読むドラマ(議事録)

相手を知ることは、自分を知ること。
年齢も業種も異なる経営者たちが、月に一度つどう目的はただ一つ。
決して一人ではたどり着けない月面「本当の自分」に降り立つため。
これはそんな経営者たちのリアルなやり取りから生まれたドラマ(議事録)です。
(禁:無断転載)

 第156回 百年企業研究会内容(2022/03/10)

【例会スケジュール】

14:00~14:05 開会・挨拶
14:05~14:45 3分以内トピックス(近況や1ヶ月の中で印象的な出来事など)
14;45~15:55 短冊発表(藤崎)
15:55~16:05 休憩
16;05~16:55 短冊発表(菖蒲)
16:55~17:00 事務局からの連絡・閉会

 

【開会あいさつ】

●蒼天先生
皆さんこんにちは。
昨日、休会中の白石さんと、連絡を取りました。
あまりお元気ではなく、これまで具合が悪かった原因が血液にあったことがわかり、手術をされて、来月からは透析を始められるそうです。お仕事も、毎日14時とか15時とかに退社されている状態で、休会が続くかもしれません。来月にはもう少し状況がわかると思います。

今日は、藤崎さん、菖蒲さんの発表をしてもらって、講評を申し上げて、後はみんなで課題を議論して過ごしたいと思います。

皆さんにはお断りをしなければなりません。2月の議事録が、まだできておりません。これは銀河さんの責任ではなくて、我々の責任なんですが。
それはそれとして、先月出席された方は、2月例会を思い出して頂いたら、結構かと思います。
今年の短冊、率直な感想を申し上げますと、皆さん、非常にレベルが上がりました。
その理由は、もちろん、皆さんが努力された、ということがあると思います。

今年は非常に楽しみです。もちろん、皆さんが努力されたということもありますけれども、この議事録の果たしている役割を、今更ながら感じました。
1月の議事録、皆さんの発言をじっくりと読みました。5時間ぐらいかけて。
皆さんの発言が、詳細にわたって、ある程度ですが頭の中に入りました。皆さんの考えておられること、あるいは皆さんの実力を感じて、感激でした。非常に嬉しかったです。
だから今日は、今まではしなかったんですが、ちょっと講評をさせて頂いたらどうかな、と思っています。ただし、僕だけの講評じゃなくて、皆さんで議論したいです。

 

【3分以内トピックス】

●菖蒲
皆さん、占いは好きでしょうか?(笑)
最近、テレビでも占いの番組が人気で、見ることが多くなりました。
以前にお話したことがありますが、私には「あまのじゃくである」という本質があります。若いころ、30歳とか31歳の頃ですね。占いって大嫌いでした。
人にとやかく言われるのが嫌、自分の未来を予測されることが嫌、親からレールを敷かれるのも嫌、とにかく他人に口出しされるのが大嫌いでした。

31歳のときだったか、 新しい事業を立ち上げるというお客さんに付き添いを頼まれて、小倉にある、有名な占い喫茶のおばさんのところについて行ったんですね。もちろん私は、見てもらう気なんかなかったのですが、無理やり「あなたもしなさい」と言われて、見てもらったんです。その時のことは、非常によく覚えています。
「あなたは、仕事で、役所、鉄道、病院、学校、百貨店に縁がある」と言われたんですね。さらに、「あなたね、死ぬまで『先生』とか『社長』とか呼ばれるし、そういう人に縁があるよ」とも。
言われた時点で、JR さん、北九州市役所さんはお客さんで、病院の仕事もしていて、学校の講師をしていましたから、全部網羅していたんですね。

あれから30年過ぎました。振り返ってみると、大阪の地下鉄でも仕事をしましたし、今は水間鉄道の顧問をさせてもらっていますし、相変わらず役所の仕事も続いています。新たに病院と薬局の建築プロジェクトが立ち上がりましたし、百貨店にも、ご縁があります。
ということで、やっぱり当たっていたのかな、と思います(笑)。

他人に予言されることは、なんとなく若い時には嫌だったけれども、先が見えないことに不安を感じる時っていうのは、確かな占い師に聞いてみるのも手かな、と思った次第です。

●墨田
時間も3分以内でしたし、非常に興味深いエピソードでした。ありがとうございます。


●桜庭
ようやく観光庁のプロジェクトが終わり、ほっとしているところです。
1月から、ずっと報告書を作成していました。プロジェクトは7月から始まったのですが、プロジェクト期間よりも、報告書を書いている時間のほうが長いのではないかと思うほど、ずっと書いていました。本当に終わらなくて。ようやく2月の終わりに提出することができて、今は審査中、最終オッケーは出ていないのですが、という状況です。
やり遂げなくては、補助金が出ないので、先月は例会を欠席して、とにかく一生懸命報告書を書いていました。
国の補助事業がこんなに面倒くさいものだと思ってなかったんですが、人様のお金を使わせていただく、ということはこういうことなんだな、と改めて思った次第です。

でも、補助金のおかげで、1年間全く売上がなくても、一応やりたかったこと、特に新しいツアーの開発、今までできなかったブラッシュアップ、通訳さんたちの英語のトレーニングを含め、いろんなことに着手することができました。
また、それが全部終わった段階で、旅行会社さんを招聘して、「こんなことをやっています」という営業のツアーも催すことができました。本当にありがたい資金として、使わせていただくことができました。
あまりにもしんどかったので、情報発信は、一切していなかったのですが、ようやく時間が取れそうなので、またぼちぼち Facebook にもあげていこうかなと思っています。

●墨田
桜庭さんが作る報告書でそんなに時間がかかるということはどんなものなんでしょうか?

●桜庭
ちょっと信じられないと思いますよ!
9月の中間報告が40枚。今回は、多分100枚ぐらい書きました。そこまで書いているのはうちだけじゃないかと思うんですけれど。
ちょっとびっくりしたのが、同じことを2度も3度も書かせるんですよね。それここにも書いてるのに、またここにも書かせる。ここにも書いてるのにまたこれにポンチ絵(設計の構想を示す手描きの概略図・計画図) をつけろと。またこれに集約した用紙をつけろ、とか、いつか間違った報告をしてしまいそうなほどでした。

ただ、こうやって、真面目に取り組んでいると、やったら、やっただけ、ちゃんとリアクションがあるんですね。観光庁の方も、しっかりやっている、ということを認めてくれて、(来なくてもいいのに) 2回も視察に来られました。東京から、大学の先生たちが派遣されて来たのですが、そういう方々にも、今やっている事業を紹介する機会を得ました。
そういう意味では、真面目にやり遂げてよかったです。卒論よりも頑張りました。

●墨田
(苦労話が)溢れてきますね(笑)。

●蒼天先生
補助事業はね、国から受注したら、そういうことになるんですよ。ひとこと僕に聞いてもらったらわかったのに。
僕も、過去に何回も受けていますが、だいたい1月~3月、特に1月2月は、報告書に向ける時間になるんですよ。
(事業が)始まるのは遅いですよ、6月頃からでしょ? だからね、活動時間が短くって、大体1月過ぎたら報告書に取り掛かるということになる。

僕が補助事業を受けていたのは、起業して10年以内のときで、もうこれは嫌だ、と思って、やめました。ま、報告書を書くことも含めて、報酬に入っているのかなと、仕方なくやっていましたが。
めちゃくちゃやりました。今までのやり方とは全然違うやり方でやって、提出しました。
これでいい、という人と、だめだ、という人が、揉めておられましたね。面白かったですよ。

まあ来年度から気をつけてください。1番大事なのは、報告書は、まとめて書くのではなくて、その都度書いておくということです。

●桜庭
都度は都度で書いているんですが、1月頃に初めて、これに書けっていう最終報告書のフォーマットが送られてくるんです。 都度のやつをコピペすればいいんですけど、なかなかそれだけでは収まらない編集作業が必要になって、結局2ヶ月かかったっていう感じで。
でもいい経験です。


●銀河
昨日、次男の進学先が決まって、よかったです。
娘も、淡路島に住みたいという夢が叶って、4月から淡路島で仕事ができることになりました。子供たち全員、京都から出て行くことになって、これから色々、住むところを探したり、車を段取りしたり、引越ししたり、そういうことに奔走していく感じです。

●墨田
はい、銀河さんありがとうございます。まだ多分ちょっとお疲れも残っている感じがしますけれど、ほっとしていただいたということで。今日はリラックスしてください。


●藤崎
先月は、追突事故に遭って、病院に行ったりなどしており、お休みさせていただきました。
車はまだ直ってきていません。
私も病院通いをしていたのですが、このところ病院通いもしなくなってきました。

保険会社さんで、通院すればするほどお手当てが出るので、頑張って病院へ行けという方もいらっしゃる。行こうと思えば行けるんですが、そんなことやってもあんまり意味がないと思いながら、私はもうだいぶ調子が良くなってきたので、もう行かなくなったんですが。
私は当てられた方なので、相手方の保険会社さんからご連絡を頂きながらやっていくんですけれども、逆に私の入っている保険会社は、100対0になるので、基本的に関係ないんですね。
ただ私の入っている保険は、そちらの方からも通院1回でいくら、5回以上行くといくら出ますよ、って言われて、通院いっぱいしろっていう案内の電話がきて、なんだかなと思いながら、お得に受けてくださいみたいな話も代理店さんから言われて、なんかちょっと不思議な感じがしながら過ごしたこの1ヶ月でした。
何回か(車の事故で)当てられたことはあるんですが、 病院に行くっていうのは初めてだったので、保険のよい勉強をしたと思っています。

●墨田
ありがとうございます。車がまだ直ってきていないということで相当大きな事故だったのかなと思いますが、無事で何よりでした。

私ですが、会社のリフォームが完成しました。3月1日から、新しい事務所で仕事を始めさせて頂いています。皆さんにお越しいただく機会もなかなかないですし、写真をお見せして、今日のトピックスに替えさせていただこうと思います。
(外観、内観 の簡単な説明)
これが外観です。ロゴマークのデザインは、水島さんです。色々考えていただいて、家の形とおたふくの顔(福の象徴)の形を組み合わせたものです。
あと、社名の「田」の部分を救急箱に見立てて、十字をオレンジ色にして、かかりつけ工務店というキャッチフレーズの弊社を表現してくださいました。めちゃくちゃ気に入ってます。 ちなみに十字が赤でないのは、赤十字マークの使用制限があるためです。
これは裏手の方で階段を新しくつけて高いところから景色を見ながらコーヒーでも飲めるかなというベランダがあります。
こちらが本来の玄関と言いますか駐車場に車を停めていただいてこちらからアプローチするという場所です。
そしてこれが新しい事務所の玄関です。
こちらを入るとこんな感じの内装で、カフェのスペースがあります。特にカフェを営業するとかいうことではなくて、来ていただいた方に田園風景を見ながらゆっくりしていただきたいという場所です。
そして応接スペース。ここだけは木をふんだんに使いました。テレビの左右にあるスピーカーと下にあるアンプなどの音響機材は蒼天先生から頂いたものです。
こちらが執務スペースです。執務スペース側から見た応接やカフェスペース。
こんなリフォームとなりました。
またお近く来られることがあれば是非立ち寄ってください。

●蒼天先生
一言だけ申し上げますと、オーディオセットは、重厚長大の昔々、どうしようもなかったものを引き取っていただきました。音が出るかどうかの保証はありません。墨田さんよろしくお願いします。あとは腕前で音を出してください(笑)。


●緑山
こんにちは。まずは先ほどの藤崎さんの事故、お見舞い申し上げます。皆さん知っておかれるとよいと思うんですけど、大きな事故をもらわれたら、基本的に弁護士を使った方がいいです。
自分で交渉すると、自賠責の範囲で1日4000いくらとか、そういうレートがあって、弁護士を使うとそのレート自体が1万円とかぐらいまで、上がってくるんですね。弁護士に報酬を払ったとしても、言い方悪いですけれども、実際に取れる額は大きくなるということです。それと、私はどちらかというと、生命保険寄りの人間なので、損害保険は得意じゃないんですけれど、保険会社はできるだけ払わないでおこうというスタンスも持っていますので、自分で交渉するよりは、弁護士に任す方がいいですよ、ということです。

私のトピックスは、私自身は何も変わったことはないんですけれども、2月の終わりに、私の3つ年上の先輩が、急性心筋梗塞で亡くなりました。非常に恩のある方で、私に保険のイロハを全部教えてくれた方なんですね。10年ぶりか20年ぶりかで涙が出ました。
その先輩は、保険業界からはほとんど足を洗っているというか、あまり動いてない方で、ただいろいろ心労があったようで。言い方が変なのですが、ちょっと人が荒んできているかな、みたいなイメージはあったんです。
これまで、お客さんの中で、亡くなった方はたくさんいますけれど、例えば、事故を起こして、車を修理しないままずっとほったらかしてる人とか、顔色悪くて「病人ちゃうの?」という感じなのに医者に行かない人とか、自分の悩みを相談できる人がいない人とか、そういう人たちは、早死にするなあ、という感じがします。

そんな時に、この百年企業研究会みたいな、先ほど墨田さんが銀河さんにおっしゃったように、リラックスできる会とか、悩みを相談できる人がいるとかですね、こういう会があったら、その人ももっと長生きしたんじゃないかな…と思ったりします。

●墨田
緑山さんありがとうございます。保険の重要な情報を教えて頂いてありがたいですし、 本当にこの場が良い場になっていればいいなと思います。私にとっては、入会当初は寿命を縮めた場でしたが(笑)。


●水島
墨田さんのところのロゴを作らせていただきました。他の案もちょっとこんなものでしたとお見せしたいと思います。
色々出させてもらったんですけれども。こんな感じのものとか。
この形は藤田さんの福福しい顔の形をイメージしています。顔を覚えてもらうという意味でもいいのかな、ということでベースになっています。
最終的に選んでもらったのがこれですね。
色は濃い緑ですね。墨田さんからこの色がいいと言っていただきました。
ロゴマークの作成はデザイナーが基本的な形を考えて、私とディスカッションしながら、もっとこういう風にしていったら、という話をして形を決めていくという感じです。
色のバリエーションと、形と、あとはアイディアですね。ここをこうしたら面白いんじゃないかというようなことをいろいろ話しながらご提案して、という感じです。
最終的に上手く選んで頂いて良かったと思います。

私のトピックスは、12月末が決算で、2月末までに全ての決算内容を入力して、税理士さんに出さなければならなくて、 溜めに溜めてた請求書と領収書をぶわ~~っと入力して、すごく大変でした。
日頃からやっておけばいいんですけど、やらなくて、最後の最後に溜まってしまうと言う感じになりました。
一昨年請求する分が、昨年に回ってしまったのがあって、そのぶん昨年の売上が上がってしまって、それで消費税がまあまあいってしまって、こんなに消費税払わないといけないんだと。そんなに現金ないぞ、とヒーヒー言いながら払ってきたという感じです。

あとは、つい先日、蒼天先生と墨田さんと、今回の例会の内容についてZOOMで打ち合わせをしました。その時に1月2月の内容を振り返って、改めてこれをゆっくり読むといろいろと気づくことがあるんだなと思ったのと、3人で話をすると、そこからまた色々な意見が出てきて、こういうのもまたいいなと思いました。そんな2月3月でした。

●墨田
ありがとうございます。最後におっしゃったこと本当にそうですね。じっくり読んで、しかもそれを人と話すと、とても深い理解が得られるなと思います。例会当日には分からなかったことも、その方がどんなことを考えておられるかということも、深く分かっていいなと思いました。


●黄金
実は、うちも今、事務所の改修工事中で、トイレを直しています。トイレを湿式から乾式に変えたり、2階のトイレを、和式から洋式に変えたり、非接触型の水栓に変えたり、 コロナ対策や働き方改革など、色んな環境整備が遅れていたので 着手しています。
先ほどの墨田さんの事務所、以前古いときに行ったことがあるので、うわー、立派になったなー、と思って。 墨田さんの会社の前の道は、細い道で、あんまり都会っぽくない場所なので、こういう建物があると結構目立つだろうな、いいなと思って見ていました。

私自身のトピックスとしては、最近とみに思うのですが、自分を今まで買いかぶっていたなと。できるヤツだと思い込んでたなと。実はできないヤツだった、ということが最近すごくわかってきまして。ただ、それが悪いことではなくて、よかったな、と思うことも多い。
うちの若い社員たちが、僕に色々提案してくれるんだけど、最近、今までなかった「ダメ出し」 をしてくれる。最初は腹を立てていたんですが、 最近は「あぁ、成長してくれたなー」とか、逆に「俺って実はできないヤツだったんやな」って謙虚な姿勢になれる。逆にそれも楽しいよな、って思っていて。そんなことに気づける今日この頃です。
まあ、家に帰ったら、家族にコテンパンにやられてますんでね(笑)。それもまた楽しく、慣れてきました。そういう日々を過ごしております。

●墨田
話がちゃんと3分以内で短く終わっている(笑)のと、それから、あの黄金さんはどこへ行ったんやろ、って思い出せないぐらい変わってしまった印象です(笑)。ありがとうございました。


●蒼天先生
今月は、報告することは何もありません。あるとすれば暗い話ばっかりなんです。

まず、僕より3つ歳下で、懇意にしていた人が亡くなった。77歳かな。かわいそうに。憎めない奴だったのですが。また友達がひとり減りました。本人が亡くなったことというより、友だちがひとり減るというのは、すごく辛いことです。

それから2つ目は花粉。早くから手当てをしていますので、今何とか大丈夫なんですが、とにかく嫌な季節です。

3つめは、 胃カメラ検査をしました。いつも診ていただいている先生の都合が悪くて、若い女性の医者がやってくれて、組織を2つ取られました。組織を取られるのは初めてでしたが、気分が悪くてね。結果は異常なしでした。

また年寄りじみた話ですが、膝の痛み。いったん治っていたのが、また痛くなって。しばらくサポーターしながら、だましだましウォーキングは続けていたんですけどね。
今、外出はとにかく怖いですから、できるだけ出ないようにしています。1か月、平凡すぎるほど平凡でした。

ただ、普段あまり読まない小説を読み始めました。「利休にたずねよ」です。
めちゃくちゃ面白い! 読み始めたら、やめられないほど面白い。まだ途中ですが、時間があったら読んでいます。僕は、お茶のことがわかってるから特に面白い。フィクションだけれども、豊臣秀吉が、どんな悪い奴だったかがよくわかる。
この小説の面白さは、物語の順番。新しいことから古いことに遡って、つまり利休が切腹した場面から始まり、切腹の1日前、1か月前、10年前、そういう展開のストーリーだから面白い。読み始めたら止まらない。
そんな感じで1ヶ月を過ごしてしまいました。

●墨田
先生ありがとうございました。年齢が年齢なのでどんどんお亡くなりになる方もいらっしゃるということで、ただ、私らもいつなんどき、明日死んでもおかしくないですから、先生も亡くなられたお友達の分まで(先生の考える寿命の)プラス3年ぐらい元気で過ごしていただけたらなと思います。それから興味深い小説のご紹介もありがとうございました。

 

【短冊発表 藤崎さん】 「本物のリーダーになる」

●藤崎
私、一昨年だったか、だいぶ長い間休会させていただいていて、皆さんとの格差もだいぶ出ている中で、藤崎、相変わらずこんなものかと温かい目で見ていただけたら、と思います。
私は、2016年に入会しました。今まで発表してきた短冊を、一緒に振り返らせていただきます。

(画面共有)

2017年「土台を固める」
蒼天先生から、土台の話を伺って、私は土台がない、基本的なところをしっかり固めていこう。

2018年「『土台を固める』第2弾 厚みを築く 人は城 組織も人なり」
なかなか土台が固まらないというところで進めていってます。

2019年「『土台を固める』第3弾 捨てる筋肉 決断する筋肉を鍛える」
この頃には、僕の仕事の忙しさ、普段の生活の忙しさで、とにかく時間を作らないといけないと言われていて、「やらないこと」を決めないといけないと思いました。

2020年「覚悟」
この前年、あるプロジェクトで大きな問題が起こり、改めて、経営者としてどう考え、行動するべきか、考え始めました。本当に腹をくくっているのか? という思いで書きました。
この頃から、欠席したり、休会したり、いろんなことがありました。

2021年「権限委譲者に変身する」
このことは、あまりお話していないかもしれません。 社内で色んな課題を持ちながら、権限委譲をさせて、うちのメンバーみんなに頑張っていってもらいたい、そんなお話です。

2022年「本物のリーダーになる」
2021年の延長線上なんですが、そう思いました。
なぜそう思ったのか、ということを、書いてみました。


今年の想い…私の思う「本物のリーダーになる」とは…
もっと、我がままに生きる、ということかもしれない。
当然、ありきたりのリーダーシップは必要だが、もっと主体的に生きること、
もう少し、自分の想いを貫く生き方をしたい…ということ。
主体的に生きていないわけではないが、もっといろいろな思いをぶつけてもよい、と思い始めた。
仲間を引き連れて山に登っている以上、みんなを危険な目に合わせるわけにはいかないが、いつも楽しく、時には厳しく、みんなのケツを蹴飛ばしながら、そして時には弱い自分をさらけ出して、山に登る。
そんなイメージが沸き起こる。

今は、社内により多くの時間を費やしているが、
ことしは、寄り道をたくさんしてみたいと思う。
新しいものに出会って、いろんな人に会って、いろんなものを吸収したい。
本もたくさん読みたいし、毎日のアウトプットも続けたい。
今までの失敗を生かして 新たなビジネスも立ち上げる準備もできたら楽しいだろう。

誰かの受け売りっぽいが……。
気が付いたら、点と点が繋がって、知らないうちに線になり、面になっていく
そんな生き方を考えるとワクワクする。


私が思うところの、リーダーのイメージです。

去年、「わが社の戦略と課題」というテーマで発表したときの文章も、紹介します。
そのときは、蒼天先生から、「日々の精度を上げる」というお話がありました。精度を上げるためには、自分の感性を高めて、今まで見えなかったものが見えるようにしていくことだと理解しました。
自分のためにならないこと、やらないことを決めて、捨てる。
自分のためになることを、新しくやる。
ということでしたが、「自分のためにならないこと」が見つからない、そんな中で書いた文章です。


〈昨年考えた戦略と課題〉
田中先生曰く、『経営者自らが武器になれば中小企業の未来は明るい。』
そして 『日々 精度を上げる』 とのこと。

自分の感性を高めて、今まで見えなかったものを見える様にしていく事、見えるような人間になる事と理解 ・・・

『精度を上げる』には、多分 『トレードオフ』 で 捨てること。自分の活動の全てにおいて、自分の あるいは みんなのためにならないことは やらない! と決めたい。ただ、『ためにならないと思ってないから やらないことが見つからない』

まだまだ 『夜明け前』 ではある。
でも かっこつけると ・・・どんな困難にも ひるむことなく 果敢に立ち向かい 、その先にあるものを見てみたい!!

そこで、今迄は・・・『特攻野郎Aチーム』が顧客に寄り添いながら、課題を解決・・・‼

昔の同僚(それぞれの分野のスペシャリスト)を集めて展開してきた。
(ハンニバル(指揮官)、フェイスマン(調達)、クレイジーモンキー(操縦)、コング(メカ))

でも、気が付くと、食肉製造・卸向けのシステム導入実績で長野県内シェア : 87%
これは面白い取り組みができることは間違いない‼ さあ、次なる山に登ろう‼
でも ・・・ ヒーロー たちが ・・・ 疲労。次の山に登るには体力が足りない。ヒーローが馬車馬のように 登ってきたせいだ。

そして 試行錯誤・・・
ヒーロー採用計画 ・・・ ヒーローは 簡単に 採用できない。
※ 我々が一から育てる しかない⁉
ヒーロー育成計画 ・・・ ヒーローは 人を育てるのがヘタ 。
チームで結果を出す作戦 ・・・ ヒーローを中心としたチームづくり。
そして『ヒーローがいっぱい戦略』である。 私の想いは、みんなが 『やりたいことができる会社』そして 『この会社で働いていて良かった』と言える会社にしたい、ということ。

私が最優先で取り組むべきこと(課題)
① 古い ヒーローに 活力を与える事
このヒーローたちの人生をより豊かにすること
      余談ですが・・・ 我が妻 曰く
       目標は、マザーテレサのようになりたい そして
      アイティーキューブの母になること と言っている。
② 新たなヒーローを育てること
向かう方向だけは 意識を合わせて

私だったらこうする、と勝手に考えて行動すること。それが楽しい。「あうん」で 動く。
もしかしたら、こんな、ヒーローたちがたくさんいる会社をつくることが 、私の目標かもしれない。そのヒーローたちを引き連れて、難題を解決していくのが、私の役割。
さあ、次なる山「富士山」に登ろう。


昔、「特攻野郎 A チーム」というテレビ番組がありました。そんなチームで仕事をしてきました。それぞれのスペシャリストを集めて展開してきたら、気がついたらある特定の業界でシェアが87%ほどになって、「これは面白いことができること間違いない」と思いながら、今は、その次の展開をしていきたい、という想いがあります。
でも、ここ数年の現実問題として、ヒーローたちは疲弊している。じゃあどうするんだ? という僕自身の葛藤が色々あります。
ある程度のお金をかけて、ヒーロー採用計画を実施したが、そんな人は見つからず、一から育てるのしかないのかと、育成計画は立てるけれども、今のヒーローたちは、人を育てるのが下手。
そして今は、チームで結果を出す作戦で行こう、「ヒーローがいっぱい戦略」を考えよう、僕の周りを、ヒーローたちばかりにするのが面白いんじゃないか、ということを思いつきました。具体的な戦略ではなくて、私の中で「こんな風になったら面白いな」という想いです。

当社は、今まで「あうんの呼吸」で動いてきました。「ルール」「仕組み」の中で、しっかりと動かしていくということも、考えてはきたのですが、最終的には、やっぱり「あうん」で動けば面白いだろうなと。
それぞれが自分で考えて仕事をやって、僕がそのヒーローを引き連れて難題を解決していく、というのができたらとっても面白いだろうなと。

去年、そんなことを考えていて、改めて「本物のリーダーになる」ということが、自分の中で湧き上がってきた気持ちです。
相変わらず私自身が全く成長していない感じがする中で、今の段階で私としてこうなりたい、こうなったらいいな、というところで決めた短冊テーマです。


●墨田
ありがとうございます。
悩みというか、迷いなんかもありながらのお話であるように感じました。黄金さんが、何か回答というか、考えを持たれている気がしてしょうがないんですが、いかがですか?

●黄金
言葉は悪いけど、違うと思うな。
藤崎さんが目指そうと思っていること、実際やりたいことは、今話された言葉には、全然現れていない気がします。言葉に酔ってる、語呂合わせが上手、そんな感じだけど、藤崎さんの本当の気持ちはこういうことではないのに、無理やり言葉の中に押し込めているような感じがしていて。

藤崎さんは優しい人。藤崎さんの目指す会社というのは、社員のみんなと幸せになりたい、ということですよね。ならば本物のリーダーとか言わなくても、社員の子たちと、もっともっと話をする、とかね。

というか、そもそも「本物のリーダー」って何? 問題はそこじゃないんじゃない?

僕が今年「闊達自在」と言う言葉の中でね、この前僕が話したのは、要はね、わがままじゃなくて、あるがままに生きようと、自分ができることを。できひんこといっぱいあるし、あるがままに生きていったらええんとちがうか? という話、ね。わがまま、っていうのは、自分をしっかりもってへんかったら、わがままにならへん訳で。あのう、わがままって、実は難しいと思ってて、藤崎さんとかも、ほんとに周りのことを考えながら、家族のことや、社員のことを考えて仕事をしよう、と思っているなら、わがままって、基本的にはなれないよ。ただ自分の持ってるものとか自分のできること、で、社員のみんなにできることは何なのかな、と考えていったらいいだけ。言葉もめちゃめちゃ多かったけれど、藤崎さんが思っていることが、全然表現されてないんじゃないかな、という違和感をすごく感じました。
俺も昔、そういうこと言ってたんじゃないかな、というのを一瞬思いましたけどね(笑)。

●蒼天先生
当たってる(笑)。

●藤崎
最初に僕が話していた「わがまま」の意味なんですが、「わがまま」というよりも、さっき黄金さんが言われた「あるがまま」という意味なんだろうな、と思うんですよね。
あるがままの自分を出したい、というか、出すために、たぶん今、苦労している。出すのが恥ずかしかったり、経営者として、そういうのを出すのは、とっても恥ずかしいことだ、みたいなところがある。その気持ちを捨てて、あるがままが出せるようになりたい、そういうことです。

●黄金
最近、僕はリーダーって人を育てないといけない、と思っていて。
自分が完ぺきに何もかもできて、それを教えていってあげる、そういうやり方もあるかもしれないけど、さっきの3分間トピックスでも話したように、僕、実はたいしたことないし、足りないところもいっぱいある。社員の方が優れていることもいっぱいある。

じゃあ、その若い子たちを、どう育てる?
彼らが力を発揮できるような雰囲気づくりとか、会社のビジョンを考えていく中で、自分ができないことをできる社員をたくさん集めて、自分はまとめていく、とか。自分は彼らの下になって、細かいことをやって、彼らの世話をやってあげる、ということもあるかもしれない。

藤崎さんの描くリーダー像は、もしかしたら、「みんなを引っ張っていかなくてはならない」「自分が何もかもわかっていないといけない」という感じで、だから、理屈っぽくなってきているのかな、という気もするんやけど。

あんまり難しく考えずに、本当に藤崎さんがやりたい、と思うことを生き生きと元気にやっていく、わははと笑いながら、たまには会社をサボったりするのもええんと違うんかな、と思うけどね。ははは。

●藤崎
ほんとに今言われている通り。
1年以上ずっと悩んできた、「リーダーとは何か」ということ。自分の中でずっと考えていたことです。
「人を育てないといけない」ほんとにその通りで、私がすべてのことをできる訳でもないし、みんながやっていってもらえるように、僕が持ってく、ってところは、ほんとに考えていて。

実は昨日、お客さんのところに行っていた社員から、トラブルの電話があって。
たぶん以前だと、僕がなんとかしないとあかん、というカタチで動いていたけれども、そうじゃなくて、少しは「ははっ」と笑えるように、その場を笑いで和ませる、緊迫した雰囲気を作らない、というか、そういう自分を作ったりしている、その最中なのかもしれないですけどね。
自分の殻というか、その、殻みたいなものが、破けないで、うごめいている。自分の中のイメージは、そういう感じ。

●蒼天先生
あのね、藤崎さん。今黄金さんが言ったけれど。
今日の発表は、あなたの「本心」の発表ではなかったんです。「本心」と発表の内容が違う。で、今、この場で必要なのは、「本心」の発表なんです。

発表された内容は、どちらかというと、「あるべき論」というか、「こうありたい」という理想論。だからそこに、本心との溝というか、乖離がある。

「話の面白さ」という観点でみると、本心で話をされる人の話は面白くて、あるべき論、理想論、本心から離れたところで色々話している人の話は、面白くないんです。で、今、藤崎さんの話は、面白くない方です。はっきり言いまして。

それは何が原因か? やっぱりね、1年間休会されたことが原因だと思います。
藤崎さんは、1年間自社のことだけをやっておられて、頭がそちらの方に行っていたから、この会とのギャップが出てきたというかね。

「本物のリーダーになる」それは、なりたいだけの話でね。リーダーにならなくても、藤崎さんが、本心で、裸の姿で、社員と接してたら、それが魅力的であったらね、社員は勝手について来ます。
だからもう、この際、会社のことを考えるのではなく、自分自身のことを掘り下げましょうよ。

●藤崎
えっと、なんというかな、えっと、どう考えたらいいのか…
今おっしゃっていることは、たぶん、よくわかります。答えはすぐには見つからないですけれども。
自分の中で、本心ではなくて、作っているもの、「こうあるべきだろう」という考え、そういうものがある、ということは、認識している。
そういうところを、掘り下げる、っていうことですよね。

ようやく会社の中で、自分の時間が取れるようになってきた今、そういうところをより深く考えていかなくてはならない、ということを、頭では理解しました。
正直、「どうやったらそれが見えるのかな…?」答えは見えていないです。

●蒼天先生
要はね、藤崎さん。ごちゃごちゃ考えなくていいから、今年はフルに出席していただいて、みんなと、ガヤガヤやっていたら、勝手に新しい自分、今まで気づかなかった自分というものが、見えてきます。
今、藤崎さんは、自分のことが分かっていないんですよ。自分が認識している自分と。僕たちから見えている藤崎さんとは、違うんですよ。そこに、僕は引っかかりを感じました。

●藤崎
そこは僕も然りです。

●墨田
せっかくの機会ですので、皆さんから、必ずひとことは頂いて、そんなヒントをつかんでいただきたいですけれども。菖蒲さん、どうですか?

●菖蒲
そうだ、藤崎さん、お休みしておられましたものね。私、この2年間ずっと、「愛」「愛」と叫んでいたのを聞いておられないんですよね。
「自分とは何か」「自分らしさとは何か」そういうお題目から切り込んでいったわけではなくて、「愛」という言葉そのものの本質を考える機会に遭遇していった2年間でした。その結果、「自分の幸せは、どこにあるのか?」ということを、すごく考えることになったんです。

日本では、例えば「働き方改革」とか、議論はお題目から入るでしょう?
自治体、役所なんかもそう。テーブルにお題目がないと、話し合いができない。そういう感覚がある。
私は、そういうものが腑に落ちない、というか、居心地が悪いと感じるタイプでした。
なるべく自分の言葉でしゃべるように、なるべく自分の素直な感覚で、人に何でもぶつけていこう、と思って生きてきた感があります。
それが正しいとか正しくないとか、それは誰にもわからないし、私にはこれしかできないと思ってやっているだけなんです。結果として第三者が評価する、ということはあったとしても、自分ではあまり考えなかったように思います。

あ、そうそう、藤崎さんは、ご長男ですか?

●藤崎
末っ子長男です。

●菖蒲
なるほど。長男とか長女とかね、やっぱり背負いますよね。そもそも、子どものときからそうです。私は長女で、子どものときから、全部自分が背負っていました。ある意味、子どもらしくなかったです。お姉ちゃんとして、全部自分がちゃんとしなくてはいけないし、父親の言わんとすることも理解して、何もかも自分がやらなくては、と。
私を救ってくれた担任の先生に、「お前はどうしてそうなんだ?」と言われても、20歳過ぎてもなぜそんなことを言われるのか、さっぱりわかりませんでした。
いつもいっぱい、いっぱいで、27歳で潰瘍性大腸炎になったりとかね。
遅まきながら、ようやくここ最近、60歳になって、その呪縛から逃れることができてきた、平和になった気がします。これからはもう、幸せになっていくんだろうと。そんな気持ちです。
だから、蒼天先生がおっしゃるように、ずっと1年間、ご一緒させていただければ、徐々に、何となく、このニュアンスがわかってくるんじゃないかな、と思いました。

●藤崎
ありがとうございます。
じゃ、菖蒲さんの変わったきっかけはなんですか? 

●菖蒲
私ですか? まあ、思いつくこと手あたり次第しましたからね。
どこを切り取っても、ちょっと話が長くなりますけど、っていうエピソード、いっぱい抱えられるほど、いろんなことをやってきました。
前にも言いましたが、「世のため人のため」と思ってずっとやってきて、「自分のため」、というのを忘れてたんですよ。目標に、自分のことを書かなかった。

自分自身のことは、すごく極端な人間だったと思います。
世のため人のため、と言いつつ、じゃあ、人の気持ちがわかっていたのか? っていうと、取り越し苦労はあっても、そこは足りなかったように思います。

だから、徐々に、人間らしく、今、なっているんじゃないかと。この百年企業研究会に入ったおかげかも知れませんね。
蒼天先生との出会いがそういうふうに、あの、やっと、軌道修正がはかれているんじゃないかな、と気がしていますけどね。

●蒼天先生
今の菖蒲さんの話の続きを申し上げると、藤崎さんも会社のことを考えなくなって、自分のことを一生懸命考えるようになったら、今、菖蒲さんの言われたことはよくわかると思います。

●藤崎
自分のことはあんまり考えたことないというか。最優先で考えたことはない。

●菖蒲
そうでしょ?

●藤崎
だから行き詰るんですよ。書こうとすると。

●蒼天先生
それはね、藤崎さんだけじゃない。菖蒲さんも、そういうプロセスを経て、今があるのと一緒でね、みんなあるんですよ。特に我々の世代はみんな、まず会社ありき、でね。まず仕事ありきで、ずっとやってきたから、だから自分のことを考えなかった。自分の家庭のことも考えなかった。僕らもそういう時代で生きてきましたからね、よくわかるんです。で、気がついてみたら、自分のことは、どうなってるの? ということになってね、自分のことが何もわかってない、とか、仕事をとったら、何も残らないとかね、我々はそんな時代だったから。

だから、今、藤崎さん、会社のこと全部忘れてしもたら、また、新しい何か……。

●藤崎
全部忘れられないんですけど(笑)

●蒼天先生
新しい何かが出てきますよ、きっと。

●緑山
今、「全部忘れてしまったら」、と蒼天先生おっしゃいましたけど、その時瞬間的に思ったのは、藤崎さんは、先日事故に遭われて、もし大けがをして、1ヶ月でも入院しないといけなかったら、本当にどうなっていたかな? ということです。
藤崎さんは今、色んな心配とか、お持ちだと思いますけど、もしかしたら、1ヶ月入院されたとしても、会社はちゃんと順調に回ってたんじゃないの? とか、思ったりしなくもないです。
私は営業しかしてないので、営業的な観点からいくと、藤崎さんって周りに人が集まって来るような人だと私は勝手に思ってるんです。例えば、この人と昼飯食いたい、とか、この人と飲みに行きたいな、って思わせる人。で、そういう人って、営業的にいえば、もう、めちゃくちゃ成績よくなる人なんですよ。
でもね、どうなのかな、もしかしたら、会社で、めちゃくちゃ怖いんかな、とかね。それとか、昼飯は、ひとりで食ってはるのかな、とかね、その辺、わからないところが私にはあります。実は、藤崎さんってどんな人なんやろ、とかね、思ったりもします。
まだ、未知の部分があるので、的確にお答えできないけど、私は藤崎さんと昼飯食いに行きたいし、酒飲みに行きたいし、そういう人物やな、と思っています。
あとは、もうひとつおまけで言うと、先月2月の下旬に、恵那山トンネルのちょっと先のところまで、仕事に行ってました。あ、藤崎さんは、こんな所で仕事しておられるんだな、あと30分も走れば、駒ヶ根まで行けるよな、って思いながら、寄ろうかな、でも、たぶん藤崎さん、めちゃめちゃ忙しいやろうから、寄らないほうがええな、という遠慮をさせてしまうような人なんやな、とちょっと思いました。気軽に行ける人になってほしいです。

●藤崎
僕に対して、実はどんな人なんだろう、っていうのが、あるんだろうと思うんですよね。
そこがさっきの「自分があるがまま」が出ていない、自分をさらけ出せていない、そういうことかな、そういう部分がすごくあるんだろうな、と思いますね。
そこがなんか、恰好つけ、みたいな状態になったりしているんじゃないかな、とも思います。
ありがとうございます。

●緑山
今度長野行ったら、突然寄りまーす。

●藤崎
是非~! ぜひぜひ、寄ってください。紺野さんもまぜてね(笑)。

●緑山
(笑)

●墨田
この場は、恰好つけないほうが、たぶんめちゃくちゃ楽になると思います。

●藤崎
恰好つけてるつもりはないんですよ。そういうふうな、何か自分に染みついてる何かがあるんですよ。

●墨田
それは結局自分で剥がすしかないですけどね。
緑山さん、愛あるコメント、ありがとうございました。

藤崎さんに、全員からのコメントをいただきたいので、司会の権限で、時間延長します。
水島さん、どうですか?

●水島
藤崎さんは、めちゃくちゃ真面目やなと(笑)。真面目すぎるんだなと思いました。なんかもっと、アホになっていいというか、うーん、言葉が難しいですけれども、黄金さんが最近言われている「あるがまま」とか、「わからんふりする」とか、そういう、ちょっと、抜けてる部分、っていうのも、社員さんや家族、僕たちに見せていただいても全然いいんじゃないかな、と。
それで藤崎さんを嫌いになるような人はたぶんいないですし、むしろ藤崎さんってそういう面白いところがあったんだ、っていう方にいくと思うんですよね。
僕が言うのもあれですけれども(笑)、もっと、人間的な感情を出してもいいんじゃないかな、みたいな。
「リーダーとして」「リーダーにならなければならない」みたいな感じの肩ひじ張り具合が、だいぶあるんじゃないかな、と、思いました。
社員さんの前で泣いたりとか、「うわー、どないしようー」とか、言ってもいいんじゃないかと。そういう一面を見せると、みんな、藤崎さん変わらはったな、みたいなものが出てきそうな気はしますね。

後は「宇宙兄弟」という漫画とかを見ると、リーダーについて、考えさせられます。主人公は、リーダーだけど、泣き虫で、よく泣く。だけど、その泣いている姿にみんなが共感して、ついていく、そういうところもあります。
リーダーの、ちょっとだらしなかったり、頼りなかったりする部分を、みんながフォローする、そういうリーダー像も実はあったりするのかな、と思います。

先ほど言われていた「ほんもののリーダー」ですが、じゃ、ほんものって何?
大企業の社長、みたいなそういうイメージのリーダーというのを目指さなくてもいいんじゃないかな、もっと、藤崎オリジナルな感じのリーダー像というか、もっと肩の力の抜けたリーダー像でもいいのかな、という気がします。

●藤崎
ありがとうございます。今、水島さん言っていただいた「ほんまもののリーダー」ですが、大企業の社長みたいになりたいわけじゃないんですね。
実は「宇宙兄弟」20巻全巻買いました。まだ1冊しか読んでないんですが(笑)。

藤崎が「自分をさらけ出してない」それがリーダーとしてというか、人としての課題であるとご指摘いただいているな、というのは、本当によくわかってきました。

そこを何とかする、ということですよね、私。
あ、あんまり言っちゃうと、また固い話になっちゃうな~(笑)

●菖蒲
あ、いいですか?
たぶん藤崎さんの後ろ姿って、戦っている人の後ろ姿だと思う。

戦っている緊張感が、背中から漂っているんじゃないかなと。
いいとか悪いの問題ではなくて、「背負っている」というのをはっきりと感じます。
それは尊敬の対象でもあるのですが……。
ふざけたこと言って申し訳ないんですけども、スタジアムジャンパーみたいなものに、後ろに「愛」という言葉を書いてですね、羽織ったりなんかしたら、おもしろいな、とか思ったりしました。すいません。ふざけて(笑)。

●桜庭
面白い議論だな、と思って、聞かせていただきました。
私も、今回の発表までは、本心を話すのでははくて、「あるべき論」で入っていたし、こういうふうに見られたい、こうであったら人からすごいって思ってもらえる、みたいな、他人の評価を気にしていましたよね。

で、結局、何が今年、全く違う目標をあげる原因になったかというと、もう、何もないので、そうやって、極限のところに置かれたときに、もう自分がやりたいことをやるしかないわけですよね。
創業しようと思ったときの動機よりも、もっとピュアなものに立ち返るしかない、というか、それで、気が付いたら、自分がやりたくて、楽しくて、好きなことに、せっかく創業するというのは自分の意志と、自分のリスクでやってるわけだから、それに素直に従えばいいじゃん、みたいなところになったわけなんですよね。
こんなにしんどい思いをして、ようやくそこに至ったんですけれども、人間やっぱり究極の環境に置かれると、そもそもどうしたかった? っていうところが見えてくるのかな、と思いました。

わざわざそういうところに身を投じなくてもいいと思うんですけれども、例えば、お寺に行く、山に登る、そういう時間が作れるのであれば、ちょっとひとりとか、会社とは関係のない人と一緒に、そういう環境に身を置いてみると、何かふっと見えてくるのかな、とは思います。自然環境は豊かな場所だと思いますしね。

私も、自分のやっているツアーが、そういう自然環境の中で、いろんな体験をするようなものが多いので、割と今年は山もたくさん入りましたし、湖に出て行くこともありました。そうするとやっぱり、見えてくる、っていうのもあるんですよね。
だからいつも蒼天先生がおっしゃっていた右脳という、その、直感、英語でintuition、といいますけれど、そういう部分に作用するんだと思うけど。
藤崎さんも、今ずっと左脳で考えているものを、ちょっと右脳の場所に身を投じてみると、何となく本来の自分はこうだった、っていうところが見えてくるのかな、なんて思ったりもしましたけれども。
ちょっと私には、先輩に対してそうするのがよし、なんて、ことは言えないので、結論としては、菖蒲さんが1番最初におっしゃった、北九州の占い師にみてもらう、というのはいかがしょうか?(笑)
意外とそれもありかな、と思うんですよね。頼れない時は、まったく違う次元の人に話を聞いてみる、っていうのも、ありかな、なんて思ったりもしました。

●藤崎
ありがとうございます。
ちなみに、阿闍梨さんツアーは、今年は開催されるんですか?

●桜庭
とっても高いんでね、ひとり10万円以上するので、それはどうかはわからないんですけども。
阿闍梨さんって、すごいんですよね。阿闍梨さんだけではなくて、延暦寺って、日本の仏教の母山と言われているだけある、と思いました。

もちろん、阿闍梨さんはたくさん勉強されるので、それはもちろん大切なことですが、あの人たちは、結局自然環境の中に、しょっちゅう身を置くわけです。
そうすると、色んなものがそぎ落とされていって、何が1番大事なのか、というのが自然と見えてくるわけですよね。

こちらが理論武装をして、例えば「お客さんにこういうことをしゃべったらどうでしょうか」と質問するんですけれども、「そんなことを聞いたって、誰も面白いとは思わない。もっと極限までそぎ落とされたものの中に、本当に大事なものがあるから、頭で考えることをお客さんに説明しても、絶対に伝わらないし入らないし、それを皆さん母国に帰って実践しようなんて、誰も思わない。だからそんなことしゃべっても、無駄ですよ」と言われて、本当にそうだな、と思いました。

外国人がやっている旅行会社のガイドトレーニングに参加させていただいたときのエピソードですが。
外国人と日本人で、何が違うのか、という話をよくされるんですが、日本人って細かな細かな事実をたくさん積み上げてって、で、こうです、って説明するんですけど、非常にわかりにくいと。

例えば、お寺に連れて行ったとき。
日本の仏教は、こういうものなのだということが説明できないといけないんですが、それには、なぜ、仏教が1000年も2000年もの長い間、この国に根づいているのか、ということが、自分の中で、ぴちっと落ちていないと、伝わる説明ができない。その時に興味を持って聞いてもらえる話というのは、必ず自分自身と関連しているものだ、とおっしゃるんです。

ちっちゃなエピソードがあって、自分はそれをすごく大事に思っていて、それが仏教とこう繋がっているから、だから私はこのお寺をあなたに紹介したいんだ、みたいな言い方をしないと、やっぱり外国人には伝わらないし、面白いとも思ってもらえない、感動もしてもらえない、なんで日本人がこんなに仏教に帰依しているのか、ということが伝わらないよ、ということを言われました。

さっきから皆さんがおっしゃっていたように、興味を持って話を聞いてもらう、ということは、自分のその内面と、大事なものの本質がきっちり繋がっていないと、他人に興味関心を持ってもらえないんだろうな、つまりは、自分の中で、あるところまで、大事なものを掘り下げていかないと、人に話なんかできない、ということが、そのガイドトレーニングを受けていて、とてもよく分かったんですよね。

じゃ、どうしたらそれが見えてくるのかっていうのはわからないですけど、ひとつは占い師に聞くと。ひとつは自然環境に身を投じて、extremeですよね、究極のところに来ると、自分が結局どうして生き延びたいのか、っていうそういうところが見えてくるのかな、っていうふうに思ったりもしました。

●墨田
ありがとうございます。桜庭さんらしいというか、今までさんざん左脳で鍛えてきたところに、最近の右脳が入って、めちゃくちゃ理解しやすかったですね。
ありがとうございます。

●銀河
桜庭さんのお話は、私にも言っていただいている感じもあって、もはや言うことはないんですけれども。
藤崎さんからしたら、私、何も背負ったことないし、歳も下だし、やったきたステージも全然違うから言いにくいんですけど。
感想、感覚、的にお話すると、
自分と向き合うとか、自分を掘り下げる、って、どこにその糸口があるのかな、っていう、糸口さえつかめたら、後はすーっと、その糸を引き上げていくような感じで、わかるんだけど、自分のどこを触ったら、その自分の本質、今の自分と向き合えるのか、っていう、1本の糸の端っこが、たぶん、見つかっていらっしゃらないのではないだろうか。と思います。

常にそうありたい、そういうふうに、どこかで糸の端っこをひっぱりたい、という気持ちを持ち続けていたら、勝手に、そのきっかけが来るという気がします。来ない間は、別にいいんじゃないかと思います。
勝手に来る。
それは、今その必要がないから、来てないだけで、でもそう思い続けていたら、必ず来ると思います。

もうひとつ、思ったのは、
桜庭さんがおっしゃった、自然の中へ行くということも、私はすごく大事だと思います。それも、そうしたくなるときが必ずくるというか。無理やりに、山に入る必要はなくて、自然と行っちゃう、というか。行っちゃいたいその時を見逃さない、そのために日記を書く、ということなんだと思います。
繋がらないかもしれないですけど、自分の行動を書いていたりとか、自分のふと思ったこと、書いていくと、そういう兆しが見つけやすくなるんじゃないかな、と思います。

それから、「宇宙兄弟」を読まれたあと、これを読んでもらえたら。「ただしい人からたのしい人へ」という本です。
私、結構今まで、正しくありたい、人だったので、自己満足的な理想の自分像がありました。「ただしい人からたのしい人へ」を読んだときに、あ、たのしい人の方がいい、こっちこっち、と思いました。たのしい人になったら、そこに自分の本質が出てきて、自分と向き合うひとつのきっかけになるんじゃないかなと思いました。きっと何かひっかかるところがありますし、経営者のあり方についても、書かれている章があるので、他の方にも読んでいただけたらいいなと思います。

あ、もうひとつだけ
何年か前に、長野県の「わざわざ」さんで、そこのパンを、例会が始まる前にわざわざ買いに行っていただいて、例会のときにみんなで食べようよって言ってくださったとき、藤崎さんって、思いがけない驚きをもたらしてくれて、みんなで分かち合ってくれる人だと思いましたし、
お忘れかもしれないんですけど、1回だけ、大津の初めての会場であった例会の後、立ったまま、寒い寒いなか、お話したことがあって。覚えてられます?

●藤崎
全然覚えてますよ。

●銀河
そのときに、めちゃくちゃ、いいお話、いっぱいしてくださって、私も、すごく楽しかって。

●藤崎
そうなんだ。

●銀河
凍てつくような風がぴゅーぴゅー吹いて、寒かったんですけど、仕事の話、会社の話を熱く話してくださって、それがとても記憶に残っています。で、あんな感じ、ええやん。と思ってます。

●墨田
私もどちらかというと、「こうでなければ」と思っていましたけど、厳しいことを言ってもらえるのも、本心で話ができるのも、この会くらいないと思います。ここにずっと身を置き続けていたら、周りの人たちがみんな本心だし、鎧を脱いでいるような人たちばっかりなんで、そういうお手本となる人たちに、毎月1回会っていると、ふとしたときに、自分もこうしたらいいんかな、みたいな、さっきの銀河さんの「糸」、それが1本見つかるみたいで、自分もどこかで、そんなことがありました。
見つかってからは、短冊に何を書いたって、言われることもちょっと変わったな、と思います。それは、自分の心の中から出てくることを書いてるからだと思えるようになったんで、なので、藤崎さんも、ぜひ、続けて、この仲間でやっていただけたらな、と思いました。

●藤崎
僕に糸を手繰り寄せてくれました。

●墨田
これで、全員からのコメントが終わりました。藤崎さん、何か思ったことを言っていただけますか?

●藤崎
ありがとうございます。
皆さんほんとにありがとうございます。
ほんとにこの会、改めて、いいなと思いました。
今墨田さんが言ったように、普通に経営者の会だとか、何とかの会って、そんなに厳しいこと言ってくれることなんて、ないんですよね。
本当のことなんて、なかなか言わないというか。言う機会もなくて。この会改めて、貴重だな、と思っております。参加していると、そのうち降ってくると。それを信じて、参加したいと思います。皆さんありがとうございました。

 

【短冊発表 菖蒲さん】 「環境がゆりかごになる街を創造する」

●菖蒲
2019年からの短冊ちょっと出してみました。

2019年 「アートとおかしみ~ユーモアのある生活~」
2020年 「愛のある暮らしをこの手から」
2021年 「愛のある挑戦」→「愛を抱きしめ 心躍らせて(一緒に)超えて行く」「絶対色感で空間を調律する」

2021年は、なんかうやむやになって、最後まできちんと発表してなかったなぁと思います。

先ほど藤崎さんにもお話しましたけど、愛、愛、愛、と。今まで使ったことがない「愛」という言葉を、連発しておりました。
そして今年は、「環境がゆりかごになる街を創造する」
私自身の環境を、こういうふうに持っていきたい、ということと、仕事において、街づくりのなかでこういうことをやっていこうと思いました。

(「PPP」と「WPP』」については、後で説明します)

 

例えばパブリック、公私の区別ということでいった時に、いつも自分と他者、自分とそれ以外、自分を取り囲む環境、を考えるときに、どのレベルを言っているのかを著すために使っています。年輪みたいなものです。
私という軸から、私を取り囲む家族まで入れて、ここまでを「プライベート」と考えるならば、その外側にあるものは、家並みや街並みなど、「街」という単位になる。
さらにもっとブロックで集まってくると、「地区」とか「地域』」になる。
さらに膨らんでいくと、「市町村」という枠組みになる。

私は「街づくり」「地域おこし」的な活動の中で、あるいはその景観のことを考えるときの近視眼的、遠視眼的なものの見方を繰り返す中で、このようにスモールスケールから、わっと広がっていく、あるいはまた自分に立ち戻って視点を変えていく、という感覚を身につけてきた、という経緯があります。

で、考え方としては、子どもの問題、子どもにとってよい環境を作ろうというときに、子どもを取り巻く環境を「人」という単位で見るとき、社会の中で、子どもがどういう他者と関わっていくのかを整理して考えるときに、この年輪を使って考えたりするんですね。
子どもを取り巻くコミュニティってどういうふうに形成されているのかな? ということを、自分の頭の中だけで考えていてもわからないので、こういうことをやったりするわけです。

冒頭の「 PPP 」とは、「パブリック・プライベート・パートナーシップ」の頭文字です。
PPで公と私、公私ですね。で、みんなが共有している空間にも共感があったり、それから共同で何かやるとか、そういうことが起きだすと、共鳴するという状態が生まれる。
ひとりの人間の「私」という人間がいることと、それから私を取り囲む身近なところでも、とても大きい枠組みの中でも、他人事ではなく、自分事として、物事を考えていくという癖がなければ、なかなか、他人と何か、近所のこととか、街のことをやりましょうってことにはならないっていうことだったんですね。

私はこういう感覚をずっと身につけてきましたが、私の仕事の中で、PPPの非常に分かりやすい実例があります。

これは私が地中化をやったところの通りです。電線だらけで、電柱がむき出しに見えています。100メートル足らずの狭いこの通りは、本当に古くて汚いところでした。5年かけて、地中化が実現しました。



「どうやって、あの照明柱を作ったか」というところなのですが。
これが「関係性」ですね。
こちら側、行政が、街に対して望んでいることと、地元住民、その商店街が求めているもの、つまり違う方向から、一緒に同じ事業に取り組んだことによって、環境整備ができました、という実例です。

名前もなかった通りに、「京町小町通り」という通り名をつけたり、ロゴマークを作ったり、路面の色、照明柱の色、いろんな段階を踏んで、やらせていただきました。

例えば、役所が作ってくれた地下鉄のトイレというのは、なんだか自分から遠い存在なんですね。
それをどうやって、自分の側に引き寄せるか、自分たちのトイレなんだという感情を持ってもらうか、そういうことを思いながらやってきました。


(以下菖蒲さんの資料より)

寄り添いたくなるような・・・
思わず頬ずりしたくなるような・・・
引き寄せ抱きしめたくなるような・・・
包み込まれるような・・・
ゆりかごにいるような・・・
それが自分もまだまだ、死ぬまで育まれていくような・・・

そんな居心地の良さとか、そういう感情が沸き起こるような感じが、気持ちいいとか安らぐとか、親近感感じるとか安心感ということに繋がるんじゃないかと。
私はいつもここのイメージされるその感情というものですね、そういうものをずっと大事にしながら空間を作ってきたし、色彩設計を考えてきました。
だから『ゆりかご』っていう言葉を使ったのは・・・

「ゆりかご」は赤ちゃんだけでなく
育ち続けている人にみんな必要だ。
公園の芝生の上にカフェがある。
ベーカリーがある。
そぞろ歩くのが楽しい、
見知らぬ人と会話するのも楽しい。
歳を重ねたら終の住処はここに。
ずっと寄り添っていたいまち。
アートとユーモアのあるまち。
笑いの絶えないまち。
ここの空気はみんなを包み込む「ゆりかご」だ。

 

例えば自分のそばにあるコミュニティの中で、居心地のいい空間というのは、自分の家の中だけではなくて、その外に広がるイメージとしてこういうものができたらいいというのを常々ずっと考えてやってきています。

最初に京都に来て京都国際マンガミュージアムを見たとき、びっくりしたんですよね。
人工芝生であるのに、みんながこの下に寝そべったりとかするね、こういう光景は福岡では見られませんでした。京都で初めて見て、結構すごいなー、と思いました。
場というものができて、広場、こういう空間が生まれると、新しいシーンが生まれるんだ、とずっと思っています。
だから建物を作るよりも、こういう広場みたいなものを作るっていうことが、人が寄り添っていく上でとっても大事だと思います。
その中に色彩設計も関係してくるというだけの話で、まずこういう空間が必要であるなと。
こういうものが、皆さんや、私自身の身近にあることが、とても大事だ思っています。
パブリックとプライベート、公と私、すごい堅いお題目みたいですけど、「公私とそのパートナーシップ」、それが、私たちのアクション、行動とか、事業をやるときの柱になる考え方です。そしてそれは過去からずっとやってきたことです。


(WPPの説明)
愛という言葉が出てきて、変わったのはこれはちょっとPPに合わせてるだけですが 、Wは仕事の「ワーク」です。

「仕事とプライベートのパートナーシップ」ということで。
今よく言われるワークライフバランスの話ですね。
でも、ワークライフバランスを考えようって言われると、遠い話になるんですよ。

私にとっては、仕事とプライベートの調和が取れている、バランスが取れているっていうのは結果論。
取れないときもあるし、いい感じだなって思うときもあるし、バランス悪いな、というときもあるかもしれない。ひととおり経験してしまうと、なるべく自分自身が自分でいられるような状態を継続するには、どんな環境にいると、そういうふうに自然に、さっきのお話の「あるがまま」に振る舞えるのかな、と考えるようになりました。
よい環境に身を置くことが、人の幸せな姿であり、自分の幸せな境地であるんじゃないかなっていうふうに思ってまして。

それを、実は今関わっている水間鉄道の中で、頼まれもしていないけれども、『貝塚の駅と街と広場研究会』っていうのを立ち上げようと思っております。勝手に考えて、役所に提言しようと思っています。
職員とか社員はそんなこと考えたことがないと思うんですが、地域全体を自分たちのこととして捉えると。
会社の都合ではなくて、会社にいる人間は周りの地域の人たちのことを考えて、同じ人間としてどうやったら幸せになれるかを一緒に考えるという、大げさですけれども研究会のような小さなものを立ち上げたいなと。
で、私が過去のように何かを背負って歩いていくことはないと思うんで、柔軟にアホなことを言いながら、こういうことをやらせていただければいいなと、ちょっと私の心の中に火がついた次第でございます。4月から新年度で動き始めるようにしたいと今思っているところです。


●墨田
「街づくり」という意味では、地域のこととか、すごく本心から考えておられる桜庭さんとか、思われることが多いんじゃないでしょうか?

●桜庭
いつもながらすごく勉強になる話で。
菖蒲さんの目標云々というよりも、どうしたらそういう仕事ができるんだろうみたいなところで聞き入ってしまったんですけれども。すごく羨ましいなあと思いながら聞いていました。
前回の「マイパブリック」っていうフレーズが、すごく頭の中に残っていて、そういう発想で行けばね、本当にあらそいごともなくなり、街並み、景観も整うんだろうなと思うけど、なかなかそういう風にはならないっていうところ、そこに対してお仕事していけるっていうのはすごいことだなと思います。
だからこの目標に対してどう、っていうよりも、一緒に勉強させていただきたいなっていう風に思った次第です。どういう勉強したらこういうことができるんだろう、っていうことですよね。それにすごく興味を持ちました。すいません、もう感想でしかありませんが。

●菖蒲
ありがとうございます。

●墨田
じゃあ自然がゆりかごになっている京北の銀河さん、いかがでしょう。

●銀河
ゆりかごです(笑)。
いやもう、凄い、しか出てこないんですけど(笑)。是非実現してほしい……。
菖蒲さんがすごいなって思うのは、たとえ一緒に仕事をしていく相手がどんな人であったとしても、そこは問題外、というか、人は関係ないというか。
いろんな組織とか、行政とか、絶対変な奴がいるじゃないですか。

●菖蒲
いますいます。

●銀河
絶対どうしようもない奴が何割かいる。けど、菖蒲さんは、そんなの関係ない、やりたい仕事をやれるようにやる、というその強さというのか、情熱というのか、いつも感じます。
自分が何かするとき、結構人間関係はごちゃごちゃしてしまうけれども、やっぱり、目的を忘れずに、そこは見ないでおこう、そういうのを、菖蒲さんから非常に学んでいる気がします。

●墨田
菖蒲さん、そこはなにか意識的にされていることはあるんですか?

●菖蒲
人に何かを言うときには、主語「『私は』こう思うよ」ということを必ず言います。
「私は今、こう感じているよ」ということを相手に伝えることの重要性、何歳くらいのときからか、忘れましたが、そういうことを意識するようになりました。そうすると、コミュニケーションが円滑に動き出すというか。
相手のことがわからない、ということは、相手との距離感がわからない、相手との距離が測れないでいるということ。
最初は相手が悪い、と思っていましたが、実は自分が、相手に対して、自分の感情の軸を見せてないから、そうなっているだけなんだって気づいた時がありましてね。
でもやっぱり、自分にも感情の波とかムラとかありますからね、それを自分で確認しながら、自分の軸を相手に見せる。
ただそのためには、日記というのは、銀河さんがおっしゃったように、日記に記していくっていうのが、自分の確認の意味でとてもいいことなんかなって改めて思いますね。

そういうことを意識するようになって、30年近く前から、ずっと中心市街地の活性化など、いろんなことで地域の人や、初めて会うような人とのコミュニケーションと合意形成に、ものすごく労力を使ってきました。いろんな先生や、周りの人達のおかげで学ぶことも多かったです。
でもやっぱり、何が大きな変化につながったかというと、「自分の感情をしっかり把握すること」、「自分の感情が把握できたら、相手に伝えられる、ということを発見したこと」が、すごく重要だった気がします。
良かろうが悪かろうが、相手が嫌がろうが、こう思ってるっていうことを伝えるってこと、とても大事だと思いましたね。シンプルだと思います。

●墨田
簡単そうで、でもなかなかやってないことだな、と思いましたね。

●菖蒲
そうなんです。やってない時は、ほんとにできるんかな? とか思っていたけれど、
意外と、ノリも大事ですね。自分がノってくることって大事かなと思いますね。

●蒼天先生
僕は、「街づくり」「街おこし」とか、「地域活性化」、1番嫌いな言葉です。
僕らから見ると、「街づくり」ってさっぱりわからない。
いい加減な言葉で、みなさん好きなように使っている。「街おこし」が何なのか、きちんと説明してくれる人はいない。本も何冊も読みましたけれども、さっぱりわからない。

そこで、菖蒲さんが先程出された絵です。
公私のせめぎあいからひとつのものが生まれるという図ね。僕はあれで、ものすごくスッキリしました。「街づくり」とは、こういうことだったのだと。あの図で全部理解できました。
非常にわかりやすい、いい絵です。

●菖蒲
自分で作ったんですよ(笑)。

●蒼天先生
ただ、あの図で、ひとつだけお願いがあります。
市町村のせめぎあいがね、先程の銀河さんが紹介した本、「ただしい人からたのしい人」になろうっていうね。
「ただしい人」というのは市町村のことです。「たのしい人」というのは、プライベートの方です。
そのせめぎあいがね、5対5じゃなくって、プライベートを9,市町村を1ぐらいの形でね、せめぎあいをさせたらどうなるかということです。プライベートが勝ちます。楽しい街ができます。
各市町村に行かれたときにね、いかに菖蒲さんが市町村に説得するか。市町村もそうだな、と思って、プライベートをどんどん入れましょう、あるいはプライベートに任せましょう、と。
そんなふうに菖蒲さんが街づくりに取り組んで行かれたら、これはね、面白いと思う。

もっと言えば、今お話されたことを、本に書いてほしい。
これは、絶対に、役所に売れます。役所には、街づくりに関わっている人が結構います。
観光協会とか、そういう組織、関係者も含めたら、たくさん従事者がいます。

そこでキーワードとしてね、さっき言われた「ゆりかご」。
「環境がゆりかごになる街を創造する」
とても面白いと思うんですよ。菖蒲さん、本を書いて、全国に新しい風を吹かせましょうよ。菖蒲さんの新しい街づくりの説、おもしろい! 受ける!
何が受けるかというと、市民1人ひとりのプライベートに軸足を置いていることです。

●菖蒲
そうですよね。
だから私、ずっとやってきて、嫌だなと思うのは、お題目がないと議論ができない、テーブルの上に、それらしい言葉がないと、議論が始まらないんですよ。
そういう委員会に
もたくさん出てきたけれども、何ら本質を押さえた話がないんですよね。

●蒼天先生
ひとつ言わせて。
市町村は、前例主義ですよね。でも、1か所だけ、成功例を作って、新しい前例を作ると、簡単壊せるんです。そこに、全国から視察が来られる。行政、市町村は、真似が上手だから。
だから、1か所、菖蒲さんが「ゆりかごの街」を作ればいい、と僕は思います。

●菖蒲
スモールスケールで、小さいところでいいから、やりたいなって。田舎でいいから、って思っているんですけどね。

●蒼天先生
小さい方がいいと思いますよ。大きかったら、なかなか、動かない。

●菖蒲
大きいところは、他の人がしますから(笑)。
この前、市長が変わったばかりなんです。国交省の官僚だった人で、偶然福岡県で仕事をしていたとき、私と接点があった方。「街づくり」の、私の話にピンとくる人なんです。
そういう偶然が重なって、色んな条件が上手くそろうと、面白くなる、やりやすくなります。
こういう、後押しの風が吹く状況を何となく感じるので、私も思い切ったチャレンジをしてみたいと思っています。

今、私は水間鉄道の顧問、という、軸足が民間の方にあるので、ちょうどいいんです。
学識経験者として、委員会から入っていくと、まずい。

●蒼天先生
行きやすい民間でね、そこで、理屈じゃなくて感情で行かれたらよろしい。とことん感情でね。最初は噛み合わないかもしれないけど、ある程度行ったら、感情って意外とすぐ接点ができるから。そうやってで引っ張っていったら、面白いかもしれませんよ。そう思いました。

●菖蒲
「そこに愛はあるんか?」と言いながら行きます(笑)。

●菖蒲
ちょっと、やる気が出てきたので(笑)。もうこんなやる気が出なくて、静かーに楽しいことだけやっていけたらと思ったけど、急に余計なこと考えるようになってしまって(笑)。
それだけやっぱり元気が出てきたのかな、と思います。去年まででは考えられない。

●蒼天先生
菖蒲さん、もうひとつ。10年後、考えたら、70歳でしょ? 九州やら大阪まで行くのが億劫になりますよ。
だからそれまでに本を出して、ペーパーで、本で伝えると。銀河さんじゃないですけれども、書く人になればいいんですよ。書く人になったら、ずーっと仕事ができるし。
それを目指してね、いろいんな資料が残っているだろうから、それをきちっとまとめて、それに菖蒲さんの意見、考え方を入れていったら、結構面白くなるんじゃないかなと。
僕は非常に関心を持ちました。

●菖蒲
ありがとうございます。

●墨田
ありがとうございます。もうこの会のメンバーは、最終的にはみんな本を書くような流れですけれども(笑)。

●藤崎
今、菖蒲さんが最後の方でおっしゃっていた、「私はこう思う」と、「私の感情を伝える」ということ。そのことが私のところに降ってきた。降ってきたというか、「私はこう思う」と、自分は言えていないな、と。「一般的には、こうだ」、みたいな話をしているっていうのがもう……。
そういうことひとつとっても、今、すごく勉強させていただきました。
どんなことになるのか、楽しみにしています。
ありがとうございました。

●水島
今年の短冊は「愛」じゃなかったなと(笑)。

●菖蒲
愛は含む、です(笑)。

●蒼天先生
愛は永遠です。

●水島
先生すごいですね(笑)。「愛は永遠」、名言出ましたけれども(笑)。
愛の次のフェーズと言うか、愛は、完全に土台された、当然のこととして、既にある、そんな感じを受けました。

あとは考えておられるスケールが違うんですね。
僕だと、まぁ自分、スタッフ、お客さん、お客さんのさらにエンドユーザーさんとかぐらいまでしか考えてない。多くても300人とか、それぐらいのレベルなんですが、数万人、数十万人みたいな規模の話を、常に考えておられる。
そして、それが、背伸びしておられるわけではなくて、ご自分のプライベートからの地続きで、というか。
上から見て、とかではなくて、ちゃんとご自分のベースと同じ地平線で話しておられるっていうのが素晴らしいです。もっと自分も頑張らなくては、視野を広く持ちたい、と思いました。
菖蒲さんに何か言えることは、もうないです(笑)。

「プライベートからの地続き」「自分のペースと同じ地平線」というフレーズが、読んでいてとても気持ちいいなあ、心地よいなあ、と思いました。好き。

●蒼天先生
水島さんに、提案があります。
菖蒲さんのお許しが得られるなら、一緒に鞄持ちで連れて行ってもらったら? 勉強になると思うよ。君の仕事の感じからいったらね。

●水島
いいんですか? そんな。良ければぜひ。

●菖蒲
中園さんと、一緒にお仕事ができたら面白いな、と思っていましたんでね。春ね、5月に向けて1度お話できたらいいなと思っています。仕事っていうか、一緒に何かやると、面白いかなと思いますけどね。別に私、特別なことをしているわけではないので。
要するに、考え方も、自然に広がって、縮んで、みたいな、自由に自分の頭の中が拡張性を持って収縮もできるんです。それは誰でもできるのではないかなと思います。
ほんのちょっとしたことです。

●蒼天先生
自然に広がるっていうのはね、みんな広がるんですよ。
ただね、本当に自分の好きなことをやってれば広がるんですよ。
無理してね、なにか自分に合わないことをやって、例えばお金儲けのために一生懸命やろうと思ったら、絶対に広がらないんです、と僕は思っています。

それは、黄金さんが、かつて人生は仕事と会社、儲けることが大事、というところから、一皮むけたら、広がっていっておられるでしょ。これから、どんどん広がりますよ。

最近、彼が僕の言いたいことを色々発言してくれるから、僕も、だんだん楽になってきました。彼だけじゃなくて、桜庭さんも、銀河さんもそうだし。

メンバーそれぞれが、自分自身を掘り下げていったところで、何か新しいものが見えてきた。「本質」といえるのかもしれないけど。そして、そこに、何か共通点があるんですよ。
それぞれ、違う視点から、違うものを見ているのだけれども、深めていくと、共通するところがある。
それが、この場でひとつの面ができあがっていくというか。みんなで面になっていくというか。うまく表現できないけれども。
そういうことになりそうな気がします。
要は自然に広がるんだ、そうと思います。
黄金さん、自然に広がるでしょ?

先生のご発言の最後の箇所が、とても心に迫ってきます。
違うけれど、共通する何かがある、共通する何かがあるけれども、それぞれの生き方は違う。
そしてベースには愛がある。
「自分を受容する」「相手を尊重する」「お互いを認め合う」とは、こういうことなのかと、とっても鮮明な、すっきりした気持ちになりました。ありがとうございます。

●黄金
蒼天先生のおっしゃる「自然」という表現、「自然に広がる」じゃなくて「自然に広がった」んです。色んな環境の中で、意図して広がっていったのではなくて、自然にそうなって行ったんです。
だから僕、さっき藤崎さんにも言いましたけど、「こうやったらいいよ」なんてことは言えないわけです。
「なった」んです。
なんでなったの? と聞かれたら、それは蒼天先生に前からボロカスに言われているからかもしれませんけどね(笑)。

●蒼天先生
(笑)

●黄金
いろんなことがあって「なった」んですわ。
ただね、今の菖蒲さんの話と、藤崎さんの話、なんかすごく繋がってて。

藤崎さん、桜庭さん、僕、「こっち側の人」って言うと語弊があるかもしれないけど、勉強して積み上げてきた考え方を持っている人、ね。デジタルというか。

それに対して、菖蒲さんは、積み上げた考え方がありながら、「愛」という方向へ行く、つまりデジタルとアナログが融合して、また新たな何かが生み出されてきているわけです。

僕はちょうど、そのデジタルというか、積み上げてきた考え方だけでは、何かが違うよな、と自覚してきている。商売関係ないわ、とは思わないけれど、次のステップに移るタイミングが来たのかなーっていう感じが、実はすごくしている。

だから、藤崎さんは今、積み上げてきた考え方、デジタルのところを通過中だから、焦らなくていい。気がつくから、っていう話。

積み上げて積み上げて、色んな人の話を聞いて、いっぱいインプットする。
「みんなが言っているから正しい」 何の疑いもなく、そう信じてやってきた僕らの勉強の仕方、教育のされ方は、実は間違いだったのではないか? と気づくことも、学びだと思うし。

そうじゃなくて、例えば銀河さんのFacebookの写真ね、「電信柱におはよう」じゃないけど、アナログの、「感じる教育」、そんな、どんどん忘れて行っている感覚が、うまくいったら返ってくる、入ってくるから、だから藤崎さん、今日の話を聞いていて、焦らなくていい。気がつくときがくるだろうと僕は思っています。
でももし気づかへんかったらごめんね(笑)。

菖蒲さんは、そこを越えられたと思う。
色んなことを勉強して、デジタルで積み上げて、役所の人と話をして仕事をやってこられた中で、一旦、「愛」という世界に行った。その「愛」が今、今までやってきたことと、うまく融合して、新しいものを生み出したから、だからああいう発想、あの図が生まれた。プライベートとパブリック、心から、身内から出るものと、お題目が来るのが、ガチっと合っちゃった。それってすごいなー、と。蒼天先生と同じく、あの図はすごいと思います。
今度11月に選挙があるから、うちの市長に言いに行きます(笑)。

例会中は、「電信柱におはよう」ってどの写真? そんな写真あったか? そればかり気になっていたのですが、改めて議事録編集の時に読ませていただくと、とても納得の説でした。
「理論に情緒(感情)をのせる」それは最強の武器というか最強の経営者というか人間というか。渋沢栄一さんの言葉を借りると「全きひと」への道じゃないでしょうか。
卑下するつもりはないのですが、私は「理論を理解できず情緒だけで生きようとする」タイプなので、もはや次元の違うすごさだと、思いました。そして、自分の中にある「浮草感」の謎が解けたように思います。なんとなーく水にただよっている感じ、その実態は、理論による裏付けがない、理論によって確立された根っこがない、ということのようです。
「他人と関わることは、自分を深く理解すること」ということばを、実感として捉えることができました。スッキリ!
しばらくは浮草人生、ただよっていきたいと思います。いつも心を自由に泳がせていると、きっと、大切な何かに出会ったときに、引っかかるはずですし、たとえ一生浮草だったとしても、それはそれでたのしくやっていけるのかも。なーんて(笑)。

 

●緑山
菖蒲さんは研究会の同期です。相変わらず、すげぇなと。菖蒲さんのパワーはすごいな、パワフルやな、と思いながら聞いてました。
頭の中にあるイメージを、形にする、絵にする、言葉にする力が、圧倒的だなと思って。
聞きながらイメージしていたのですが、菖蒲さんのやっておられることは、柔道でいう巻き込み技のような、人を巻き込む力がすごいなと思います。貝塚市や水間鉄道に限らず、菖蒲さんの提案は、みんなが巻き込まれていって、成立するんだという納得感がありました。

水島さんの言葉にもありましたが、私も「愛のカタチが少し変化してこられたのかな」とメモしました。今回、それがかなり具体的になってきた気がします。
菖蒲さんご自身は、「何も特別なことはしてないよ」とおっしゃっていましたが、私から見れば、特別な才能をお持ちの方だと思いました。

●菖蒲
いえいえ、恐れ多い(笑)。

●蒼天先生
これ余談ですけどね、菖蒲さん。
僕が菖蒲さんと同じ仕事をしたら、たぶん成功しないと思いますよ。女性はね、こういう仕事が向いてるんですよ。

●菖蒲
そうですね。

●蒼天先生
これはね、男ではなかなかできません。
そういう意味でも、これは非常におもしろい。途中、挫折したり頓挫することはまずなくって、とことんまで、たどり着くところまで、どんどんいけるのではないかな。
そして、新しい境地を開いていかれる、そんな印象です。

●菖蒲
ありがたいですね。
男性の多い組織と関わってきて、いつも思うのですが、街づくりにせよ何にせよ、男の人は、何か物を作る、建物を作る、そういう目標を達成したら、そこで終わるんですよ。私は言うんです。
「あのぅ、皆さん待ってください。ここから始まるんですよ」
するとみんな知らん顔してバラバラと逃げて行くんですよ(笑)。
そこに残るのは、おかみさんとか、そこにいる女の人たち。ひたすら地道なことを楽しんでやっていく、というのが女の人の力です。

20数年前、廃れたアメリカの工業都市が、アートの街として再生したんです。それをずっとやり続けたのは女の人でした。
その当時日本では、「都市計画」「再開発」「街づくり」というと、私の周りは男の人ばっかりだったんです。どうして女の人が出てこないのかな? と思っていました。

今、ようやく、ジェンダーの平等がいわれる時代になって、女の人や若い人たちの才能がどんどん開花していく環境になっていくんじゃないかな、という気がしています。
自分のプロジェクトの中で、私の拙い経験のエッセンス、おもしろいことだけは伝えていきたいな、と思いますね。

●蒼天先生
10年はあっという間に経ちますよ。
だから同じやり方で走っていたら、今はうまくいっていても、歳とともに、だんだん限界を感じることがあるから。
どんどんとスピードアップする、違う方向へ、手法を変える、そういうことが必要だと思います。違う方向というのは、「本を書いてください」ということですけれどもね。
楽しみです。

●菖蒲
ありがとうございます。頑張ってやってみます。

●桜庭
今の先生の「10年はあっという間に過ぎる」というお話で、質問です。

自分のことですが、最近「売上」という側面でいうと、止まってしまっている。その間に、通訳さんたちにも、いつも話しているのですが、若い子たちが、次から次へとどんどん出てくるときに、自分たちは自分たちで、ちゃんとステップアップしていかないと、あっという間に追い抜かれてしまう。そういうことを特に思うのです。
でも私は、菖蒲さんのように、誰かと組織の中で話をしながら、仕事を進めていく立場ではないので、「あっという間の10年」を、どういうふうに乗り越えていくのかな? と。

●蒼天先生
それ、この研究会で、これから議論しましょう。
1月、2月、そして今月、それぞれの短冊の発表と、その後の議論で、皆さんが非常に変わってきたことを確信しました。土壌ができた、という確信です。桜庭さんも、変わられましたよ。
お互いに考え方も共有できたし、次のステップに向けた議論が、そろそろできるのではないか、という印象を持ちました。

土壌ができてきたから、議論も面白くなる。4月から、こういう議論をしてみてはどうでしょう?
「これから10年、どうするか。それぞれの生き方に対して、どう展開していくのか、どういう考え方で行くか」
10年先の話をしようよ。おもしろい。僕大好きや。

●桜庭
私もやっぱり、今の年齢だからこそできる仕事をしたい、若い子がまねしたくなるような仕事もやりたい、という思いはあります。菖蒲さんのような、マイパブリック的なことが考えられるようなベースを持って、自分なりのユニークさも出していきつつ、クオリティの高い仕事がしたい、といつも思います。
今みたいに、ひとりでいる状況の中で、どういうふうにできるのだろうか?
非常に閉塞感も感じているので、この研究会の場は非常にありがたく、学ばせていただきたいところです。

●蒼天先生
僕、独立して、ひとりでこの仕事を始めて、もうすぐ30年。
そういうことは感じたことがなかったけど。また、少しずつ話していくけれども、議論をしていったら、きっとそういうことは感じなくなると思う。
むしろ、歳を重ねるほど、ハイクオリティで、人にはできないことができるということがわかってくる。自分にしかできないものが何か? ということがわかってくるから。もっと楽しくなってくるんです。
面白い議論ができるんじゃないかと思います。

●桜庭
こうやって話していると、自分の天命、そういうものを掴み取れそうな気がするんです。
でも、更に積み上げていかなくてはならない勉強もあったりします。

●蒼天先生
だから、これからは「何でもあり」です。
勉強による積み上げ、いろんな場面で、いろんな感じ方をする、いろんな場へ出かけて行く、
時にはケンカもする。
「何でもあり」の中で、自分のひとつの姿、これからの姿を感じ取っていく。
感じ取るっていうのは頭で感じ取るのではなくて、体で感じ取る、いわゆる「非真面目の精神」で感じ取る。
これからもっと、面白くなると思うよ。

●桜庭
わかりました。

●墨田
私もひとことだけ。菖蒲さんの発表をお聞きして、たくさん感じたことがあるのですが、大きくふたつだけ。
ひとつは、水島さんと一緒で、テーマが非常に大きいな、ということ。自分も、自分自身のことだけを掘り下げるではなくて、そういうところまで行きたいな、と思いました。
もうひとつは、菖蒲さんが、どんどん若返っているなと(笑)。

●菖蒲
嬉しいです(笑)。恋もしないといけないし(笑)。花も咲かせないとね(笑)。

●墨田
水島さんも鞄持ちをされるということで、すごく羨ましいです(笑)。

●蒼天先生
来月に向けて、銀河さんごめん、あなたも非常に忙しいけれども、今月の議事録、次回の例会の4、5日前ぐらいまでになんとか作っていただけないでしょうか。
なぜか。次回1月2月3月、皆さんには、議事録をじっくり読んできてほしいんですわ。
議事録はね、読めば読むほど面白い。
ここで聞いたつもりだけど、忘れていること、聞き漏らしてることが、随分あります。
だから、全員が議事録を熟読して、ここで集まって次の議論しようとしたら、結構面白い議論になるのではないかと思います。
銀河さんには申し訳ないけれど、議事録はこれから、フルに活用できます。

来月は、議事録を見ながら、講評しながら、次のステップの土台固めの議論をしましょうか。

●墨田
ありがとうございます。
今日も、1月2月に続いて、大変いい例会だったなと個人的には思っていますし、たぶんみなさんも思っておられるかな、と思います。また次回が楽しみです。

一覧に戻る

TOPへ戻る