読むドラマ(議事録)

相手を知ることは、自分を知ること。
年齢も業種も異なる経営者たちが、月に一度つどう目的はただ一つ。
決して一人ではたどり着けない月面「本当の自分」に降り立つため。
これはそんな経営者たちのリアルなやり取りから生まれたドラマ(議事録)です。
(禁:無断転載)

 百年企業研究会 臨時ミーティング(2020/06/18)

先月は、ズームによる臨時ミーティングでした。6月は、会場集合メンバーと、ズーム参加メンバー両方による、リアルとオンラインの共有ミーティングが開催されました。

開始前。事務局墨田さんと水島さんが、パソコンにスピーカー、そして様々な線やらなにやらを駆使して、会場設営に奔走しておられました。
ミーティングルームの白い壁に、パソコンの画面が映しだされています。ズーム参加のメンバーと、会場全体の様子を全員がみることができるシステムです。
わらわらと参加者が集まってくる中、事務局のおふたりがいそいそと準備されている姿は、とても眩しく、どこか楽しげでした。何をしてはったのかは全然わかりませんけど。


墨田
「定刻になりましたので、開始いたします。
臨時のラフな、フランクな会ということで、お集まりいただきました。最初に先生より、三、四十分お話をいただきます」

蒼天「それでは、三密も大丈夫そうですし、皆さんレジメを出してください」

あらかじめ送られていたレジメを、それぞれ手に取りました。
レジメのタイトルは「この先何が起こるかわからない ~楽しいことがいっぱい訪れる~」
コロナ体験後の人生をどう生きていくか、何が求められていくのか、大切にしなくてはならないものは何か、という示唆と提案が書かれています。

蒼天先生は続けます。
「コロナさんが来てくれはったことですから、どう変わっていかなければならないかお話させていただこうと思います」

集合したメンバーを見渡した蒼天先生。
「白石さん、久しぶりですな。4ヶ月ぶりかな。手術のあと、どうですか?」

会場をおさえて、メンバーが実際に集うミーティングが実施されたのは、2月の新年会以来、初めて。
久しぶりに実物のメンバーに会えた喜びを、みんな感じ合っていました。なんとなく、いつもより皆さんの笑顔が晴れやかでした。

蒼天先生は続けます。
「この先何が起こるかわからないということで、問題提起させていただきます。

不謹慎ですが、私は京都駅に人が減ったことが嬉しい。
皆さんはどうですか? 
コロナの感想はどうですか? 
何か変わったことはありますか? 
コロナを経験して、何をしなければならないか、新しい発想や、新しく考えられたことはありますか?

ひとつお断りがあります。このレジメは、転載禁止にしています。
7月末までにホームページで発表する予定にしていますので、よろしく。

さて、コロナを契機に、何を考え、何をしていったらいいか? よいことも悪いことも、いったん流れを遮断してくれたことは、何をすべきか考える、よい機会になりました。まさにチャンスでした。

これから何が起こるかわかりません。
まずは天変地異。台風が強くなってますなあ。昔は風速50メートルの台風でも、ここら辺に来る頃には、もっと弱まっていた。今は、家が吹っ飛ぶくらいの強さを保ったまま。とにかく風が強くなった。温暖化ですわ。
地震もそう。南海トラフ地震もいつ起こるかという感じですな。

ちょっとホワイトボードくれるかな」

蒼天先生は、ホワイトボードに知財の二極分断の流れを書き始めました。
「次、二極分断。
20世紀は、一億総中流と表現されていました。21世紀になって格差が出てきた。
わずかな上と、ものすごい量の下。知も財も、ものすごい二極化。我々はその下のほうにいると考えてよいと思います。
そしてこれからどうなるか。二極化がさらに進行して、分断が起こっている。分断するので、下にいる人は、上には行けない。そういう時代になっていっています。

次、終末までの覚悟。
みなさんどうですか? 60歳になってからの人生を考えて、今を過ごしておられますか?
今だけのことしか考えていないなら、この先大変ですわ。老後の資金、ということではない。60歳代から、どうやって自力で稼いで、どう生きているか、という問題。
今皆さんのほとんどは、30歳代から60歳までです。その間に、このことを考えながらやっていくという問題。

僕の友達、70歳代です。みんな収入には困っていないが、かわいそうなんです。
Facebookにあげる写真は朝焼けやら庭の花やら、そんなんばっかり。やること、やりたいことがないんです。お金だけがあっても、どうしようもないんです。
もっとかわいそうなのは、だんだん人生を諦めてくることです。ああもう、しゃあないなあと、ますます頭が固くなってくるんです。
人間関係がストップし、付き合う相手がなくなっているんです。

僕の場合は、サラリーマン時代から、会社の経営計画などを立てる仕事が多かったので比較的先を見る習慣ができていた。仕事も、人生も、常に先を見て生活してきたから、それが今のところうまく機能しているんだと思う。

そしてありがたいことに今も現役で仕事しているということ。本当にありがたいことですわ。まずは頭を使うということ、そして絶え間のない人間関係があるということです。

コロナではっきりしたこと
経営者の認識、意識が20年30年前から変わっていない。化石化している。頭が固すぎる。
特に中小企業の経営者は顕著です。
休業補償のこと。コロナで困っているひと、たくさんおられます。気の毒だけれど、困っている原因について考えられていない。
コロナですよ。誰のせいでもないんですよ。なのに被害者意識しかない。
まさかの時にでも、にこにこ笑っていられるだけ余裕がほしいと思います。コロナを契機にして、考えて行かなければならないことです。

頭の構造、発想、一から、根本から変える、という認識が必要ですね。

枠からはみ出す時が来ました。
枠組みにはまってしまったら終わりです。経営者は、経営者の枠組みをなくす。自分でなくす。経営者である前に、「人間」ですね。人間にならないとあきまへん。
経営者としてしか生きてないから、いつまでたってもあかん。
売上とかばっかり考えてたらあかん。人間として考えたなら、発想が変わるはず。

仕事か人生か、という選択肢を考えるとしたら、それは間違っています。
人生の中に仕事がある。仕事と人生は、二択ではありませんよ」

蒼天先生は一息つきました。会場と、壁のズーム画面を見渡します。
ズーム参加の藤崎さんに向かって、問いかけます。
藤崎さんは「生産・物流・販売業務のシステムを提供するソリューションインテグレーター」(ホームページより)として会社経営されている多忙な方。
「藤崎さん、求人募集の記事、読みました。がっかりしました。東京支店を作る、と書いてましたが、作ってどうするの? それは人生の目標とリンクしてる? 経営者としてではなく、人間として、どうありたいのか、ということが見えてこない。東京に進出して、その先に何があるのか、ということが見えなかった」

藤崎さんが答えます。
「私の目標はある分野で日本一になる、ということです。そして人生の目標は、『人として経営者として、立派な人物になる』ということです。
東京支店を作るということですけれども、それは募集のテクニック的な話で、そのように書くと人が集まりやすいのだそうです」

藤崎さんからいつも感じること。藤崎さんには色々な熱い思いがひしめき合っている。とても熱くて、核心部分が、言葉では届きにくい。熱い熱い思いを、わかりやすい言葉に、藤崎さん自身がぐっとくる言葉に変換して語っていただけたら、どんなに楽しいだろうかと思います。私には未知で恐らく理解しがたい職業なだけに、そんな日がやってくるのが楽しみです。

学校から帰って来た少年が、ランドセルをしょったまま、今日あった嬉しいことをいきなりお母さんに話しはじめるんです。お母さんは、一生懸命聞いているんだけど、前後のストーリーがわからないので、何のことを話してくれているのか、いまいち理解できません。ただただ、彼に何かすごくうれしいことがあって、ランドセルが背中にあることを忘れて夢中で話してしまうくらい、嬉しかったのだということだけが伝わる。いつもそんな場面を考えてしまいます。

蒼天先生は、常々「経営者として、ではなく、人として、何を目指し、何を大切にし、生きてゆくかという方向性が大切」ということを話されます。人として、どうなのか。それがしっかりしていないと、いくら経営の手段や、来月の売上という成果に工夫をしても、砂上の楼閣にすぎないと。
「経営者として」生きている人について、話が続きます。
「経営者と個人的に、人間対人間、という形でお付き合いすることは、非常に愉快で、楽しい。意気投合することもあります。ところが、経営者としてお付き合いすると、途端に人が変わるわけです。これは、長らく経験してきたことなんですが、普段はとても楽しい人が、経営者という枠をはめたら、急に話題がなくなるんです。なぜか?
僕はね、「フォーマット経営」にあると思う。「ビジネスプラン」だとか、「経営計画」とか、「補助金申請のフォーマット」とか。
フォーマットが提供されると、フォーマットの内容に合わせて、自分の会社の絵を描く。知らず知らずのうちに、その経営者の持つ独自性とか、枠に当てはまらない、よいところも、すべてそぎ落とされてしまう。そのことを感じることもなく、与えられたフォーマットに、自分の会社や生き方を当てはめてしまうことが、当たり前になってくる。
それは違いますね。本来、経営というのは、白い画用紙に夢を描くことです。いろんなフォーマットに惑わされて、何かしら埋めたら、よいものができたように感じる。違う。基本的に、経営というのは、本来の自分の思いを100%活かすということです。

さて、そんな話を聞いた中堅中小企業の経営者は、決まってこう答えます。
蒼天さんのおっしゃるとおりです。でもね蒼天さん、私には社員がいます。社員の家族がいます。給料を支払わないといけないので、続けて行かざるを得ないんですよ。

僕はね、それは経営者の怠慢だと思う。社員という環境のせいにしてる。誰かのせいにして、問題と向き合うことから逃避してる。自分の進む方向性について、そのプロセスを考えて行動しようとする人が少ない。

インバウンドの例があります。
僕はね、個人的にインバウンド嫌いです。特に京都駅は常に混んでるし、京都市内在住のひとの日常生活を破壊してる。キャパを上回る人が来ていたんです。
キャパを上回るとどうなるか。観光の質が落ちる。本来の京都のよさが、伝わりにくくなる。
スイスのある町では、交通手段を制限し、来る人数を調整した。そうやって観光の質を保っているケースもある。
ところが、京都は、スイスのその町と同じようにはいかない。どこからくるのかわからないから。関係者も、京都に流れ込む観光客数の制御に、苦心されているようですが、実現には遠く及ばない。
急に増えたものは、急に減る、という自然の摂理がある。そしてコロナになった。観光客の激減は、当然といえば当然。インバウンド関係の経営者の失敗は、哀れまなくてもよいと僕は思う。インバウンドの消費のみをあてにした戦略ミス。放っておいたらよいと思ってます。
桜庭さんのところの場合は違いますよ。起業の目的が違うんだから」

「枠からはみ出す」ために、何が必要か。蒼天先生は続けます。
「百年企業研究会のホームページのメッセージを読んでいただいてますね。そこに書いてあるんですが、
目標には、2種類あります。
ひとつめは改善目標。従来から存在する「毎年売上を20%アップする」というような、成果を管理していく目標です。
ふたつめは、「無謀な目標」。「クレイジーな目標」といったほうがよい。ケネディ大統領の月面着陸計画の話。「10年後に、月に上陸する」という宣言をしたケネディ。それは根拠があったわけではない。宣言することで、全科学者が、注目する。国民が一体となる。そして果、8年ほどで、月面着陸に成功した。ほんとにケネディは男前でかっこよかった。
我々もそれにあやかって名前を付けたのが「10年10倍ムーンショット計画」。
一歩一歩、一段一段上がるという目標ではだめ、という前提。
プロセスは見えず、達成の根拠はないけれども、無謀、クレイジーな目標と立てて、それに向かっていくべきではないでしょうか。10年で10倍の成長を目指す。

目標はひとりずつ考えましょう。
僕の場合は、個人的に、10年待ってられまへん。「3年10倍ムーンショット計画」に変更しています。どうなるかわかりませんが、面白いです。
何が面白いかというと、ちまちました改善目標ではなく、いろんな可能性を考えられるからです」

蒼天先生は嬉しそうです。3年10倍の目標とは何なのか? それは我々に見せていただけるものなのか? 興味は尽きませんが、楽しそうに話される蒼天先生の姿を見ていると、既にもう、達成が始まっていると感じます。見えないプロセスを楽しむことがもう、達成なのかもしれません。

話は、「これから求められるもの」へと続きます。
「1年間百年企業研究会を休んだら、経営の話がなくなっていた。人の話ばっかりになってた。と桜庭さんに言われました。
敢えてそうしました。経営の話だと、枠組みが決まってしまうから。
それはどういうことか」

蒼天先生は、ホワイトボードに右脳と左脳のイラストを描いてゆかれます。
「右脳と左脳について。
左脳は勉強の脳。人は左脳で教育されている。はしごがあって、一段一段成長していく感じ。
1日1㎝ずつあがっていったら、年間で3m65㎝成長する。僕はかつてそれにひとつのよりどころを求めていた。
しかるべき専門書もあったからね。20代のころはそうだった。左脳が成長した。
左脳が成長するのはコツコツやらないと実現しない。ごまかしがきかない。

対して右脳の話。
40歳のころに読んだ本で、丹波ワインの社長黒井哲夫さんの本「右脳の散歩道」というのがありました。初めて読んだ、右脳の本でした。日本人は右脳の活用がまったくできていないと。右脳を刺激したら、もっと面白くなるのではないだろうか、ということが書かれていました。

衝撃は天狼院書店の「ライティング・ゼミ」です。
これで右脳の正体がわかりました。

日記を書け書けと言ってきたでしょう。
ノートの左右見開きを使って、朝学習の復習を左側、その日のできごとを右側に書きましょうと言いました。
左は勉強右は仕事の印象。左右のページは別のもので、歩み寄りませんよ。これを毎日1時間かけてやりましょう、と言ってきました。

ライティング・ゼミを受講して何を感じたか。
書くことには、はしごも、専門書もない。何を元に書いていったらいいのか。頭のなかを吐き出すだけだ。多くの人は経験を書いている。僕も最初は経験を書いた。でもそれでは、ネタが切れてくる。考えてくるとだんだんわかってきたことがあった。
6回目以降楽しくて仕方なかった。右脳をフル活用することが書くということだったのです。

日記に戻ります。
左脳(左ページ)は仕事。知的な部分。積み重ねていく部分。
右脳(右ページ)は日常。つまり喜怒哀楽。毎日いろんなことがあります。毎日、ああ楽しかった!ああ今日はつらかった!と思うだけでは、人間はすぐに忘れていきます。楽しかったことも、つらかったことも、すべての喜怒哀楽を毎日(日記に)書き留めていく。するとどうなるでしょう?
喜怒哀楽を書き留めると、「生ごみ」がたまっていきます。
日常生活をしていると、ごみが出ますね。変化しないごみと、変化していくごみ。変化しないのは、缶や瓶。化学変化をおこすのは、魚のはらわたなど、生ごみ。
喜怒哀楽は、人間が発する「生ごみ」です。蓄積するとどうなるか。化学反応が起こりますね。日記を毎日書いて、生ごみをいっぱいためる。勝手に化学反応が起こって何かが生まれる。それは何かというと、右脳つまり感性が生まれるのです。感性とは、感じとる能力。人が感じない、自分だけが感じる些細なことを感じる力です。

サラリーマン時代、あるセミナーが気に入って、質問攻めにしたことがある。そのコンサルタントに誘われて、当時「我こそは日本一優秀なコンサル」を自認するコンサル集団の勉強会に入らせてもらいました。そこで出会ったのがカラーコンサルタントの高坂美紀さん。
感性の塊みたいな人でした。僕が自覚していない僕、僕の内面を感じてくれていた。僕を面白いと言ってくれた。わからないけれど、茶の湯をやっていたことが、僕に何かをもたらしていた、それを彼女が感じ取っていたのかなと思う。感性とは、人が感じられない些細なものを感じ取れる力だと思う。

ライティング・ゼミ受講中、6回目くらいからバンバン書けるようになった。
楽しくてたまらない。自分の右脳という部分、わすれていた部分が開花した。

左脳はごまかしがきかない。論理的にいろいろマスターできる。すべてに裏付けがある。そして左脳は専門能力のみ成長する。特定の部分は深くなるけれど、それ以外の部分は見えていないし、専門分野以外のことに、自信がない人が多い。
右脳には論理的裏付けはない。感覚的なもの。五感。日常には五感があり、自分の360度すべてを網羅することができる。作家など、右脳が強烈な人は右脳から入ってだんだんと左脳で理論固めしていく。日常に起こったことを五感で感じとめて生ごみだけをためていく。選別していく。化学反応を起こして、人間というものをつくっていく。

左脳でビジネスをしていたら、どこまでも競争社会になります。
僕は競争は苦手。競争のない世界でビジネスをしたい。
独自の事業コンセプトで、独自性、トップを目指したらいいだろう。そう思っています。
3Dプリンター出てきたとき、その技術は色んな既存の技術を全部持って行った。泣いた経営者はいっぱいいます。こんな技術がどんどん出てきたら大変だろうなと思った。

右脳が生み出す個性、その個性を育て、それでビジネスをやるとすれば、おそらく73億分の1のビジネスができるのではないか。そういうビジネスを目指してはどうでしょうか。

右脳は突然ひらめきが舞い降りてくることがある。
日記を書いていたら、突然思いがけない発想が浮かんでくる。「書く」ということは、すごいことです。右脳のこの感覚的能力には、ひらめきや新しい発想、予想もしなかった飛躍、そんなものがたくさんあることを実感します。それをコツコツと書き溜める。
すると感性が研ぎ澄まされていくわけです。人が気づいていないことが気づける。人が気づかないことを、ビジネスに取り込める。そしたらまた、新しい発想が生まれる。

これから何が起こるか。
結局のところ、いままでは左脳で物事を考えて理屈をつけてビジネスをしている、というのが常識だったけれども、そこに右脳が入ってくると、人生そのものが関わってくる。
左脳と右脳がうまくかみあえば、面白いことが起こってくるのです。

やっぱりね、日記を書かないと。
喜怒哀楽を残す、生ごみを残す、自らの中から発生するこれらが、自分の人生の原材料になる。こういう積み重ねが、60歳以降の人生と深くかかわってくるのではないか。と提案したいわけです。あえて言えば、ここに10年10倍ムーンショット計画の根拠がある」

蒼天先生は一息つきました。
ひとことひとことが深く刺さってきます。私が今まで、「喜怒哀楽を残す」ということについて、自身で思ってきたことは。
心の中を文字化すること、空気に触れさせること、自分の目で読んで再体験すること。「酸化」という言葉で置き換えてきました。青かった血が、空気に触れて赤く見えるように、ああ、私はこんなことに怒りを感じていたのかということに気づく。その時点で、「ああ、しょうもない」と気づいてしまう。そしてもう二度と、その類のことで、どうでもよい怒りを感じることがなくなる。それが自分の成長だと思ってきました。さらに相手がある場合、その人の存在のおかげで、自分は懲りることなく、くだらない怒りを感じてしまう生き物だとと気づかせていただいた、という感謝の気持ちも出てくる。
日記を書くということは、くちゃくちゃに取り込まれた洗濯物を、家族のメンバーごとに分け、たたみ、片づける作業と同じ。1日で起こった心の動きをひとつひとつ分けて、文字にして、整頓する。やらないと気持ち悪い。という感覚。洗濯物をたたまないまま、次の洗濯物を干すことは気持ち悪い。そういう感覚です。
そういうものが、新しい発想や、ひらめきに結びついているかどうか、自分はまだ、気づいていませんが、また、別の視点で見てみると、そういう化学変化を起こしているのかもしれません。そういう意味で、本当に目からうろこのお話でした。まだ、知らない自分がいるということ。

話は続きます。
「3つの健康について。体・時・心、ですな。
時。日々の起点を決めることが大切。1日で何を大事にするか。それを決める。僕は、6時間の睡眠を、一番大切にしています。それを必ず守る。毎晩9時15分~30分にはすべてを終えて、10時30分にはねむっています。
4時30分には目が覚めて、4時45分から、新しい1日が始まります。
起きている時間を100%とすると、仕事をしているのは75%。後の25%は、自分のための時間にあてています。日記を書くことも含めて。自分の時間は絶対に取るという習慣を大切にしています。
心。右脳を大切にすることは、よき人生を送ることができるのではないか。という提案をしたい。
3時過ぎてますね。ということで、私からの話は終わります」

15:06、蒼天先生の「この先何がおこるかわからない~楽しいことがいっぱい訪れる~」と題されたお話は、終了しました。
司会の墨田さんが、会場に問いかけます。
「今の先生のお話に対して、質問等ありましたら、どうぞ」

桜庭さんが話します。
「THE KYOTOのウェブセミナーを見ていました。

伊藤東凌さん(建仁寺「両足院」副住職)と、佐々木紀彦さん(雑誌編集者・ジャーナリスト・ニューズピックス取締役CEO)、
高橋託児さん(京料理「木乃婦」3代目主人)と、佐渡島庸平さん(ドラゴン桜や宇宙兄弟のプロデューサー)、
笹岡降甫さん(未生流笹岡家元)とMEGUMIさん(女優・タレント)、
といった、伝統文化に携わる人たちと、メディアや映像、漫画の業界で活躍する人たちとの対談がありました。
聴いてて非常におもしろかったんですけど、
伝統工芸も、伝統文化も、京料理も、感性や特殊な美意識ありきの世界なのではなく、きちんとしたロジックがあり、習得され、受け継がれてアップデートしていく世界ということ。「型」をきっちりと習得してこその表現であるということ。
一方、アニメや漫画の世界もまた、実は型があって、それを習得していないと、面白いものは書けない。結局型をちゃんとやっていないと、思い付きやひらめきでは、何もできないということを話されていました。

私やっぱり戦略ゼミ、創業塾、ああいう積み重ね、土台があったからこそ、自分なりに味付けができ、アレンジができるのだと思うのです」

蒼天先生
「まず型、理論ありき。それは当たり前。過去の蓄積があって、こそ。
左脳があってこそ、ひらめきが降臨してくる。左が基準になって、右が大きくなっていく。
僕はもう、ある程度左側はできているから。

桜庭
「わかりました。そういうことですよね。あほではひらめかん。きちんとしたものがない限りは、ひらめかない。何かがあるから、異業種の人とスパークするんですよね」

蒼天先生
「類は友を呼ぶということ。最初は未熟なものどうしでも、10年もすればレベルが開いていく。そうすると一緒にいられなくなります」

蒼天先生は、墨田さんにまなざしを向けます。
「墨田さん苦労したですね。いろいろありましたね」

墨田さんは、微笑みながら、うなずきます。
おふたりには我々が知り得ない秘密の歴史があるのでしょう。あたたかい空気が流れます。
蒼天先生は桜庭さんに話しかけます。
「桜庭さんはね、もっと右脳を鍛えたほうがいいです」

桜庭さんは笑いながら答えます。
「結構遊んでるんですけどね…」

蒼天先生
「遊ぶというより記録に残すということが大事なんですよ。喜怒哀楽を記録に残す。五感を鍛える、磨く、ということなんです。
僕がやってきた茶の湯、ですが。まさに五感を磨くということを繰り返しやっているわけです。掛け軸、香り、釜、どれもすごい五巻のレベルがなかったら、わからない。というレベルです。そしてそれを積み重ねていくということが大事です。
最後はどれだけ記録に残っているか、残しているかということにかかってると思う。
たとえ30分でも、日記を書くことは有意義です。毎日がつながってるということは、大切です。さらに修正日記でつなげていくと、面白い」

「日記」をキーワードに、白石さんが口を開きます。
「日記を書いてると、夢が軽くなります。喜怒哀楽を書くと発散されます。寝るときに楽になるんです。夢の中で、情報の整理ができる。整理された情報を翌日に書くということができるのです。
頭が睡眠中に軽くなるので、修正日記は、それを見直して書き直したらよいだけです」

まさに「海馬」の働き。眠る前に「日記を書く」という形で一日を整理し、眠ることによって頭を完全に整理する。白石さん、理想的な毎日を送っていらっしゃると改めて感じました。私はいまだに短い睡眠時間をつなぎ合わせてつじつまをあわせているので、海馬が働く時間がきっとなくて、なんとなく自分が危なっかしいという感覚から逃れられないのかなと思います。何はともあれ、睡眠時間を最重要事項にしよう!
 「夢が軽くなる」という冴えた表現が心に残りました。夢を重さで表現する。白石さんならではの感じ方捉え方、素敵です。

白石さんは続けます。
「コロナで会社が止まるということは考えていませんでした。むしろ止まっている会社を手伝おうという余裕がありました。備えあれば、憂いなし、です。

ロジックはとても大切です。
基本的なことができてこそ、発想の力が出てきます。
ワードを使うとき。指示書、マニュアル書をコピペする人がいますが、とりあえず自分で打て、と伝えています。打てるようになってからコピペせよと言っています。

やっぱり日記なんすよね。
若いやつは日記をつけるところまでいたってないから、スマホのスケジュール帳に〇△□をつけよと言ってます。なんでその事項は〇なの?という理由があるはずだから、それを書き留める、自分の中に残すということが大切と伝えています。

僕の場合は日記は癖。ないと始まらないし、終わらないすね」

蒼天先生
「僕は楽しい。日記めちゃ楽しい。あっという間に1時間たつね。そして1年前に書いたものを読み返すと、もう、なんとしょうもない考え方してるんやと恥ずかしくなるくらいや。それくらい、1年で人は変わる」

白石「5年前何書いてたんかな~とか見返すのが楽しいです」

いつも感じます。日記の話は尽きません。私も言いたいこといっぱいありました。
今一つ日記の継続がやりづらい…。そんな時期が長く続いていました。「書かなきゃ」という義務感だけでノートを開く。無理やり何かを文字にする。でもそれは誰か違う人のことを書いているような、どこかよそ行きの文章で、全然自分を感じない。面白くない。そんな時期がありました。「文字にできるは武器になる」という本に出会ったのはそんな時。人は言葉で思考する。心の中で言葉を用いて思考している。それをそのまま文字にすれば、今本当に自分が感じていること考えていることがわかる、ということが書かれています。
「これだ」そう思って、ひたすら自分の思考をそのまま文字に置き換えるという訓練のようなことを始めました。簡単そうで難しい。何度も繰り返すうちに、「今自分が思っていること」を後で読み返しても、うんうん、そうそう、とうなずける文章が書けるようになってきました。その日の感動は今も覚えています。そしてその日から、日記を書くことがとても楽しみになりました。その訓練は、自分が自分にええかっこしていることに気づかせてくれました。玉ねぎの皮をむくように、自分の化けの皮をはいでいく感覚は、本当に新鮮です!

菖蒲さんが話します。
「生ごみっていうのが生々しい響きです。化学反応を起こすというのは、そういうもんなんかなと思いながらお聞きしていましたけどね。
左があって右が活性化されると非常にバランスが取れていてよい。徹底して左を鍛えてこられたんだと思いました」

蒼天先生
「知識さえあればよいと思ってた。知識さえあれば書けると思ってた。左脳で書いてたらすぐかけた。それをそのまま日常に落とし込もうとすると書けなかった。
やっぱり右脳が必要だった」

菖蒲さんが、続けます。
「自分にとって、大事なもの、大事な人って何かなって考えますね。
私なんてね、ほんとに大勢の人に出会ってきたし、相当な数の名刺をもらって生きてきました。でも、いくら出会いが多くても、一握りの人としか、お付き合いしていないんです。出会って10年たったら、ほとんど名刺なんかいらないし、なんの足しにもならん。時間がたったら、仕事に役立つ役立たないどころか、人生に何の関係もないんですね。

私にとって必要なもの、ものさし、というのは全く違うところにあるとわかったわけです。
選ぶということじゃなく、大切なものを絞り込んだら、面白い偶然と奇跡が起こる。出会うべくして、出会う人に出会っていく。距離に関係なく。
先日岡山でご神体を案内してくれた方が、小倉出身の方でね。
ボランティアガイドの方が、福岡の糸島出身の方でね。
私は小倉で長らく暮らして京都に来ました。初めて岡山で出会った人たちがみんな九州にゆかりのある方々だったこと。縁は不思議な形でつながっていく。そんな人生の先輩たちに出会ったというのは、自分自身の考え方、捉え方が変わったからそうなるのかな、という気がするわけです。

「ゲーテ」に一番影響を受けています。色のことを始めたのもゲーテがきっかけなんです。読み返すと自分の原点だといえる。なぜゲーテから、震えるような影響を受けたのか? もう忘れていたけれども、コロナのおかげで久しぶりにゲーテを読んで、思い出しました。必然的な時間だったのかなと思いました。
外交的な性格だけど、内側、内向の間を行き来したくてはいけないと思う。ゆりもどさないといけないという感覚ですね。
毎日は日記書いてない、記録を作ってないというのは片手落ちのような気がしてきました。
今までどうしてもそんな気になれなかったけれど、なんだか私、日記を書くような気がしてきました。人に光を当てようと思う気持ちは変わらないけれど、これからはもっと、自分に光を当てようと思っています。

ま~それにしても、コロナで家にいて、コロコロコロナになっちゃいましたね~。夢は大きく、身体は小さく、ですよね~(笑)」

菖蒲さんのお話はいつも心底面白い。その引出しの数はいったいどうなっているのか、ご本人にもわからないくらい、たくさんの引出しをお持ちなのではないだろうか。マジシャンの口から色とりどりの布がどんどん出てくるマジック、まさにあれです。
そして何より、明るい! ずっとお話を聴いていられます。お話されることそのまま綴っていったら、彩り豊かなエッセイ集になるのではないでしょうか。読んでみたいです。
(というか、聞き書きしてみたいかもしれません!)

話は尽きませんが…。
蒼天先生の「休憩しましょか」の一声で、いったん休憩。14;00に始まって、15;30まで、ノンストップで続いていました。体は冷えっ冷えでしたが、気持ちはとても熱かった。

事務局水島さんが声をかけを。
「今日は、フランクな会ということで(笑)、おやつご用意しています。皆さんどうぞ」
嬉しいスイーツで、しばらく和みました。
15:45まで休憩です。

墨田
「そしたら再開しましょか。色々出し合って議論するということで、白石さん、どうですか?」

白石
「コロナに際して、どなたにも同じようなことがあったと思う。どこかの誰かにはイレギュラーなことが出てくる。誰の業種でも。なにかそういうことが起きたときにどういうふうに回避するかということを頭の中に入れとかなあかんと思う。

リーダーとして、社員に言うてやれること。リーダーシップをバンとださないといけないことがある。
仕事なくても1年くらいなんとかなる。コロナになるな。手洗いうがいだけはちゃんとしよう。かからへんようにしようという自衛をしよう。仕事なくても心配するな。
そういうことを社員に言ってやれることが必要なのかなと思いました」

蒼天先生は、ズームの画面に話しかけます。
「藤崎さん、お願いします。リーダーとして、何かされましたか?」

藤崎
「コロナそのものの影響はさほどなかったですね。できるだけお客さんに落ち着いていただいて、うちの会社の状況を挽回しようとしているところです。今、会社を立て直しするのがテーマですね。お客さんとは、ウェブでやり取りをしているので、その分社内にいて、社内に目を向けています。カンフル剤を入れなきゃと思ってます。
派遣も含め、3ヶ月で、6人、新規雇用しました。強制的に会社を変えていかないとと思っているのですが、なかなか有効活用できていない。人がうまく使えていないのが現状です。
如何にわたしが社内でリーダーシップを発揮できるかというのがテーマ。
結果はまだ出てないです。今は何にも言えない」

水島
「リーダーシップが発揮できているかどうかは自信ないですが、コロナの状態でも仕事がうまくまわっていますね。スタッフが育ってきたのかな、1から全部言わなくても9割できる感じ。
今後どうしていくのかというところを話していかなくてはならないんですが、まとめきれてない感じです。
仕事は来ている、売り上げは見通せているということは伝えています。目先のことはできているんですが、先のことですね。そこはできていません。なかなかそこが、決めきれないですね」

蒼天先生
「毎日考えないと決められへんで。ある日突然はないで」
水島さん、うなずきます。

白石
「IT関係は、インターバルとるにはよかったのかな?」

水島
「このまま消費が減るかと思いきや、オンラインで何かしたい人が出て来て、むしろ需要が増えてる感じなんですよね。
補助金系、政府が手厚く出してくれたので、『この際リニューアルしましょうよ』という提案もできました。特需とは言わないですが、ありがたい状況ではありますね。
頼り切るのもあかんなと思います。次の手を打たないと」

蒼天先生
「思います思います、で終わって先に進んでないのとちがうか~?」
水島さん
「すいません…」
このやりとり、久しぶりに生で聴くことができて、新鮮でした(笑)。

桜庭さんへと続きます。
「アフタコロナになったら、今の我慢をきっちりと取り込んでいけるように準備をしています。法人化もこれからに対する投資であり、準備。あまり悲観はしていません。

周りは業態替えをしなくてはとか、マイクロツーリズムとか言っていますけれど、ふーんと聞き流しています。そもそも、立ち上げた原点を大切に、悲観せずに。日本に行きたい、外国へ行きたい、という思いはみんな持っていると思うんですね。

後は子育てを楽しむようにしていますね。一緒に自転車でビワイチに挑戦したり、勉強したり。
今1番やらなくてはいけないことは、人間関係を閉じないということです。おじいちゃんおばあちゃん、農家さんに足しげく通ったり、お米や農産物をを買ってあげたりとか、そういうことを給付金でやっています。農村学習も兼ねて、子どもと農作業の手伝いに行ったりもしています。周りに惑わされずに、今だけのことじゃなく、国と国、人と人との関係を見直すことが大切。必ず開国するときがくるとか、メンバーと夢を語り合っています」

コロナの影響を真正面から受けておられる業種の桜庭さん。力強い発言と、前向きな行動。その境地に至られるまでには、相当な葛藤があったのではなかろうかと勝手に憶測しています。

白石さんが質問します。
「緑山さん、保険屋さんは、お忙しいですか?」

緑山
「基本は対面なので、対面が減った分、ちょっと減りました。
リーマンショックがあって、東日本大震災があって、コロナがあって。毎年起こるインフルエンザより軽いやんというイメージですね。何が変わるのかな、あんまり変わってない。
数字は決算期3月は大きな数字があったけれど、4月、5月は落ちてます。
何をやったかというと、パートさんを雇いました。すごく仕事してくれるので、時間ができて、財務の本を読みだしました。結果5月中旬から営業スタイルが大きく変わりました。今後は、飛躍的に数字が戻ると思います。
コロナがあったから、変わるのではないんですね。保険の商品がいっぱい出るので、それによって、作品を作る、ロジックの積み重ねの途上にあるだけで、本質はあまり変わらない。
コロナで時間をもらえたので、勉強する機会を得て、売り方、作り方が変わったといえます。左脳派なんで、日記以外に右脳を鍛える方法はないかなって考えてます。オペラとか、芸術に感動することはないので」

白石「みんなプラスなんですよね」

緑山「ま、もうちょっと後で影響でてくるかもしれませんがね」

「営業スタイルががらりと変わりました」とさらりと言ってのけられるところ、悔しいくらいにうらやましい! 
更に緑山さんに言いたい。「保険の商品」という、私からすると芸術的というより現実的なもの、これらを積み重ねて「作品」を作るという発想。芸術ですやん。これ、THE右脳のなせる技なんじゃないでしょうか!どうです!緑山さん!

次は、ズーム参加、紺野さんの番です。
「売り上げは落ちてますが、落ち込んでいてもしょうがないので、若手二人の社員さんに大型自動二輪の免許を取りに行ってもらいました。会社から。よくわからないんですけどね、みんなでハーレー乗ってツーリングしようとしています。いいのかどうかもわかんないんですけどね。社員さんは『ハーレーに乗れるんだ』と喜んでいるし、これがムーンショットになるのかな? と思ったりもしている。
後はですね、山登りもやり始めました。天下りで会社に入ってこられた方が、バイクと山登りが趣味なので、一緒に登って楽しかったですね」

蒼天先生
「いいことや。白石さんのかぼちゃと一緒や。事故は起こしたらあかんよ。全員で行ったらあかんよ。それだけや。ええことや」

お元気な紺野さんの姿が嬉しかったです。会社がまるで「男の部活動」みたいじゃないですか~。かっこいい。ハーレーは、見たことしかないですが、友人知人3人がハーレーを愛しています。3人とも超変人で、超ええ人!という共通点が…。

そしてズーム参加、黄金さん登場です。
「こんにちは。また怒られるかもわかりませんけどね。
前言うてはったことが、やっとわかってきました。
ビジネスモデルについて怒られてましたけど、そやな、ビジネスモデルはいらんな、と心底わかってきました。
いろんな役やってる。結構外出てる。肝心なことぬかしてた。社員との時間を過ごすとか。
30年経験したことないこと経験しています。自分の価値観みたいなものが違うなということに気づいてきました。自分はまじめで固い人間でもないんだけど、報道とか見てて、会社大きくする必要なんかないよ、ということを、感じるようになりました。
家族、社員のみんなが大切。そういうことに気づきました。あ、そういうことなんやな。成長はあとからついてくる。ビジネスモデルってしょうもない話やなと感じました。
最近ちょっと思いますね。会社って、収益をあげることが目的じゃなくて、役に立つこと、気持ちよく働けること、が、先にくるんだなとわかってきました。

日記も、書けるような気がする。自然に書けるかな、という感じになってきてます。

会社は、お客様に必要とされたら行く。というシンプルな原理。お客様が必要としてくれたら、来てほしいと思ってくれたら、勝手に企業は成り立っていくもんだと思います。

ただいま60歳。右脳鍛えます。人生、残りのほうが少ない。自分がやりたいこと、何のために仕事してるのか、とか、あまり固くならずに考えていけたらなと思います。以上」

蒼天先生
「前回のときと、今日と。ズームやからよく見える。君のこと気にして見てたんや。メモすることが増えたね。
僕は、それが、変わったとこやと思うわ。非常にええことやと思います。
その次、なにができるかわかる?その次は、卓球台。このままいったら、半年後くらいには卓球台出すやろなと思う。

僕の嫌いな話は、君の数字の話やった。聞きとうなかった。今日はそんな話はほぼなかったね。このまま、いきまひょ。
飲み会も減ってるでしょ。これを機会にやめたらいいんや。会議も、そのあとの飲み会も、無駄やということがわかった。やめましょ。
期待してます。風の変化を感じます」

さわやかなやり取りに、胸がすっきりしました。こういう瞬間に、この研究会がきらりと光るのを感じます。
黄金日記、楽しみです。

次は山吹さんです。
「今のところは、無地ですね。次に向かっての下準備期間。
5月は流行りのこと、テイクアウトのお弁当をやりました。順調でした。
今月はダメですね。食の京都補助金申請は、相当抵抗がありました。
補助金を申請するときには、必ずその商品が税金で返せる商品やなかったら、申請してはいけない。と今までから徹底して主人に言われてきて、今までも守ってきました。
今回の食の京都なんぼ見ても税金ではよう返さん。
一般の国民の人の税金使って、補助金の申請して、こんなもんでお金出たら、日本の国つぶれてしまうんちゃうかいなと思うような、これは私個人の考えですけどね。
それで、今回の京都補助金申請15日締め切りやったから、相当悩んで、向こうから進めてもらっているので、こっちもだめもとでとりあえず書いたんですよ。税金ではこの補助金よう返さんけれども、地域の人には自分の努力で貢献できる、喜んでもらえるんとちがうかな、と思ってとりあえず出して、あかんでもともとで、とりあえず補助金に振り回されるのは、もったいないなと思いながら、ええいと出してしまいました。結果はまだわかりませんけど。

今月は川口さんとの出会いがよかったです。ご縁は大切にしなあかんなと、ありがたい日をすごさせてもらったかな、と思っています。下準備の大切さとか。
商売に関しては全然、だめですけど、コロナのおかげで、コロナのせいで売り上げがなかってもかまへんわ。というひらきなおり、次のことを考えられる余裕が、コロナのおかげであるな」

蒼天先生
「ご主人の考え方は正しい。今数字を追いかける人はあほ。ビジネスはずっと続くわけやからね。そんなもん、3ヶ月や半年ね、売り上げがゼロでもかまへんわな。

山吹
「それでもいけるような商売やなかったら、最初からするなって、1年でも2年でも
余裕がないような商売は結局商品にしたって、人の使い方にしたってなにもあかんと思います」

蒼天先生
「3か月くらい仕事なくても行ける商売をしなくては。小さなことに一喜一憂せずに、自分の土台を確立していく時期です。
余裕がないような商売はやったらあかんし、補助金はとらないほうがいい。

今回出されたやつは、通るでしょうね。今まで築いてこられたものや、ネームバリューがあるから。
出ても出なくても、気にせずに、今、ひたすら土台を固めることが大事です」

山吹「今はパートナー、相棒が欲しいです。待っております」

山吹さんが提出された補助金の「商品」とは何でしょうか。きっととても美味しいものに違いないです。これはまた改めて、質問攻めにしないといけない。

銀河の番。
「健康が一番大切、免疫力が大切、ということで、毎日スタッフとスクワットをしています。
健康な気持ちで働けることが、今はとても幸せに感じます。

10年以上、毎週パンを買いにきてくださっていたお客様が、運転免許証を返納されることになり、ご来店できなくなりました。
配達料金を支払うので、家まで届けてもらえへんかとお話をいただき、いろいろ考えた末に、その方の近くにあるお店に納品させていただくことにしました。
そしたら、そのお店があちこちからたくさんの注文を取ってくださるようになり、思わぬところで、新しいお取引先が生まれました。
うちのパンの需要があちこちにある、ということが嬉しいです。

菖蒲さんのお話ですが。
右脳も左脳も、両極端のところまで行くと、最終的に真ん中に行く。それはまさしく仏教における「中道」ということだなと思いました。左右に振りきれるまで全力を尽くして、真ん中を行く」両極端を知って、初めて真ん中がわかるということ」

蒼天先生が反応されました。
「ひとこと言わせて。中道についてですが。僕はね、左右両方に振り切って、気に入った方のままで突き進む。とことん変人で通す。中道にこだわっていないです。振り切ったところで、いきたい」

銀河
「仏教的には、真ん中なんですよね。いいとか悪いとか、そういう判断はしない。真ん中を行くのが仏教なんです」

蒼天先生
「僕はね、仏教とか中道とかにこだわってない。自分の生き方の問題。いいとか悪いとかではない。僕は振り切ったところで生涯をいきたい。そう思えたのはコロナの成果。自分らしく行こう。自分が主役なのよ。人に気を遣ってたら脇役。とことん自分が主役でいい。自分がいいと思った道を、自分が歩む。他人に対しては、知らん顔でいいと思う」

銀河、思わず聞いてしまう。
「他人に対しては、知らん顔でいいと思いますが、人は確実に誰かのお世話になって生きています。そこはどうされますか?」

蒼天先生
「長い目でじわじわと返していく。人生は長いから、今すぐ返すとかそういうのではなくて、生き方として、自分がこういう生き方をすることが、返すことになる、そういう感じですね」

私は、お釈迦様に洗脳されている(と自分で思っている)ので、中道こそが幸せであるという教えを信じ切っています。中道を目指しているといっても過言ではありません。中道にこだわらないと言い切られた先生が、なんと面白い!と思いました。

蒼天先生
「例えば白石さん。社員に対してリーダーシップを発揮してね、いろんなことやってあげたらいい。いろんなこと教えてあげたらいい。それはじわじわと自分に返ってきます。

僕はね、不器用なんですよ。営業したことない。とにかく相手の立場になってとかいうことはできない。行動で表せない。きついこともいいますけど、自我のために言ってるのではなくて、いずれわかってくれる人はわかってくれるだろうと思っている」

白石
「銀河さん、僕は『恩返し』という言葉が嫌いです。仏教的にはどうですか?僕は恩は返すものじゃなくて、送るものだと思っています。若い子たちにごちそうすると、『いつか恩返しします』とかいわれるんだけど、僕は違うと思うんです」

銀河
「大正解だと思いますよ。『やったった』と思うことすら、仏教的にはNGです」

白石
「自分が先輩方に育ててもらったからできる。だから次の世代に送る。そういう考え方でよいんですね」

墨田
「僕最後に言いますね。ちょっと重い話なんですが。
中学からの同級生に、魚屋の息子がいました。駅前に居酒屋やりだして、羽振りのいい、イケイケな感じだったんです。本当の理由は確かではないんですが、二週間前に、自殺しました。コロナの前から売り上げが不振だったようなんですが、自殺の原因が売り上げ不振だったとしたら、それは悲しすぎる。
軸がなかったのかな。儲けることだけが目的になっていたのか。学ぶ機会がなかったのか。
去年も同級生がひとり自殺した。これは何なのかなあと思いますね。

ここの皆さんは、厳しいことになっても死ぬとかにはならないだろうと思います。大事にするものをもっておくことは大事ですね」

悲しいけれども、いつになってもなくならない、こういう自死。
20年以上前になります。叔父が52歳のときに、家族を残して自死しました。父親に対してよりも、何でも話せて、大事にしてもらっていた叔父でした。自分が彼の年齢に近づき、いろんな意味で叔父のことを理解できるようになった気がしています。人間関係を壊して仕事をなくし、誰にも会わずに死んでしまった叔父から、生前も、そして死後も、たくさん教わっています。墨田さんのお話を聞いて、思い出し、こみ上げてくるものがありました。
「生きることすなわち人間関係」ということは、叔父から教わったと思っています。自分にも他人にも、恐ろしく厳しかった叔父。今の私なら、あの時の叔父に、もっと寄り添ってあげられたかもしれないと、あり得ないことを考えながら帰りました。

臨時ミーティング、終わりを迎えています。
白石「この会の人は、みんなポジティブやなと思った」
桜庭
「最初は気持ちがやばかったけれど、これだけ時間がたつと、前を向いていけます。一つはこういう場があったから、ありがたいと思います。ゼロになったから会社立ち上げられました」
蒼天先生「ゼロになってよかったやん」

「終わるときはポジ抜け」(ポジティブに終わる)
ライティング・ゼミで教わった文章の書き方が、実践されているようで嬉しいです。

次回の例会は、通常通り7月の第2木曜日。
原則はこの場に来るというルールで、いつ何時かわからないコロナの第二波、第三波に備え、ズーム参加も可能な状態で開催。

そのように決定し、おひらきになりました。

根っこのところに、お互いへの愛とかリスペクトとか信頼、大切なことがきちんと守り育てられているので、真逆の意見がぶつかり合ったとしてもそれは「違和感が面白い」という感覚になります。
自分はそういう平和な議論や喧嘩が好き。改めて実感しました。

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