消のために、子どもと縄跳びなどやるようになりました。
仕事は完全にオンラインで、スタッフも全員テレワークにしています。チャットや日報などで、コミュニケーションはとれていると思います」

 私が最も苦手とする分野を生業にされている水島さん。その思考回路は、きっと、ほとんど理解しがたいものだろう、その反面、時にみられる人間臭いところがものすごく魅力的だと思う。時々、百年企業研究会のことなどでメッセージのやりとりをするが、思いもよらぬお返事をいただくことがあり、自分の綴る文章を、このように解釈されることがあるのだと、はっとさせられる。自分の「こう書けば伝わるだろう」という思い込みの枠を、思いきり外してくれる人だ。
 家族との会話って、どんなことを話しておられるのだろう、と興味がわく。こういうことを質問してみても面白かったなあと後から思う。

墨田さんが順に指名していきます。「次、銀河さんお願いします」

銀河
「ゴールデンウイークは、完全に休業しました。
14時間、寝ました。仕事がなく、予定もなく、目覚まし時計をかけずに寝ると、自分はこれだけ眠れるのだと知りました。何もしないでいるとどうなるか。再び作りたくなる自分がいました。やっぱり作ることが好きですね。

連休の最終日は、料理旅館「すし米」さんのだし巻き卵、国産黒毛和牛専門店「登喜和」さんのお惣菜、あちこちからいただいた竹の子を使って、うちのパンでサンドイッチを作りました。お世話になったところにお配りしたり、SNSで発信したりすると、「これは商品化してほしい」という声を多数いただきました。「寄付金つき限定サンド」として販売を計画しています。
連休以降、12時間以上働かない、と決めて、実行中です」
自分は話しながらタイピングできないので、何を話したかは全く記憶していなかった。終了後に、水島さんから、彼が作成してくれていた議事録を送っていただき、そこから記憶を呼び戻した。もちろん、このミーティングは録画されていたので、それを見て確認することは可能だったけれど、そういう操作、早送りしたりすることも不慣れだし、サッと議事録を送っていただいたことは、本当に助かりました。

山吹さんの番です。
「4月から、飲食始めました。途端にコロナです。
近くに公園があります。コロナであるにも関わらず、人は多かったです。5月の連休、30個販売を目標に、テイクアウトのお弁当を作りました。おかげ様で、100個売れました。
少し前、京都府観光連盟の方からご連絡をいただいて、京の食文化の商品開発事業に応募しないかとのお誘いを頂戴しました。その折、どさくさに紛れて、京都府観光連盟に復帰しました。地に足をつけていないのかも知れませんが、イケイケで入りました。地道な一歩前進だと思っております」

蒼天「観光連盟、入っとかはったらよろしい。事業は、慌てずにいかはったらよろしい」

 山吹さんは二度目のお商売の出発に際し、最近百年企業研究会に入会されました。人生の大先輩です。身を粉にして、働いてこられたこと、お商売、人と会話しながら商品を販売されるのがお好きなこと、勉強したいと心底思っておられること、まだまだ少しずつしか彼女のことはわかりませんが、明るいお母さんがやってきた、みたいな感じで、知り合ってゆくのが楽しみです。

続いて緑山さん。
「保険業はもともと対面が多いです。対面ゼロ、ということになると、ズーム、フェイスタイム、などいろんなものをやるようになりました。
4月以降、勉強をしなおしています。2か月間外出していない間、時間がもったいないので、財務の基礎講座などを勉強し、頭の中のストックを増やせたかなと思っています。
個人的に特に変化はありませんが、釣りに行けないのが寂しいです」
 
 緑山さんもまた、大先輩であるにも関わらず、気さくにしてくださる。保険の世界なぞは、水島さんの業界と同じくらい苦手な世界なので、少し気後れするけれど、もっといろんなお話をお聞きして、勉強したいなと思う。
 出会った時から、私のことは理解できない、とはっきり言ってくださるところも気持ちよい。共感できるところは少ないかもしれないが、私の方は、「人間とは」ということにとても興味があり、他人の思考回路を知ること、他人の変化に気づいてゆくことが大好きなので、共感できるところが少なければ少ないほど、興味をそそられて近づいていくと思う。嫌われるかもしれませんが…。

黄金さん。
「うちもテレワークと交代出勤です。ビジネス的には追い風で忙しいですね。テレワークと言っても、簡単にできないこともあり、オンラインでの営業など、新しい挑戦になっています。弊害を克服しながら、お客様にもテレを推進しています。
お客さんのところに行けないのが大きな問題ですが、先のことは全然わかりません。新しい課題もいただけて良かったかなと思っています。
すべての会議がオンラインになり、様々な団体の総会などは文書で行われたりして、時間がたくさんできました。出かけないので、お酒飲まない。肝臓が調子よいです。
時間ができて、読書する時間が増えています。仕事以外のこと、趣味、好きなことできるかなと思っています。ストレスはちょっとありますけど。
知事も言っているように、ステイタウンを続けつつ、元気にやらしてもらっています」

 黄金さんもまた、大先輩なのにも関わらず、気さくにしてくださる。人間臭いところが出そうで、また引っ込んで、ものすごく変わりそうな気配で、なかなか大きく変わらない。そんな繰り返しを何度か拝見している中で、それでも「このままではいやだ」という気持ちはずっとお持ちのように思う。その揺らぎがすごく魅力的というか、それが個性というか、安心してお話できる感じがする。
 2月の新年会の折に、長いこと仕事ばかりで、やりたいこともやらず、また、やりたいことが何かもわからず、このままではあかんと思って、仕事をお休みして奥様とご旅行に行かれた話をしてくださったことが、とても印象深い。ものすごい変化ではありませんか!
 
紺野さんです。
「特に変わりなし、ですが、通常の仕事は減っています。
逆に増えている仕事もあります。穴の加工が大量に来ている。段ボールを切るカッターの刃。ほかにシュレッダーの刃など、加工の受注が来ています。
半導体などの製造装置の会社からのステンレス部品の受注もあります。時代は5Gから6Gに行っているらしいです。
全体には仕事減りだして来週は仕事ないぞ、でも今までとは違う業種からの受注はある、そんな感じです」

 彼女さんとのお別れがあったからでしょうか、なんとなく元気がないように見えました。どうか時間が解決してくれることを祈るばかりです。先輩に対して失礼かもしれませんが、「やんちゃ坊主」みたいな感じが面白すぎる紺野さん。壮絶な人間関係、というか親子、家族の関係のお話をされたことがありましたが、環境や、他人のせいでそうなったのではなく、「すべては、自分による」ということに、早く気づいてほしいし、向き合ってもらいたいし、と、生意気にも思ってしまいます。そうすれば劇的に人生が変わると、確信できる方です。でも、紺野さん自身が、強くそうありたいと思わなければ、できないことなので、見守っていくのができることかなと思います。ものすごく生意気な意見ですね。紺野さん、ごめんなさい。これが私からの愛なんで、お許しくださいね。

桜庭さん。
「ほぼすべての予約がキャンセルですね。4月5月6月、ゼロ。7月以降もどうなるかわかりませんし、今年はもう、難しいだろうと思っています。
観光協会などはアフタコロナに向けて盛り上がっていますが、私たちはもう既ににやってきたことを話しておられるので、私たちはこのままでいいかと思っています。
蒼天さんから、『低生産性で勝負するのがいいだろう』とアドバイスしていただいたこと、私たちの唯一の資産は、人との関係性だろうと確信しました。
今まで以上に、ホストの農家さんへ足を運び、お手伝いをしたり、チームのみんなと一緒に田植えなどに参加したりして、コロナが終わっても、スムーズにツアーを始められるように、確認し合っています。今、唯一それができることだと思いますし、一生懸命頑張っています。
親会社とのインキュベーターの契約期間が切れ、独立する流れになりました。個人で地道にやっていったらいいのかな、と思ったり、今後継続するにあたって、個人よりも、会社の方が、信頼関係を築きやすいかと思ったり。
背中を押されることがあって、鎖国がいつとけるかわからないけれど、会社を興そうと思います。今朝になって、株式会社を設立しようということになりました。法人の設立に向けて、動き始めています。
来年ご予約のお客様があります。今回キャンセルのお客様が、延期してくださっていたりします。お客様がいないうちにできること。器を整える、関係者との関係性を保つ。頑張っていきます」

 うらやましすぎる頭の良さ。賢い方!といつも思わずにおれません。
 おそらく完璧な会社を設立されることだろうと確信します。そういうところが、本当にうらやましい。私にすっぽり欠如しているところを、すべて持っていらっしゃる。そんな感じがします。
 だからでしょうか、時折お話するときに、ジグソーパズルのピースが頭をよぎります。ほとんど雰囲気で生きている自分と、聡明で理論的な桜庭さんが、隣り合わせでぴったりはまるイメージです。そして出来上がる景色は繋がっている。
ひとつだけ思うところは、何かに対してとても肩ひじを張っておられる、力が入っているように感じてしまうこと。後ろに回って、両肩をもみもみしてあげたくなります。
もしかしたら、本当はもっとマイペースにいろいろやりたいと思っておられるかもしれません。他人からの評価とか、世間からの評価とか、そういうことを気にされているから、常に緊張されているように思えてしまうのかもしれません。あんた何様目線!と言われるかもしれませんが、私としては、もう少しリラックスしていただいて、できればその賢さを私に少し分けていただけたらと思います。

柴垣さん。オンラインのこの時期だからこそ、参加してもらえた貴重な人です。
「福岡は緊急事態宣言が解除になって、今週は営業自粛要請もとけて、すこしずつ動き始めています。そうですね、動き始めたといっても、なんとなく静か。遠慮しつつ動いている感じ。太りました。結構動き回っていたので、2か月以上封じたら体にあらわれた。ストレスを感じると食べるか寝るかにはしってしまうんですね。
仕事には大きな影響はありませんが、お客様の経済的な事情で、支払いを猶予してもらいたい、とか、途中で終わったり、保留になったりとかしている案件もあります。
『みんなが弱っている空気』が移っている。弱気な感じになっている。そういう自分を考える時間ができました。見つめるにはいいかな、と思っています。答えはでてませんが。
人と直接会わなくても、オンラインで仕事は成立するのですが、会うことで得られることが多かったことに気づいています。
会わなくても文章はつくれるが、相手からいただく情報量が、全然違うんですね。
ことばだけではなく、同じ空間にいることで、エネルギー、オーラ、空気感、という空間で情報をもらっていた、ということがわかりました。
ズームから一生懸命いろんな情報を探ろうと集中して、疲れる。言語化できないところに頼っていたのだということがよくわかりました。画面で、会っているときと同じ情報を読み取るのは難しいです。
『リモートトラスト』という言葉、お聞きになったことはありますか?
会っても会わなくても、相手に信用してもらうということ。受発注につなげるということ。それをやっていかないといけないのかなと思っています。
これまで疎かにしてきたところをもう少し綿密に心を込めてしないといけないのかな。ちょっとしたことが信頼になる。会うって大事だな。贅沢だな。そう思っています」

柴垣さんは、いつも、ですが、「ああ、その視点大切!」と思う視点で、物事を話してくださる。気づきにくいけれど、指摘されるとその通りだと、ああ、自分もそう感じたかったんだと思わせてくれます。それを決して上から目線で語らないこと、大事なことをさりげなく言ってくれること、本当に素敵だなと思います。できれば研究会に残っていただきたかった。
でも、オンラインなら、十分参加していただけるので、今後そういうことも視野に入れて、進めていくことができたら、どんなに素晴らしいだろうと思いました。

墨田さん
「コロナの影響は、直撃ではないので、後々あるだろうとは思いますが、直接の売り上げには関係ないです。
3月末、大きな仕事が終わりました。コロナのことで僕自身に時間ができ、振り返る余裕ができました。
今までを振り返ると、くちゃくちゃになっていたな、という感じがありました。この先のことを考えると、これを続けても意味がないなと思いました。
片づけをしています。
家に帰って家族と過ごす時間が増えました。家族と仲良くなり、よく知ることができました。
自分の中で、仕事ってなにかな、なにが本質なのかな、と思うと、今までみたいな仕事はやらんとこ、って思いました。お客さんとももっと向き合ったらどうかなと。接し方、心の持ち方が変わってきています。仕事のことだけじゃなくて、いらん話もするようになりました。会えることが贅沢やなと思っています。
時間の大事さをかみしめています。
久しぶりに漫画を読みました。『火の鳥』奥が深いですね。普段考えたことのないことまで考えて、自分の時間を取り戻しています」

墨田さんは、「共感できることがたくさんある」数少ない人のひとりです。
私が記憶しているのは、この研究会に入らせていただいた最初のころ、まだおとなしく話を聞くだけのメンバーだったころです。着地点を決めずに発言してしまうことがよくありました。雰囲気だけしか伝わらない、なにが伝えたかったのか言葉ではっきり言えない、そんな不慣れな時期に、墨田さんは、代わって着地点に収めてくださったこと。何回も。どんな話だったのかは思い出せないのですが、いつも「そうそう、私そういうことが伝えたかったのだ」ということを代弁していただいていたように思います。安心して頼り切ってしまったらいけないのですが、ついつい、頼りにしてしまっている。
 『火の鳥』、懐かしいです。私はこの連休、『鬼滅の刃』にはまりました。漫画面白い。
蒼天
「僕はひとりでいる贅沢を楽しんでいます。
ひとりでいるのがなぜ贅沢か。ひとりでやりたいことをやれる。
長期的な視点で見られるようになるということを期待していた。私自身は、内面が相当変わりました。余分なデリバリーがなくなり、したいことに集中できた。集中力が高まる。考えていなかった考え方がひらめいてくる。いいコロナでした。
こういうときこそ長期の視点で考えるべき。見方を変えるべき。その辺をこころがけて考えるべき。
アフタコロナでは人々の意識が変わります。生活スタイルが変わったり、コロナ以前は当然だと思っていたことが、コロナによってできなくなる。でもこっちで十分やん、という意識の変化。常識が非常識になり得るし、今のコロナと共にある生活スタイルが常識になっていきます。どう変わるのか。どういう方向にいくのか。そういうことも考えながらアフタコロナのことを考えるべき。
家にいることは楽しいですね。時間割を作り、4時半に起きて、規則正しく生活しています。昼間の時間の使い方。新しい生活スタイル。長期的な視点。大切です。
休業補償金、持続化給付金などいろんな補助金が出ていますね。これは、ここだけの話。これから中小企業どんどんなくなっていく。生活スタイル変わってくるから、保証金や給付金などをもらっても、依然と同じことをやっていたら、受注は来ません。
一挙に多くの企業が廃業したらあかんので、補助金で延命期間を延ばしているだけのような気がしてならない。そういうねらいがあるのではないかと思っています。
大切なのは経営者のイノベーション。人だけです。経営者が目先のことにぼやぼやしていたらいけない」

蒼天先生のこういう投げかけが、私たちのいろんな思い込みの枠を取り払ってくださることをいつも感じます。表現を変え、例を変えて、何度も何度も「人だ。自分だ」と言っていただけることが、本当にありがたいこと。
そういう機会を持っていること自体に、感謝します。年を重ねるにつれて、そうやって導いていただくことは、減っていきます。
よくよくわかっているけれども、いざというとき、ピンチのときに、忘れやすいことだとも思います。
そして、自分の軸が、少しずつぶれないものになっていっている、ということを実感しています。

蒼天
「リーマンショックは体験された方いましたか? バブル崩壊は経験されましたか? 
それと、今回のコロナとの違いはどこにあるか、わかりますか?感覚でよいので」

恐らくリーマンショックもバブルの崩壊も、直接知っている世代の代表、黄金さんが発言をはじめました。

黄金
「全世界同時に、全人類に同時に起こっているということ。解決方法がないということ。一番の違いかなと思います。バブルのときは不動産、リーマンのときは金融、わかりやすかった。しかしコロナは、そんな一つのジャンルだけではなく、世界のすべてが等しく、災害になっている、ということ」

蒼天
「その通りですね。目に見えるものとの戦いが、目に見えないものとの戦いに変わりました。目に見えないものといかに戦うか。
目に見えないものを見る能力を養います。この能力をいかに養っていくかということ。これから先どうなっていくのかを見定める能力を身につけることが大事になってきます」

バブル崩壊の時は、大学生、リーマンショックのときは、パン屋を始めた直後くらいで、まだまだ不安定だったころ。自身で全く実感することのなかったできごとを、今振り返り、そうだったのかと思いました。そういうことを乗り越えてこられた先輩たちに、改めて敬意。

慣れないオンラインミーティング、「なるほど、そうなのか」というリアクションがとりにくい。
何かコツがあるに違いないのだが…。
放談、続く。

柴垣
「なぜズームが疲れるのでしょうか。自分の顔が見えているということ。加えて相手が全員真正面からこちらを見ている。そこに圧を感じて疲れます。そして自分の顔が写っていて疲れます。どちらも対面の会議では考えられない環境ですよね。敢えて画面をOFFにして参加したりする人もいます」

一同大きく納得 (のように見えた)。
こういうことをさりげなく指摘してくれるところが、柴垣さんの魅力だと思います。

黄金
「オフィスのレイアウトが変わっていく可能性を感じる。
作業する場所、という意味では、オフィスは必要ないかもしれない。
でも、営業は、その場所へ行って、顔を見て、言葉のトーンとかいろんなことから、お客様の必要なことを知っていくもので、オンラインではあかんと思う。会ってコミュニケーションをとらないと、新しいものを生み出しにくいように思う。リアルの重要性を感じる」

墨田
「オフィスがいるかいらないか、ということでは、なくなる可能性もあると思います。
営業の本質は、『あんたやし、頼むわ。あんたやから、買うわ』ということです。
リアルで会うことも、もちろん大切ですが、手紙書いたりすることも、リモートトラストに繋がります。要するにその人がどれだけの人格か、ということが問題。どんな世の中になっても、自分磨きが大切なのではないかと思います。

蒼天
「オフィスがいらない、という考え方はわかります。
考える仕事、創造的なことは、ひとりでやった方がずっといい。会って議論して、というやり方は、もう古いかもしれませんね。
もちろん、並みの創造ではなく、先端的な考えですよ。そういうことは、ひとりでやったほうがずっといい」

蒼天は、続けます。
「お願いしたいのは、今までと違うことを考えてほしい。自分のことを考えてほしい。自分のことと、これからの社会がどう変わっていくかを的確に考えていく必要がある。
自分が付加価値を生み出さないと、中小企業はだめです。会社がどうこう、ビジネスがどうこう、というよりも、自分自身をイノベーションする、違う発想をしていく。
目に見えないことを見る。常識がガラッと変わる。百年企業研究会のホームページを読み返してほしい。
目に見えないものは、右脳がつかさどります。理屈では理解できないもの、直観、などですね。階段を上った先にあるものではなく、まったく違うところからやってきた到達点のようなもの。それを見る能力を高めないといけない。
そして、それが、左脳とひとつに合体したときに発想が変わる。

そういう本読まないと。経営計画、マネジメント、理屈を積み重ねてきた本ではなく。
視点を変えて、自分を高めること。その努力が必要。
何度も言います。経営者自身の、人としてのイノベーションが最も大事。
それを見据えて、このコロナ時間を過ごしましょう」

初めてのオンラインミーティングもいよいよ終盤。
質問コーナーへ。

墨田「紺野さんに質問です。5Gが終わり、6Gってどういうことですか?」

紺野「T社などはですね、5Gは売れなかった。もう6Gにシフトしていこう、と判断したんですよ。そういう変化をとらえるのも、大事ですよね」

桜庭「蒼天さんに質問です。以前、あなたは鋭角で考えすぎだから、と言われましたが、それは具体的にどういうことでしょうか?」

蒼天「桜庭さんは、左脳がとても発達しています。右脳が少し遅れをとっているかもしれない。目に見えない部分が捉えられていない気がしますね。そこに成長の伸びしろがあるのではと思います」


お開きの時間となり、それぞれ、画面から退場。

以上、この議事録は、自分が発言したかったこと、自分の思い、頭の中を空っぽにするために、書かせていただきました。
最初の議事録は、ミーティングをそのまま再現しようとして、ちっとも面白くなくて、行き詰っていました。提出が遅れてしまうことを連絡したところ、先生から、「楽しんで」とアドバイスいただき、楽しんでみるとこんなものになりました。
なので、公にすることには問題あり、だと思います。
先生へのお手紙、メンバーへの愛、をつづったものとして、作文として読んでいただけたら、幸いです。

コロナと共に、ウィルスと共に生きていく社会。
「私が」ではなく、「私たちが」と言える社会を作っていくことが、大切と言われたりします。
百年企業研究会が、そういう意味で、異業種でありながら、異業種だからこそ、共に成長していけることを心より願い、行動していきたいと思います。

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