読むドラマ(議事録)

相手を知ることは、自分を知ること。
年齢も業種も異なる経営者たちが、月に一度つどう目的はただ一つ。
決して一人ではたどり着けない月面「本当の自分」に降り立つため。
これはそんな経営者たちのリアルなやり取りから生まれたドラマ(議事録)です。
(禁:無断転載)

 第145回 百年企業研究会内容(2021/3/11)

司会は桜庭さん。

 

一分間トピックス

【桜庭】
先月、何となく覚悟はあったが、初めて所信表明でダメ出しをいただいた。私の言葉に、どこか勢いも自信もなく、どうしようかな…という思いはあった。
しかし、ああやって色々ご指摘を受けると、かえって、よしやってやろう、という気持ちになる。そこが私のいいところでもあると。
そういう発奮材料を、いつもこの場の皆さんからいただけるというのは、ほんとにありがたいなと思う。また、そういう風に考えられるようになると、面白いもので、またいろんなお話をいただいたり、思ってもみないところから連絡があったり…、そういうふうになるんだなあ思っている。
潜龍が早くも昇龍になれたらいいなあと思う。菖蒲さんからいいお言葉をいただいて、大変感謝している。
また、銀河さん、水島さん、墨田さんにはいつもいつもすごく大変な思いで議事録をまとめていただいていることに感謝。
自分の発言、そのとき心にひっかかったことは覚えているが、ディテールまでは把握していなくて、読み返すと、皆さんの言葉のひとつひとつに、すごくあたたかいものを感じた。初めて思ったことだが、ひとつひとつを読んでいくと、今回は学びというよりも、自分への励ましになるなと思った。本当に嬉しかった。議事録を読むってこういうことか、と、今更ながら、身に染みた。そういうことを学べたひと月だったかなと思う。

【水島】
議事録の話。桜庭さんのおっしゃるとおりで、ディテール部分を忘れている。文字起こしをやっていると、ああこんな発言もあったな、とか、ここはこういう意味だったのか、と後からわかることもあり、勉強になるなと思いながらやらせてもらった。あとはみんな口癖があるな、と思いながら。
個人的なことでは、最近心臓あたりが痛く、怖い怖いと思って、病院へ行ったが、異常はなかった。ストレッチしてくださいと言われた。でも最近、ちょっと無理がたたっているような気もするので、気を付けながらやっていきたいと思っている。

【銀河】 
健康に留意している。
パンを焼く日であっても絶対に5時間は寝るというのは守っている。
パンものびやかになってきた気がする。営業を再開して3日たった。お客様が並んでいただいていたりとか、待っていただいていたりとか、ありがたいこと。
健康だけは損なわないようにこれからも頑張っていきたい。

【黄金】
健康繋がりでいくと、
コロナで、かなり生活リズムがきっちりした。コロナ前は、家で食事するのが月の三分の一あったらいいというくらいの生活だったのが、今は家で食事しているので、非常に健康的になった。家族は僕以外、誰もお酒を飲まないので、家にお酒がない。飲ましてもらえない。結果かなり健康的になってきて、血圧が下がり、睡眠も増えた。僕は実は7時間以上とらないとだめやとわかってきたので、できるだけそれくらいはとろうと思って、生活をしている。
で、1個進歩したことがある。
僕、数独嫌いやったんですわ。九つの数字が入るヤツ。ああいうのイライラして、できひんかったのが、できるようになってきた。コツがわからんまま、ばかにされながら、やってる。
頭真っ白にしてやるとね、頭がめちゃクリアになって、あ、これええやん、って最近思ってて、最近数独にはまっている。

【緑山】
健康繋がりの話は、私一切できません。
今日は、近江ちゃんぽんの大盛りを食べてきた。
ここ何ヶ月か、バタバタしてたのが、オフィスの移転。3月20~21日の土日で、9階から7階に移転する。館内移転って、100万もあればできるかなと思ったら、なんじゃかんじゃで350万円くらいかかった。古いビルなので、ドアを取り換えるのを墨田工務店にお願いして、そのドアのロゴを水島さんにお願いした。そんなこんなで、バタバタしているという状況。

【紺野】
車の関係の仕事が、急に忙しくなった。売れて来ているのか、地味に上がってきていて、2月の後半から、忙しい状態が続いている。続きそうな感じ。せっかく「一息入れる」、という短冊を書いたものの、一息いれるどころか、バタバタしている。
プライベートでは、三男が大学合格。長男次男も引っ越し。今春、子どもの引っ越しを3回することになっている。ほかにもいろんな事案が並行していて、なにがなんだかわからん状態。落ち着くのは、4月上旬ごろかな。

【墨田】
大きかったことは、前回からの引き続きで、会社のいろんな機械の処分、焼却炉の撤去などを、業者さんに頼らず、自分たちの力でやるということで、実行した。ようやく今朝くらいに最後の部品の処分がほぼ終わった。
絶対に一日ではできなくて、コツコツコツコツ、父親と、会社のメンバーと3人で、時間を作ってはやって、ということを繰り返してきている。多分、普通に業者さんに依頼して、丸投げすると、数百万円かかる仕事だが、何とかそれを浮かして、違うことに使おうと。ぼちぼちですけど、進んでいっている。

【山吹】
この1ヶ月は、手探りの期間だった。あれもしたいこれもしたい、することはいっぱいあるけれども、どれから手を出していったらいいのかまだわからないというか。
前年がコロナだったので、前年と比べてどう、っていう対比ができない。まだまだ白いキャンバスに絵が描ける状態の商売。
とりあえずこの1ヶ月はぬるま湯の中にカエルを落としたらしばらくは泳いでいるけれども、いつか死ぬなあっていう、なんかこう、自分にどんと来る刺激がなかった。主人からのプレッシャーもあったりして(笑)。
3月になったらメディアからの取材があるかな、っていう種まきは色々してある。3月になったら、もうちょっと刺激的な日を過ごすことができるかなと思っている。


【蒼天先生】
あと3ヶ月たてば、(80の)大台に乗るんですわ。今までそういうことは全然意識しなかったが、今回の大台はちょっと重い。大台ですわ、大台。
さっき健康の話が出たが、私、1月2月は、1年間の身体の総点検の月にしていて、つい先日、全部結果がまとまった。すべて異常なし。血液検査もすごくよい。酒毎日飲んでるけど(笑)。
もうひとつは、報告。30年くらい前、ぼくが起業したときに入っていた勉強会がある。全国組織の勉強会。そこで一緒だった彼が、たまたまFacebookで友達になっていて、その彼が入院した。で、「大丈夫か?」というメッセージを入れたら、返事に、「蒼天先生」って来た(会場笑いとどよめき)。ずっとこの議事録を読んでくれてるんですよ。
だからま、そこそこ、徐々に関心を持ってくれてる人がいるんかな、という感じがした。
それともうひとつ、コラムのこと。毎週月曜日、Facebookに投稿するスタイルから、Facebookからホームページの方へ案内するスタイルにした。「いいね!」の数よりも、はるかにたくさんのアクセス数がある。結構そういう意味では、書き甲斐があるかな、という感じで、ちょっと気をよくしている。
しかしさっきの彼は、20年間ほど会ってないかな、ま、熱心な彼は、いつまでたっても、年とっても、勉強熱心やな。勉強してるな、ってことをすごく感じた。自分も頑張らなくちゃ、と改めて思った。

【菖蒲】
スマホから音楽を。
フランス人歌手、クレモンティーヌが歌う、「天才バカボン」のテーマ曲。
2010年に出されたCDだそうで、CMでも流れていました。オリジナルも懐かしいけれど、日本のアニメが大好きらしいクレモンティーヌさんが歌う、ほのぼのとしたバカボンも、素敵。
♪これでいいのだ、これでいいのだ♪

2017年のCMソングだったんですよね。私、ふと気づくと、鼻歌を口ずさんでいることがあって。「ば~かぼんぼん」「それでいいのだ それでいいのだ」と口ずさんでいる自分がいる。バカボンのパパが、結構好きだったけど、ときどきふと思い出す。

赤塚不二夫さんって本当にすごい人だったな、と改めて思ったりね。バカボンのパパが言ったのが、「私はバカボンのパパなのだ。この世は難しいのだ。私の思うようにはならないのだ。私は大丈夫なのだ。これでいいのだ。これでいいのだ」って言って、「これでいいのだ。これでいいのだ。そういっているから、大丈夫なのだ」
そのセリフが好きで、そのあとに、「あなたもあなたでそれでいいのだ」とつづく。
そこで「これで」から「それで」に変わるんですね。「これでいいのだ」と「それでいいのだ」それをつぶやいているというのは、自分に言い聞かせているのかな。という気がしている。
先月桜庭さんのお話を聞いて、桜庭さんが、どういうご心境にあっても、「桜庭さんもそれでいいのだ」という感じがすごくした。どんな葛藤があっても、自分は自分で、それでいいのだという。そういう境地が、バカボンのパパにもあったのだなと、改めてすごいなと思った次第。
さらに、「私はバカボンのパパなのだ」を、自分の名前に置き換えてつぶやいてみる、というのをやっている。

 

菖蒲さん短冊発表

「愛を抱きしめ、心躍らせて、いっしょに越えて行く」

で、短冊ですが、私、前回すでに発表の内容を言ってしまって、もうあんまりしゃべることがないかなと思って(笑)。
「愛を抱きしめ、心躍らせて、いっしょに越えて行く」
「いっしょに」、っていうのは、もちろん、「私とあなた」という意味もあるけれど、「ごいっしょに」というか、道連れにというか、いっしょに越えて行ければと。身近にいる家族や友人、お客様、いっしょにそうやって行けたらなという思いで書いた。しばらくしたらまた変わっているかもしれないけれど。
2020年は、「愛」という言葉を多く口にしてきた。それまでは、「愛」を言葉として、あまり使うことがなかった。言うのが面はゆいというか、ちょっとなんかポンと使えない。
そこには宗教観が関係するのかもしれない。クリスチャンにとって「愛」は、身近な言葉であり、「人類への愛」みたいな、大きなものとして捉えておられるように思う。でも、私たちは、「愛しているよ」などとあまり言わないし、日本人として、平均的な「『愛』という言葉に対しての恥ずかしさ」というものを、私自身持っていたのかと思う。
そして2020年、昨年1年間「愛」をよく使うようになって、だんだん平気になってきた。より、「愛」という言葉で、「自分と他の人とがつながっている」と感じられるようになったし、その自分の変化が周囲に連動しているということにも気づかされた。

自分自身が満たされて、自分自身が本当に幸せでなければ。
私自身、子どもの時から「人のために」と親から言われていたこと、それが人間としての当たり前の生き方だとずっと思い込んでいたこと。
仕事での中長期のビジョンは、9割以上実現しているにもかかわらず、自分自身の目標とか、ビジョンを持っていなかったし、書いていなかった。そしたら、嫁にも行かない、自分自身の幸せの追求ができていない、仕事だけが私の生きがいになっていた。
(自分自身の幸せを追求することが)凄く欠けていたんだということに何年か前に気がついた。だからどのようにそれを達成したらいいのか。それは、私自身の内面を、「書く」ということ以外、何も思い浮かばなかった。コロナ禍での時間的余裕が、それを可能にした。
蒼天先生との出会いもそう。この会に足が向き、楽しみにしてくるようになったのも、こういうこと(人とのつながり・自分の変化の周囲への連動)だったのかなと思うし、「愛」というか、自分自身を大切にする方法、自分自身との向き合い方をまたひとつ教えていただいたと思っている。
なので、今年は、私にとっての宝物としての「愛」、これがどのように変化していくかわからないけれども、それを大切にしながら、だけど、よくいうワクワクと心が弾む気持ちを常に忘れないで、自分自身だけがぴゅーっと前に行くのではなくて、ごいっしょにどうぞ、という気持ちでやっていければ、どんな艱難辛苦も乗り越えて行けるのではないかという境地になった。今年何があるかわからないが、「乗り越えて行く」という言葉にさせてもらった。
私は過去にやったことに対して興味が持てない、ものすごい飽き性。どれだけすごいと言われることも、それを実績みたいに書くことが嫌。仕事をするにあたって、役所用に嫌々作ったものはあるが、オモテに出すことをずっとしてこなかった。お名刺を差し上げた人が、私のことを検索しても、何も載っていない。過去の公的な委員会での発言など、古いものはあるけれど、私自身、私個人がやってきたことについては、何も載っていない。
で、そうだ、と思い立って。アーカイブというか、過去の記録を、ジャンルごとに整理して、「色」などテーマを決めて、整理してみようと思っている。ホームページにするのか、インスタグラムでやるのか、手段は相談中だけど、何かしら自分のやってきたことを整理していきたい。

【緑山】
菖蒲さんに「愛」を語らせるとピカイチだなと。「菖蒲さんには『愛』という言葉がよく似あっている」、と自分のノートに書きました(笑)。

【菖蒲】
恥ずかしい!

【緑山】
自然になってきましたよね。板についてきた。受け入れられやすくなってきた。

【蒼天先生】
心の中心に愛があったんですな。それが今まで塩漬けになっていた。よみがえってきたのでは。

【菖蒲】
「いっしょに」って言ったけれども、今そのことに関して考えている構想はというと、道の駅とか拠点を作っていく、コミュニティの中心になるものをつくっていく仕事をしている。
今度提案するのは、人間とペットが「いっしょに」というもの。犬の餌にはなかなか問題が多くて、犬の病気っていうのは人間と連動している。それで、人間とペットの薬膳をやっている方がいらっしゃって、両方が「いっしょに」健康になっていくという施設を作りたいと思っている。私が経営するのではなく、提案。以前までは、またそんなこと言って、という感じだったが、今はそんな時代ではなくなってきている。本気でやれば成立する内容。
コインランドリーなんかでもペット用のものがあり、待ち時間の過ごし方として、カフェやドッグランが併設されていたりして、人間もペットも健康になれる、という業態も、既に存在している。
ニーズがあれば成立するので、大阪・九州でできるところからやっていこうと思っている。
「愛」には区別がないということ。人間とかペットとか、子供とかお年寄りとか、そんな区別はなく、すべて連動している。そのすべてを幸せにするということを考えていかないといけないと思う。

【銀河】
YouTubeとかにしてもらえるといいなと思いました。菖蒲さんのそういう考え方って、私たちとかもっと若い人たちが早くから知ったほうがいいと思うし、テレビ以上に身近なものなので、そこで配信してもらえたらいいなと。

【山吹】
私、何でも飛びついて、やりたいなと、良いビジネスやなと思いました。
犬と一緒の食事って、いいですね。犬も一緒に召し上がっていただける個室を用意しておいたら、喜んでもらえるのではないかと。
以前、鳥肉を販売していた時も、ペット用に買ってくださるお客様もありました。やっぱりおいしいお肉は食いつきが違うそうです。
今までそういうお客様は、遠慮気味で予約を取っておられたけれど、これからは違うなと思いますね。

【蒼天先生】
菖蒲さんの話を聞いていて、最近顕著に感じるのは、彼女は新しいタイプのリーダーだなということ。「どうぞみなさん、ごいっしょに参りましょう」これですわ。昔は「俺についてこい」でした。「ごいっしょに参りましょう」、そういうリーダーがこれからは中心になってくると思う。きっと菖蒲さんは、リーダーです。そういうものはね、持って生まれたものも結構ある。そちらの才能も伸ばされたらいいと思うし。
ひとつ気になったのは、「私は飽き性だ」と言っていること。飽き性じゃない。飽きるものしか出会いがなかった。そこに、飽きないものとの出会いがあったから(今の境地にたどりついている)。僕はそう思う。だからあなたは飽き性ではありません! それに愛があるから、これからが楽しみでしようがありません。私の歳まで20年あるんだから。でもあっという間ですよ。

【菖蒲】
ありがとうございます(笑)

【黄金】
「愛」という言葉、なんちゅうか、苦手(笑)。口に出して、言葉にして、人に語るということに非常に抵抗を感じるというか。自分の中で、だいぶわかってへんから。日本人の愛って違うじゃないですか。なんか愛=LOVEって考えて、能動的で、愛するという言葉はあっても、愛されるというのはないと聞いたこともあるし。コロナ禍で世界中で愛が見直されているとは思う。
バカボンの話、マンガだけど奥が深いですね。それでいいのだ、というのは非常に共感した。

【蒼天先生】
黄金さんの言うことよくわかるよ。昔はね、僕らもそういう教育を受けてきた。そういう社会だったから。その社会の中で、良いこと悪いこと、あるいは自分で深めて、考えながら。「愛」ってどちらかと言えばあまり口にしなかった。また、口にできなかった。でも時代がだんだんと変わってきたというか。
一番大事なことは、自分の固定概念を持ち続けるとダメになるということ。時代と共に価値観はどんどん変わってくるから。僕はそのへんは比較的、本を読んで、あ、これはこういうことなんだ、と自分の中で消化して、新しい考え方をつくり上げてきた。左脳ばかりで右脳を使わなかった。
黄金さんも、(だいぶ変わってきたから)来年になったら愛を語ってるんちゃうか(笑)

【黄金】
「愛」、使えばいいんだけど、使えない。誰彼にでも使えないし、重たいし。

【蒼天先生】
人類愛も含めて、そういう考え方がこれから広まっていくのではないかな、そんな気がします。

【菖蒲】
現実には、普段から「愛してる」って言うこともないですしね。犬につぶやくぐらい(笑)。
たとえば企業さんでも、「愛」のある経営かどうかは、なんとなく透けて見えてくる。それは、言葉のレベルの話ではなくて、根幹の部分に「愛」があるかどうかということ。
自己愛が強い人、自己肯定感が強い人は、「愛」というものが確立していると思う。自分を愛するように人を愛せばいい。
でも、他人に対してよくすることによって、自分をよく見せたいという人は、自己肯定感が低い人。そういう人は、人を愛するように、自分を愛せばいいと思う。
その一体感が大事なんだと思うし、今の時代で問題が起きているところというのは、そのバランスが取れていないところから生まれているんじゃないかな。
私自身に照らし合わせて考えたら、自分に欠けているものが自己愛で、それを言葉にすると「愛」という言葉だったのかもしれないという感じ。
自分で気づいたということもあるし、「愛」という言葉を頻繁に使う人が身近にいたから気づいたということもある。

京都で、ごまの専門店「ふかほり」というお店をしているゴマソムリエの深堀勝謙(ふかほりかつのり)さんという方がいる。
ゴマでものすごく有名になって(2019年「マツコの知らない世界」にも出演)、10年前ぐらいに彼を発見して(笑)。この人おもしろい!って思って付き合ってきた。そしたら今や、阪急梅田で毎月9~10日間催事やるんですけど、日本一ですよ。1個たった540円のゴマが1000万円ぐらい売れるんですよ。やるたびに記録更新して。300万円で御の字、600万円ですごい、と言われているのに、去年800万円を超えたよ~って言ってたのが、もう1000万円です。
それは、「愛」をもってやっているからだとはっきり言える。ゴマは擦るものではなく、突くものとおっしゃっていて、ゴマを突いた後に、突く人の心の問題が、ゴマの味に全部出るっていうんです。そのゴマを袋詰めにして、お点前という作法にのっとって、祈ってからお客様に渡す。それでファンがどんどん行列を作って、爆発的に売れている。
そして今は、ゴマ共和国っていうのをつくって(笑)、深堀さんは、その国王らしい。普通は国王がピラミッドの頂点だが、ゴマ共和国では、逆ピラミッド。国王が一番下で、皆さん(お客様)にお仕えしている。応援しているんです、と。
なんでそんな考え方なのかなと思っていたら、彼はクリスチャンだった。

この方の弟さんは金魚絵師で有名な深堀隆介(ふかほりりゅうすけ)さん。樹脂に重ねて描いて本物みたいにリアルな絵を描く。お酒の桝に樹脂を流し込んで描いた作品が、以前は8万円ぐらいだったのが、今は80万円ぐらいになった。一つ完成させるのに3ヶ月ぐらいかかるが、飛ぶように売れて、世界的な人になってしまって、こないだAERAで6ページの特集が載っていて。

一緒に長崎へいって、この人たちのルーツがわかった。彼らのおじさんが随筆「長崎の鐘」を執筆した医師の永井隆さんだったんです。深堀という姓は母方の姓。お祈りしてご飯をいただくようなご家庭に育って、それが嫌で嫌で仕方なかったそうです。大浦天主堂で叔父のことを話してくださったことで、私も初めて彼のルーツを知って、だから彼は「愛」という言葉が普通に使えるんだなと。
仏教の日本人にはなじみにくいかなとは思う。先生のおっしゃるニューリーダーとはこういう人かなと思いました。その深堀さん兄弟が、私のことをねーちゃんと呼んでくれている(笑)。深堀さんを見ていて、自分の欠けてるものを感じたから、気づいたのかもしれない。
今「すべてよし」みたいな感じで、受け入れていけるなという感じがしている。
ごまの深堀を宣伝したって仕方ないですが(笑)、まあおもろい男ですわ(笑)。

【山吹】
京都でごまと言ったら、Hさんで、それなりの数字作って売ってはったんですけど、あるときから某百貨店は、ふかほりさんとHさんを、両方京都店でぶつけるようになってきて。ごまと言えばHさんやと思ってたのに、ふかほりさんもよう売らはるんですわ。菖蒲さんの話を聞いて、後ろに「愛」とか、そんな隠れた物語があったんやぁ、と思った。お祈りみたいなものとか、言葉に出さなくても、お客さんには伝わってるんでしょうね。売り方はいろいろあっても、ずっと続く店には、隠れた何かがあると思う。

【蒼天先生】
愛はね、奥が深いんですよ。愛があるところには、哲学がある。それが以心伝心で伝わってくる。伝わる人にだけ伝わったらええと思ってはりますよ。

【菖蒲】
ホテルで一番嫌いな看板が「スーパーホテル」だった。黄色に黒で。あんなところ誰が泊まるのかと。
しかしながら、ある時、間接的に社長と知り合うことがあって、東京の「ロハス」というホテルに泊まったら、看板と中身が全然違ってびっくりした。結論から言うと、すごいホテルだった。スーパーホテルの「スーパー」は近所のスーパーマーケットの安かろう悪かろうじゃなくて、「超えた」という意味でのスーパーなんですね。
10年ぐらい前まではあちこち出張することが多くて、新しくできたホテルはほとんど全部泊まってチェックしていた。単価が安くても、満足感があるのはどういうところか、調べてみた。
それでわかったのは、満足感を得られるホテルというのは、皮膚に接触するところをケチらないところ。具体的には、お布団・枕・お水・アメニティなど。女性はそういうところをチェックしていると思う。
スーパーホテルは、ティーパックのお茶の葉が有機、水はイオン水、水道もイオン水が出る、シャンプーリンスもオーガニック、人に一番近いものをケチらないということに重きを置いている。
ホテルには、必要なものは揃っている。ただ、女性は接触感を大事にしていると思う。枕は自分の好きなものを選べるし、朝ごはんも全部オーガニックだったり。
スーパーホテルには、企業としての「愛」を感じた。その精神がないと、どこかで「ここまでわからん人もいるから、この程度でいい」となりかねない。ギリギリのところで、会社としていかに満足いくものを提供できるかを、すごく苦労されながら選ばれているのが透けて見える。それを享受させていただいていることにありがたいなと思って、利用させてもらっている。

【蒼天先生】
いや、僕も、発表のときにね、「愛」の話をしますわ。
(会場笑)

【水島】
菖蒲さんのお話をお聞きしていたら、ついついお母さんって呼んでしまいそうです。
(会場笑)
愛情というか懐の深さがあるので。
愛があって、そこからビジネスに形づいていっているのが素晴らしいなと思いました。

【桜庭】
愛情とか想いで地域貢献といって、お金にならないことを続けていけるかいけないかっていうことをよくみますけどね、ちゃんと結果として自分の仕事として成長していけている事例を紹介くださってよかったです。

 

銀河 短冊発表

「真理の方へ」

菖蒲さんの深くて愛にあふれたお話、なんか次元が違いすぎるなと思いながらお聞きしていた。
50歳。なんかひよこのつぶやきみたいな、菖蒲さんの話を薄めたみたいな話になるなと。目指すところは菖蒲さんの域だけど、まだまだ薄い薄いと。
気負わず、今の、ありのままの私でいく、ということで、よろしくお願いいたします。

「真理(しんり)」の意味は字の通り、「真実」、「本当の理」、「不変のもの」という意味。
仏教用語としての「真理」は、「絶対に永遠不滅の事象」。「諸行無常」とか、どの時代でも、誰にとっても、絶対に変わらないという事実、それが真理。「真如」っていう言葉で言われることもある。
仏教は、簡単に言うと、「全ての人が幸せになるための考え方を教えたもの」と言われていて、その教え=真理ということ。

たまたま私、名前がマリで、字も「真理」で。
「人は一生かけて自分の名前を実現する」というのはよく言われている。私が「真理」になるっていうことは、お釈迦様になるっていうになってしまって、それはごめんなさい、だいぶ違うけれど、そっちの方を向いて歩いて行こう、という意味で。
多分その途中で私は死ぬと思うけれど、そっちの方向を向こうということ。

そのために一番最初にしたいことは、健康になること。まずは健康。
去年の12月にいろいろあって、つらかったのは、中学校時代から親しくしていた同級生の子がいて、ずっと仲良くしてた子が、ありえない形で私を裏切った。
具体的なことは、この場で言わないけど、これほど人間不信になったことがなく、自分が消えてなくなりたいと思ったし、パン屋もやめようと思った。心療内科に行く? とか。
でもそこまで私が落ち込むのは、やはり睡眠不足や、疲労の続く日々があったからだと思った。そこまで落ち込むことではないのに、多分自分が非常に疲れている状態のときに、そういうことがあったから。その状況に至る引き金を引いたのは自分だ、という自覚があった。それでまぁ引きこもったというか、2週間ぐらいは何もできなくて、ご飯だけ作って寝る、起きてまたご飯だけ作って寝る、そういう時間を過ごした。

そんな中で、少しずつ本を読んだりできるようになって、やっぱり健康大事だなと。もうそれなくしては何も語ったらあかんなと。もし健康だったら、その彼が裏切ったとか思わなかったかもしれないと、そこまで思うようになった。この13年間の睡眠の少なさ、やりすぎ、これはもうアウトやと。

痛い目にあって、とことん沈んでいって、もやもやが尽きず、ちょっとした考えの途中で急に涙がとまらなかったりと、ボロボロな感じだったとき。
一連の事件(?) を知る友人が、「大丈夫やで」ってハグだけして帰って行ったりとか、また別の友人が、「花でも見とけ」って花束を置いて行ってくれたりとか、ありがたすぎるできごとも、同時進行で起こっていた。本当に恵まれている。
家族も、私の作っては寝る作っては寝る、繰り返す、という生活に、何も聞かずに黙っていてくれたし。
人に裏切られたけど、やっぱり人に救われている。あーこうやって成長していかなあかんな、って思えたのが1月ですね。
そのころに読んだのが、「科学がつきとめた運のいい人」(中野信子著)。
運のいい悪い、運を持ってる持ってない、というのは自然現象ではない。運のいい人というのは、生き方、姿勢、自分との向き合い方、他人との関わり方、健康、そういうものがきちんとしているから、身体と脳をちゃんと使っているから、運を自分で引き寄せている。
見えざる力ではなく、科学的根拠に基づいて、運のいいひとは出来上がっている、という本だった。
ものすごくいろんなことに影響を受けやすいタイプなので、また、自分がいいなと思うことに影響を受けるのが好きなので、毎日読んで、ノートに書きこんで、運のいい人がやっていることを全部やっている。

その中のひとつに、「自分は世界の中心だと、まず思え」と。
さっきの菖蒲さんの話を聞いて、「それやーん!」と思った。大事なのは「自己肯定感」ですよね。
自分がいかに自己肯定感が低いか、わかった。自己肯定感が低いのに、結構周りのために……、みたいな感じで動いてしまう体質で、そうやってきた結果が今これやねんなっていう、本当に見たくない自分に目を向けた。
折に触れ、白石さんが、「まりさんのおかげで優しさがわかった」って言ってくれることがある。それすらも 「そんなことないねん。そんなん無理やねん。違う違う」って。もうなんか拒絶っていうか、そんなええ人ちゃうねん、っていつも思っていた。
でもそうやって白石さんが思ってくれるってことに、感謝のできる人にならなあかんなと。そこを否定したら、そう思ってくれた白石さんのことを否定することになる、白石さんを大事に思ってないことになる、と。
それを受け入れてしまったら、自慢になるのではないかと、自分を抑制していたけれど、そういうこと言ってくれてありがとう、と心から思える人になりたいなとやっと思えて。

この本の影響と、整体の先生の指導で、健康のために歩いている。30分歩いたら、脳からセロトニンっていう幸福ホルモンが分泌されて、悩みごととかどうでもよくなるらしい。
田舎の道を歩いていたら、ものすごく鳥の声が聞こえる。今まで、意識して聞いたことがなかった。それが新鮮で、毎日季節が移っていくこともわかって、いい時間を過ごしている。道中、お地蔵さんが三ついらっしゃって、通りかかると、自然と手を合わせるようになった。だんだん私が平和になっていく感じ。

時を同じくして、一緒に住んでるおばあちゃん(主人の母)が倒れてしまって、あらまぁ!と思った。おじいちゃんのほうは、見えなくて聞こえないので、おばあちゃんがいないと、おじいちゃんの日常生活が結構大変で。88歳。
急に生活が「介護⁉」みたいな感じになって、一瞬パニックになりそうだったけれど、結構楽しくやっている。
洗濯物のやりとりに毎日病院へ行く、おじいちゃんと「タッチランゲージ」で意思疎通をはかる、おじいちゃんの通院付き添い、訪問看護の立ち合い、などなど、初めての経験をしている。そして、日本の福祉すごいな! と思っている。医療機関と訪問看護の連携とか、すごい。ケアマネさんは、女神にしか見えない。
結局、自分自身が、身心ともに整っているので、なにがあっても全然楽しいわ、大丈夫やな、って。

そういうことがありつつ、3月からパン営業を再開した。
パンを焼きたいという気持ちは、ものすごくあった。
かつてのように、鬼のように焼きまくってぱたんと死に絶える、みたいな焼き方ではなく、営業日も5日から3日に減らし、焼く量も、半分ちょっと。
変化は、絶対に5時間寝る、無理をしない、ただただ焼きたいという欲望をセーブする、そんなルールを決めたこと。
ゆっくりだけど、健康で。

今私50歳で、皆さんから見たら若いって言っていただけるようなこの場においては、まだ50やんか、みたいな話だよな、ということを、今さっき感じたところです。
だやからこそ、今私は、何をしないといけないのか、っていうと、大黒柱の夫が、毎日働いて、機嫌よく帰って来られるように、自分は夫の両親とか子どもとか、家族がちゃんと健康で暮らせるように、マネージャーみたいな、そういう役の番だなと。
だから経営者と言えないかもかもしれないけれど、それでも今、1日の充実度っていうのはかなりある。自分も含めて、うまいことみんなが回るように動くっていうことが。

おじいちゃんとおばあちゃんが何年かしたら死んでいかれるということも考える。そして自分の死に方についても、考えさせてもらっている。
みんな死んでいくのだから、今、目の前にあるものをちゃんとしよう、みたいな。そういうことになっている。
そして向いているのは、真理の方向きだから、頑張ろうと思っている。

【紺野】
女性の経営者は、経営だけじゃなくて、家事や家庭のことも入ってくるので、そういったところも考えなくちゃいけないのが大変だなとは思う。

【桜庭】
それだけ?(笑)

【銀河】
ごめん、なんかわからへん話やったらめっちゃ申し訳ない……。

【紺野】
いやいや、そうじゃないんですよ。

【墨田】
割といつも共感が多い方やなと思ってて。
今色々聞かせてもらったら、あぁ、そういうことなんかと思うし、なんか別に僕が評価をするとかでは全くないですけど、やっと楽にならはるなぁ、とめっちゃ思う。たぶんみんなそれは思ってると思うんですけど。
自分のやりたいように、しかも自分の役割も理解して。
となるとただただ自分の思うように全部いろいろやったらいいのに、じゃないところ、で自分を大事にするっていうのをちゃんとやってはるんやな、っていうようなすごくそれは思いました。
内容は全然違うけど、僕もそういうところがちょっとやっとできそうな感じなんで、無理せずというか、ほんまの意味でのやりたいようにやっている、というところができはるのがいいな、と。僕も共感をさせてもらった。

【蒼天先生】
銀河さんはものすごく自由になったんやな。
去年一昨年と比べてね。精神的にすごく自由になったんや。
去年は去年で良かったんやと思うけどね。
話聞いててね、すごく自由になったな、と。
自分に与えられた仕事っていうかね、やらなきゃいけないこと、これは当たり前のこととして受け止めてるし、自分が自分でやりたいこというか、考えていることの方に向かって歩んでいるから、ある意味すごく幸せかもしれないね。

【銀河】
自分が自分を大事にしてないのに、他人を大事にするような感じでいるから、そこに寄ってくる人っていうのはやっぱり私に依存してくる人だったんですよね。
っていう意味で人間関係の断捨離的なことが起こりました。

【蒼天先生】
歳いってくるとね、だんだんそれが起こるよ。
今残ってる人がほんとの友達っていうかね。

【銀河】
そうですよね。本当に大事な人、大事にしないといけない人は誰や、っていうのがくっきりわかるような感じです。

【蒼天先生】
僕の感覚で言えば、減っていくのは8割から9割ぐらいやね。
残る人って1割か2割しかいないかもしれない。しかしそういう人と、ますますいい関係になって。それが自然かなと思う。
結構いい人生になってきたんちゃうか。

【銀河】
そうですね。話だけだと、急に介護が入ってきたし、自分の時間を結構とられることもあって、でも悲壮感ゼロみたいな。結構楽しいし、病院という世界が新鮮で。
そういうふうに考えられるっていうのは本当にありがたいな、と思いますね。

【菖蒲】
本当に銀河さん、顔色がすごく良くなりましたよね。

【銀河】
寝てるから?(笑)

【菖蒲】
(前と)ぜんぜん違うと思います。
ちょうど一年ぐらい前でしたっけ?一緒にランチしたときの写真があって、顔色が全然違うと思って。
先生もおっしゃったけど、自由になった。よく寝るようになった。そして、今のおじいちゃんおばあちゃんと向き合うことが、そんなに辛くないっていうのも、私すごくよくわかるんですよ。
母との関係で、母がひどいこと言ったり。げんこつでポコっと殴られたりするんですよ。

【銀河】
くたばれクソジジイ!と思うことも、本当にあるんですよね。

【水島】
介護が大変なのを大変と思わないというか、楽しめるというのはすごいですよね。

【銀河】
やばいですよね(笑)。結構大変というか、どうするべ、みたいなこともありますけど(笑)。

【水島】
普通だったらもう嫌、しんどい、とか不満しか出てこないところが、それを楽しめはるというのは今まで積み上げてきはった勉強とかそういうのが生きてるんでしょうね。

【銀河】
「科学がつきとめた運のいい人」っていう本は、そういうのも助けてくれますね。
自分だけのために生きている人は運が悪い。自分も大事だけど、人のためにもちゃんと生きられる人じゃないとダメって書いてあって。
影響されやすいので(笑)。

【水島】
いい影響ですよね(笑)。
自分のためにしか生きてない人は、もうなんで運悪いんやろう、みたいな。

【蒼天先生】
みんなそういう時期があるんやって。その道を通り越して、だんだんと分かってくるんや。
早いか遅いかの違いで。

【水島】
勉強になります。

【緑山】
今の銀河さんの発表を聞いて、3行だけノートに書いた。
1行目「真理の方へ」。
2行目は、「健康が前提で、はじめて物が言える」。私には一切発言権はないのかな、と(笑)。
3行目は、さっき菖蒲さんに言われちゃったんですけど、「銀河さん心身ともに綺麗にならはった」って書いてるんですよ。
今日メガネ忘れたっていうのもあるんですけど(笑)。
さっき近くでぱっと顔を見た時に、「あっ、きれいだな」と思った。
やっぱりそれが「真理の方へ」みたいな心のことと、発表されたことと、人に与える印象がそれだけ変わるんやな、っていうのが話を聞いててわかります。

【銀河】
メガネ忘れてくれてありがとうございます(笑)。

【緑山】
なしでもよく見えてますから(笑)。もしかしたら菖蒲さんと感性似てるかも。

【黄金】
印象に残ってるのは3時間の睡眠でやってきたこと。それはそれで充実されてたのではないかと。自信も持ってはっただろうし。それが今、不健康だったということに気づいた。裏切られたりした時に、これはそういう自分自身が原因だったのでは? ということで健康になっていく形なんだけど。
そのきっかけがあったから、健康になった、ということで、「これでいいのだ」という話だと思う。
かつて3時間の睡眠時間でやってた時、思い出せないと思うんですけど、その時はその時で一生懸命やってはりましたやん。みんなからの駆け込み寺みたいな形になってて。私が守ってあげないといけないよねっていう。
それはそれでおかしなことをやったわけじゃなくて、素晴らしいことをやっておられたと思う。それがあって今があるんやから、それはそれでよかったんやろうなと思うし。
全部良かったんちゃいます?

結局何かがあかんかったからこうやったじゃなくて、みーんなよかったから今があるというふうに考えて生きていくほうがええんちゃうかなと。昔があって今があるんやから昔も良かったよね。昔も良かったし、今はそれより良かった、という考え方のほうがええんちゃいます?
自分自身もかわいそうやないですか。歳取ってきたら人間もやっぱり弱くなってくると思うから。

それと、3時間の睡眠の時と今の睡眠やったら、やっぱりいろんなもの、景色が違ったりします?


桜庭さんのおっしゃっていたことがよく理解できます。
後からじわっとくるヤツ。読み返すたびにじわっとくるヤツ。黄金さん!
おっしゃるとおり、13年の回り道は、私にとっては、必要な時間だったと思います。いや、回り道ではなくて、学びながらゆっくりゆっくり歩いてきた自分の道、かな。


【銀河】
全然違いますね。今は5時間寝ています。パンを焼く日も焼かない日も。
ウサギみたいに、視野が広いんです。なんか。
今日1日を俯瞰できるような。とりあえずこれをやらないと‼ みたいな焦りがなくなった。夜に1日を振り返るときも、ネガティブなことは自然と排除してる感じ。こんなことあったな、ってなんかいい気持ちで、瞑想みたいな感じで。
2時間の差ってすごいな、と思っています。

【黄金】
全体が見えるから、捨てるもの、余計なものがわかる。詰め込んで詰め込んでやるんじゃなくて。
以前、スケジュール表が予定でいっぱいになっていないと落ち着かなかった。不安でたまらなかった。
そうすると、今ここでやったことが、整理できないまま、次に行くから、結局何にも残らへん、という状況があった。
コロナになって、整理ができるようになって、きちきちに予定をいれず、時間と時間を空けるように変えた。ひとつひとつを、納得しながらまとめていくようになると、あまり仕事を入れられなくなった。

【銀河】
おしてきたりしますもんね。電話が鳴ったりとかして。

【黄金】
そう。
だから逆に詰めたらあかんなと。
時間が空くと、クセでついつい予定を入れてしまうんやけど、そうすると後でえらいことなるから、もうあえてやめようと。
起こったできごとを、書きながら整理していたら、結構時間がかかる。でもそれをするとちょっと落ち着くかな、という感じですね。それは追っかけられてるのとは全然違う。
全体が見えるというのはなんとなくわかります。
だから、「これでいいのだ」ですよ(笑)。

【銀河】
嬉しいなぁ。ありがとうございます。

【山吹】
いつも銀河さんの隣りに座っていますが、今日は対角で座っています。お地蔵さんの話のときに、手を合わさはった姿が綺麗やわぁ! と。


一同笑
恥ずかし……。


【山吹】
ほんまに。
手の動かし方がお釈迦さんみたいで。
あんな睡眠時間で、田舎の長男の嫁、すごいなぁ、どっかで身体壊さなかったらいいのにな、って思ってました。やっぱり目に見えへん不思議な力ていうのかね。止めてもらえたんですね。こける前に、身体を壊す前に、睡眠時間を5時間にしてもらえたんですね。

【銀河】
ありがとうございます(笑)。

【山吹】
身体を動かしてこなせる時代と、できなくなる境目がわからない時がある。他人に教えてもらえるか、自分で気が付くか。「もうちょっといけるかも……」という、どこで線を引くか。

【銀河】
そうなんです。
もうちょっと頑張ったら行ける、っていう仕事なんで。ついつい。

【山吹】
そこで目に見えへんなんかが。
それが介護なんかなぁ? ありがたい介護と思う、それに助けてもらわはったんかなぁ、と。

【銀河】
そうですよね。ありがとうございます。

【桜庭】
今日は綺麗だと言いたくなる……(笑)。

【銀河】
ごめんなさい、想定外の展開でちょっと(笑)。
議事録は書きたくない感じです(笑)。

【黄金】
議事録やけど、自分で言うたことは、ほんま覚えてへん。不思議やわ。俺こんなこと言うてたんかと思うもんね。

【銀河】
脚色は一切してないですよ。省くことはありますけど。

【桜庭】
黄金さんの短冊発表のとき、私いなかったんですけど、めっちゃ衝撃だったんですよね。
こんな言葉が、黄金さんから出てくるなんて…… と思って。
あの議事録を読んで、一言一言書いてあるからそれがまた伝わってくるというか。
あれがもし単にトピックだけの普通の議事録であったら、その背景はわからなかったんでね。ああと思って感動したんですけど。

【黄金】
書かはる人が上手ですわ。さっきも言うたけど、僕だけ関西弁やんか(笑)。
それはそれで楽しいんやけどね(笑)。

【銀河】
ちょっとした思いを盛り込んでるんです(笑)。

【桜庭】
墨田さんと一緒に喋っていた時に、そうそうと二人で言っていたのは、似た年代で、いつの間にかこんな所まで来てしまったみたいな。
先を見ると、あとそんなに自分たちがまともに仕事できる時代ってないやん、みたいなところに、はたと気が付きましたよね。
なんかたまたまその話になって。そうそう、みたいな。
ちらっと自分の死に方について考えさせられたとおっしゃったんですけど、意識するような年齢に私もなってきたなと思って。
今までついつい実家のある静岡には足が向かずに、夫の実家のある大阪の方には行ってたんですけど、静岡帰ろう、っていうふうに最近思うようになりまして。
リー先生(診断士の先生)がいつも時間のことについてものすごく言ってらっしゃって。
それを意識したのがこのコロナかなというふうに思いまして。
私なんて焦るばっかりだったんですけれども、こういうことを人の体験を通じて、自分も同じ状況になるんだろうな、というのが目に見えてるので、私の学びにさせていただきたいな、と思いました。


ありがとうございました。
本当に皆さんに温かく見守っていただいている、育てていただいている、気づかせていただいている、しみじみと感謝の気持ちでいっぱいです。

 

緑山さん 短冊発表

「不昧に生きる」

私1年目の短冊は、何もわからずに、「学而貢献」、何か4文字熟語で書けばいいかなみたいな。去年、「役割を果たす」ということで、自分のポジションとか家族とか、ということを意識して書いた。
今年はですね、やっと、短冊の意味がちょっとわかってきたなと。前回前々回くらいの議事録を読んでいて、ああそういうことかと思いながら、苦痛の1ヶ月を過ごして(会場笑)。

今年、黄金さんと同じ62歳になる。仕事を始めて40年になるんですね。
私の人生、ほとんどが仕事ばっかりなんで、仕事ベースに考えるんですけど、改めて今までの人生を考えたら、すごく反省ばっかり出てくる。今までの人生の反省を生かして、今年はですね、今年以降、「不昧に生きる」と。そう決めた。
今回色々反省してきた中で、例えば「あいつのせいで失敗したやんけ」とか、「コロナのせいで売り上げが下がった」とか、ま、自分のせいじゃないものに置き換えてた自分がいっぱいあった。
イエスかノーか、右へ行くか左へ行くか、今横断歩道が点滅しだして、ダッシュして渡るか渡らへんか、とか、車で走ってて、黄色になりかけで止まるか止まらへんかとか、すべて二択じゃないですか。その二択の誤りがいっぱいあって、突き詰めて行けば結果自分が全部悪いんやということを反省したうえで、要は今後、ごまかさずに生きる、と。
それを「不昧に生きる」ということにした。
今年の短冊じゃなくて、今後ずっと死ぬまでの短冊になるんじゃないかなと、そうしないといけないなと思う。結構最初「正直に生きる」とか、「うそをつかない」とか、いろんなことを書いていたんですけど、それをネットで辞書を調べながら色々やっていたら「不昧因果」という言葉が出て来た。
原因があって結果がある、のが「因果」。
「不昧」は、ごまかさない、という意味。
「因果」を自分でちゃんと、自分の行動の結果をしっかり受け止めて、なんかこう、次への覚悟に決めていくのが大事かなと、いうこと。

1分間トピックスの中で、今いるオフィスを9階から7階に移転するという話をしましたが、なぜ移転するのか?ということを話します。
不昧に生きることと直接関係あるかどうかはわからないけれど、4月1日スタートで、一人また採用する。オフィスの広さが20坪から40坪になる。ひとり当たりのスペースは、今は1.6m四方くらいで、今度からはひとり当たり2メートル四方のスペースにして、全部パーテーションで囲う。

2013年10月に自分の会社を作ったが、今ほとんど活動をしていない。ていうか、赤字ばっかり出て行くような会社なので、それを社名変更する。会社名は、蒼天先生の会社名をぱくったわけじゃないけれども、7Cなんです。
4月1日付で、会社名㈱7C(セブンコンサルティング)に、社名変更して、新たな事業展開をしていこうと。それも含めて、移転して、人も採用して、会社ももう一度再開するというか。昔から営業の世界しか知らないので、物作りとか一切したことないので、わからないけれども、販売に関しては営業ということは、環境を整えることが一番大事だと昔から思っていた。
売る環境にストレスがない、喜んで働くという環境を作る。今こういう時代なので、パーテーションでひとりずつに部屋を作る。ズーム等にも対応できる。そうすると、社員満足がどんどんどんどん高まってくる。当然、営業マンが喜んで仕事すると、お客さんにも絶対いいプラスが出て、顧客満足にもつながる。
顧客満足を得るのは、前回話した「お客さんの期待を上回ること」というのは、私は保険業界に入る前の、旅行会社時代の時から、お客さんの期待を上回ることをしないと、絶対成績は上がらんわ、とずっと考えていたん。ところが靴すり減らして歩くのが嫌いで、アポイントの電話をするのが嫌いで、人にだれだれさん紹介してください、とコネを作るのが嫌いで、そんな奴がなかなか成績上がらないです。
で、どうやったら数字が上がるか考えたら、電話しない、靴減らして歩かない、紹介お願いしない。どうすんねん。向こうから、お客さんから言わせるしかない。
お客さんは、期待を上回る仕事をしたときしか、それは言ってくれないんですね。それをずっと昔から考えてて、この前墨田さんが「非常識になる」とおっしゃったので、あ、それやそれや、と改めて思い出したということです。
環境を整えて喜んで働く場を作って社員が満足して、お客さんに満足してもらって、期待を上回ったら、マーケティングがいらなくなる。
何回か前、先生も、Facebookに、マーケティング不要、マネジメント不要って書いておられた。あ、それそれ、って。社員が満足して、お客さんも満足してくださるとマーケティング不要になる。社員が満足すると、社員が社員を呼んでくる。ええ奴を引っ張って来てくれる。そしたら、本当に先生の言うところの、マネジメント不要になる。
うち、今8人の社員がいるけれど、みんないい奴。

保険の代理店25社取り扱っているので、25社の営業マンが、売ってくれ売ってくれって、しょっちゅう来る。話を聞いていると、よその代理店へ行くと、お前んとこなんであんなチョンボするねんみたいなことを、保険会社の営業マンに怒鳴りつけたり、ぼろかす言ったりするところがある。
最近の保険会社の営業マンは、20代の女の子とか多い。おじさんに、これ、売ってもらえませんか?ってあんまり知識もないけどお願いしに来る。怒鳴りつけられてうるさい帰れ、とか言う人が多い中、うちの連中は、全員、ま、コーヒー飲んで行きな、とか、お昼食べるしお弁当一緒に頼んだろか、とか言って、一緒に食べたりして、絶対に怒鳴ったり怒ったりしない。

そういう非常にいい環境で仕事させてもらってるんで、いろんな人が集まってきて、俺も入れてもらえませんか、いうて、来られる。そしたらどんどん増えていって、マネジメントも不要になっていく。顧客満足を高めれば、マーケティングも不要になる。
だけど、その7Cは、マーケティングの会社なんですけど(笑)。さらに上を、層の違うところをターゲットを作ろうということで。

今までいろんな選択をしてきて、今までいろんな選択を間違ってきた結果が今があって、今もアヒルが水面下で足をバタバタやってるのと一緒で、今ここから上は、ちゃんと落ち着いているように皆さん見えるかもわかりませんが。
どうですか今日。僕の顔色。

【銀河】
いいと思います。ちゃんといいと思います。

【緑山】
僕今日ちゃんと発表せなあかん思って、今日ちゃんと眉毛書いてきたんですよ。
(一同長めの大爆笑)
実を言うと。りりしくないですか?
(爆笑続く)

【桜庭】
水島さん、アップで写真撮っといて。
(爆笑続く)

【蒼天先生】
眼鏡忘れたん違うわ。はめてきいひんかったんや。
(爆笑鳴りやまず)

【緑山】
眉毛、強調してきたんですよ。最近ね、ひょろっと伸びてきたりして切ってたら、薄くなってきて。

今まで営業の世界で、お前にはだまされそうやとか、よく言われたし、なんか言いくるめられたな、と言われることもあった。別にごまかしてきたわけじゃないけど、やっぱり今後、二択は、絶対間違わないようにしたい。
それでも間違うかもしれないが、その時も、ごまかさずに、「ああ間違えた」と言えるように生きるということで、今年以降、死ぬまでの間は、「不昧に生きる」ということを意識していきたいと思います。

【蒼天先生】
7CのCは、7つあるんでしょ。

【緑山】
今覚えてないですけど。

(また爆笑)

実は今まで、僕が代表取締役をやっていた会社を、僕の同僚にしてもらって、僕が副社長になって、もうひとり40代の若いヤツを取締役に入れて、こいつが全部考えてくれとるんです。実を言うと。彼が全部動きます。
7Cは、わからない。彼が考えた。僕は登記をした。

【蒼天先生】
しかし、今日3人の発表よかったね。3人とも。よかったわ。

あのね、二択で間違いというのはね、短期で間違ってても、長期的に見たら正解なときあるので、二択で間違うのは、全然OKですわ。と思いますが。

【緑山】
ちょっとほっとしますね。

【黄金】
僕ちょっと言いたいことある。同級生やしね。

ごまかす、ということなんやけど、ごまかしかどうか、っていうのは後でしかわからない。自分の結論出したことを、ごまかすっていうのは、自分に嘘をつく、ということですか?
自分に嘘をつくのをやめる、ということですか?

【緑山】
そうです。

【黄金】
ごまかすこと自体は、いいイメージがないけれども、ぼく最近思うのは、かたいことを決めたらあかんのちがうかな、って思ってて。
ごまかしたらあかん、ごまかしたらあかん、ってぎゅーっと深く考える必要って、固い決意っていうのはあまり必要ないんじゃないかなと思うんやけど。
気持ちはなんとなくわかるんやけど、ごまかすのはあかんし自分にうそついたらあかんし…

【緑山】
幅です。幅。

【黄金】
失敗とかね、その時は判断に自信ないかもしれんけど、よく考えたらあれでよかったんやってのはあるじゃないですか。

【蒼天先生】
なんぼでもあります。

【黄金】
短冊を書くとき、最近思うのは、たいそうなこと書くんじゃなくて、そんなんじゃなくてええんちゃうかな、みたいに思っててね。今年は、スタートはこういう思いでスタートしようよね、っていうような。
気持ちはわかるけど、めちゃめちゃよくわかるんで、あんまり肩に力入れてやるんじゃなくて、自然体で、自分に嘘つくんはやめよな~くらいでええと思うんやけど。
これから先生の年になるまでずっとこれや、っておっしゃったのが気になって。

【緑山】
さっきの、「不昧因果」っていうのを調べているうちに気がついたのですが、
「受け入れる」ということですね。その結果を受け入れる、ということですよね。

【黄金】
そうそう、そういうこと! 自分を否定したらかわいそう。
反省はいいけど、後悔はしたらあかんし、それはそれでええんちゃう、でええんとちがう?

【緑山】
そういうことのほうが圧倒的に多いですしね。

【蒼天先生】
嘘をつくのは、人間しか持ってない能力なんですよ。他人に対して嘘をつく、っていうのはね、その人に対する思いやりなんですよ。だから、他人に対して、悪い意味じゃなくて、
嘘をつく思いやりがあるから、勝手にうそをついてしまう。それはむしろいいことだと思う。人に対する心遣いとか、そういう嘘は、あり得るかもしれないしね。
人の心を傷つけない意味で嘘をつくのは思いやりだし、そういうことは僕はいいと思うんやけどね。
ただ、自分にうそをつくのは別問題。

【水島】
今日は3人とも、愛のある話やったですね。

【墨田】
質問と、感想と。

感想は、結構意外だった。緑山さんが自分に嘘をついてごまかすような人だと全然思ってなかった。印象としては、こういう所では、ずばずばいっぱい言っていく感じではないけれども、仕事をめちゃくちゃやってはるし、遊びも楽しんではる感じがするし、何ら自分に嘘なくやってはるなとずっと勝手に思っていた。逆に今日の話を聞かせてもらって、あ、人を理解するためには、もっといっぱい話を聞かないといけないな、を思った。

で、質問は、自分に嘘をつかない、ごまかさずに生きて行こう、と思われたきっかけは何ですか? いくつもあるんですか? 

【緑山】
あの……
答えを考えたときに質問忘れました。


大爆笑しばし鳴りやまず
冴え渡る緑山劇場


【墨田】
今1番最後に質問したんですよ!


爆笑しながら、みんながが口々に突っ込むので
場内騒然、という音声がしばらく続きました。


【緑山】
えっとね、

そんなことある?
とんでしまうねん

どんなタイミングでこんなことを考えたか? という質問でしたか?

【墨田】
なんでそう思われたのかな、大きなきっかけがあったんかな、だんだん気づいていったのかな? ということです。

【緑山】
自分に嘘をついたということではないんですけど、私今まで、この場で話せないことが、いくつかやっぱりある。すごい深手を負ったこともあるし、今だに尾をひいていることもあるし、そのときに、この業界をやめて行こうとか、転職しようとか、引っ越ししようとか、いろんなことを過去経験してきている。で、その都度、絶体絶命のピンチに陥ってきた。
人生で皆さんも何かあると思うんですね。小さなことも、その場にしたら、絶体絶命のピンチ。
例えば旅行会社時代で言うと、団体旅行の、帰りの飛行機の予約が取れていないのに、出発したロサンゼルス・ラスベガスツアーとかあるんですよ。


何度目の大爆笑タイムなのか、もはやわかりません。この盛り上がり、眉毛メイクの効果でしょうか!


40席。行きのチケットは取れている。帰りはまだ、何パーセントか、オーバーブックの状態なのに、出発した。帰り、やっぱり、乗れなかったんです。ラスベガスからロサンゼルス経由で帰ってくるやつね。ラスベガスからロサンゼルスには行ける。ロサンゼルス―大阪が取れてない。ミニマムコネクティングタイムといって、120分くらい乗り換え時間がいるんです。
そこで奇跡が起きるんです。ラスベガスの空港で、ツアー客のおひとりが、迷子になられた。添乗員が、飛行機をぎりぎりまで遅らせてくれ、と航空会社に頼んで、20分待ってくれた。で、おばちゃんが見つからないので、もうひとりの添乗員を残して。38人でロサンゼルスへ飛んだ。ロサンゼルスの空港で、国内線から国際線へ移動した。みんなを走らせたんです。
実はその時点ではまだ搭乗券を持ってない。走ってもらって、ゲートに着いたら、目の前でドアばたん、と閉められたんです。で、あのおばちゃんのせいになったんです。

奇跡か?
お客さんにいつ言おういつ言おうと…… とかですね。
誤魔化してるわけじゃないですけど、こわいですよ。

20人のバンコクツアーへ行くときも、出発の2日前に、自分のパスポート見たら、残存期間が、あと2週間くらいしかなかった。国によっては、3ヶ月とかいるんですよ。自分のが2週間しかないのに、入国させてくれるかな、という。
代わりを頼むことも不可能で、そのまま行った。50ドル、50ドル、100ドル、200ドル、500ドル身に着けて、ちょっとずつ賄賂で行こか、と思ったら、入れてくれた。
絶体絶命のピンチって、皆さんあるじゃないですか。そういうのをいくつもいくつも経験してるんです。まあそれも選択ミスもあったけど、今でもそういう絶体絶命のピンチ、アポ忘れてたとか、ダブルブッキングしちゃったとかね、あるじゃないですか。その都度、なんかクリアしてきてる。その時に、あ、なんとかなったわ、と思っちゃう自分がいて、で、それは、恐らく、誰かが、手助けしてくれている。
ラスベガスで迷子になってくれたおばちゃん、バンコクの空港のイミグレーションのスタッフ、そうやって誰かが助けてくれているのに、全然感謝が足りない。そこなんですよ。全然感謝足りない。皆さんに感謝して、それをすべて反省の機会にしていこう、そういう積み重ねです。


けらけらくすくすと、いろんな笑いがあちこちで重なり合っていました。


【桜庭】
いいお話だったと思ったんですけど……、面白い話?

【黄金】
さっきの発言取り消すわ。


大爆笑×大爆笑


【緑山】
案外深く考えてるんですよ。

【銀河】
そのツアーはどうなったんですか? どうやって帰国しました?

【緑山】
7時間後のホノルル行に乗ってもらいまして、ホノルルで一泊して、翌日ホノルル-大阪ファーストクラスとビジネスクラスに全員振り分けて、乗せました。皆さんハワイ観光つきましたから、とか言って、夜11時にホノルルについて、朝7時に出たんです。


以降、ずっと笑い声の絶えない中、終了に向かいました。


【銀河】
ごまかしてるやん。
おばちゃんも追いついてもらえたんですか?

【緑山】
おばちゃんもロサンゼルスに2便くらい後で来ました。おばちゃん旦那に殴られてました。
ラスベガスの空港、めちゃくちゃ広いんですよ。あちこちにスロットマシンあるしね。

【桜庭】
すみません、面白い話だったんですけど、5時までに会場を出ないといけないんですよね。
時間が…

【緑山】
墨田さん余計な質問するからやん。

【墨田】
すいません。

【緑山】
あ、人のせいにしたらあかんかった。

【蒼天先生】
これもね、緑山さんの人徳ですわ。人徳から生まれた偶然というかね。あるんですよそんなこと。どっちかというと、強い星のもとに生まれた人っているやん。やっぱりそういうタイプなんやな。悪運が強いというかね。悪運も能力のうちですわ。と僕は思います。


これほど笑いに満ちた発表は、初めてでした。
自宅で文字起こしをしながら、げらげら笑いが止まらないものですから、家族が、「百年企業研究会って、そんなに笑うもんなの?」と驚いていました。

緑山さんの武勇伝をお聞きしていると、「絶体絶命のピンチ」も、みんなを楽しませるネタになっているなと、いつか自分もそんな風におおらかになれたらいいなと、だいぶ気持ちが軽くなりました。

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