読むドラマ(議事録)

相手を知ることは、自分を知ること。
年齢も業種も異なる経営者たちが、月に一度つどう目的はただ一つ。
決して一人ではたどり着けない月面「本当の自分」に降り立つため。
これはそんな経営者たちのリアルなやり取りから生まれたドラマ(議事録)です。
(禁:無断転載)

 第151回 百年企業研究会内容(2021/10/14)

開会の挨拶

【蒼天先生】
9月はお休みで、2カ月ぶりの開催となりました。
みなさんこんにちは。お久しぶりです。
今日は欠席の方が多く、ひっそりとしています。

では今回、151回、例会をはじめます。

 

1分間スピーチ

【白石】
コロナ感染者が社内から出て、先月欠席したが、本当に大変だった。
最初1番に感染した社員は、2週間ぐらいで仕事に出てこられたが、その社員から次に感染した社員が、最初ホテル療養から状況が良くなくなって、結果病院に入院することになった。9月の最後まで入院していて、先週からやっと全員が復帰して仕事ができるという形になった。
その間いろんなことがあり……。
体力的にはどうってことなかったが、今ものすごく精神的に打ちのめされた状態。
今回課題発表の中で言わせてもらおうかなと思っていて、答えが出ないところにいる。この1ヶ月半ぐらいはそんな感じでした。


【墨田】
私はこのひと月の間に、人生初めての痛風に見舞われまして。
コロナとか大変な中で、なさけないなぁ、という感じであんまり言いたくないが。
原因は、お酒の飲みすぎで、尿酸値が9まで行ったこと。
1週間きちんと一切お酒を辞めて薬をきちんと飲んだら、正直なもんで、よくはなりました。
それから気をつけるようにしていますけれども。何がというオチが全くないです。
本当にこれだけ歩けない、ということの大変さとか、よくそれを思いました。


【銀河】
母が入院して、父が昼間、我が家に滞在する日々。悲惨な感じに言いながらも、父と散歩に行ったり、おしゃべりしたり、後は父がなんだかんだ言うことを聞いたり。あとはうさぎと車に乗って病院に行ったり。私自身はそんなに苦痛とかなくて、痛風に比べたら全然大丈夫。

父がうさぎの病院に行くにもついてくる。うさぎを入院させて、父を横に乗せて、本屋に行きたいというので、京都ファミリーの大垣書店に連れて行って。
84歳、腰が痛くてトイレが近いので立ち読みができない。で、本人はすごい読みたいし、本屋大好き、立ち読み大好き。でも、コロナでここ2年ほど外出していない間に、思ったより体力が落ちていて。立ち読みができないことにすごい落ち込んでしまって。
やばい!帰りの車中も、すごくしょんぼりしていた。
車で四条通から天神川を渡って、天神川三条のところの踏切があって、そこで私止まったんです。
踏切で遮断機が降りてきて、嵐電が通過した。あー! 菖蒲さん! 菖蒲さんの嵐電カラーのお話を思い出して、電車を見て、「これが京紫!」ってなって、ちょっと嬉しくなった。

もう一つ、そういう日々の中で、ドラフト会議があったじゃないですか。
私、プロ野球なんて一切興味ないんですけど、今年はうちの長女の幼馴染で、長男の後輩にもなる子が、プロ野球目指して頑張ってて。今年4回生でプロの志望届を出して、注目選手ではあったんで、みんなでどうやどうや、ってなって。北海道日本ハムファイターズが8位指名で。プロになったんですよ!キャー!!ってなって。今、京北がざわついてて(笑)
家族で親しくしてる子なんで、すごい嬉しいです。
やっぱりスポーツは人を元気にする。

【水島】
墨田さんの痛風がきっかけではないんですけれども、最近お酒を辞めまして。
完全に辞めてはいないけれど、家にあるお酒を全部飲みきってしまって、もう買わないという。家で飲むのを辞めた。新しく買わなければ家にはないので。
飲みたいけど飲まないということにして、1ヶ月ちょっとぐらい続けてるんですけれども。
だから何ってわけではないんですが、体調的にはいいかな、と。
夜に12時とか1時とかに仕事が終わって、なんか飲みながら食べながらしてたら、腹が出てきたな、というのがあったんで、このままいくとまずいというので辞めたという感じ。
あとはしょうもない話なんですけれども、歯ブラシを電動歯ブラシに変えたんですよね。
それまでは、奥さんが電動歯ブラシ使っているのを見ていても、「電動歯ブラシなんてちゃんと磨けるんかいな……」と思ってたんですよね。でも変えてみるとめちゃくちゃいいんですよ。
これいいんや!と思って。思い込みってあかんな、と思ったという、そんな話です。

【墨田】
電動歯ブラシ、家族みんな使ってますけど、嫁さんは電動歯ブラシにして、歯医者に行った時に、電動歯ブラシ使ってから褒められるようになりました。
むちゃくちゃきれいになってて、「何しはったんですか?」って聞かれたと。

【水島】
何かめっちゃ磨けてる気がするんですよね。
手で磨いていたのはなんやったんや、という感じで。

【緑山】
メーカーは?

【水島】
パナソニックか何かやったと思います。(嘘でした、フィリップスでした……)

【緑山】
マルマンの電動歯ブラシというのがあって、250円ぐらいであるんです。
3本買って使って、何や大したことないな、と思ってたんですけど、安いやつはあかんのですかね。

【水島】
でもだいぶ安くなってますよ。前は何万としてましたが、何千円で買えるので。

【蒼天先生】
みんな使ってはるんですなぁ。

【藤崎】
いや、気持ちいですよ!

【蒼天先生】
前から言われてるんやけど……。

【水島】
そうでしょ!その思い込みが……(笑)楽だし、きれいに磨けるし、いいですよ。

【蒼天先生】
僕の場合は年齢とともに歯が劣化してるから、怖いんよね。

【水島】
手でやるほうが強すぎるんですって。ガッと歯を磨いてしまうんで。

【蒼天先生】
鉛筆の持ちかたで磨いたらいいんや。

【白石】
僕は利き腕と違う手でやったりします。

【銀河】
それは一人一本持ってるの?

【水島】
うちは一人一本ですね。
まぁそんなことで、電動歯ブラシ、ぜひ試してみてください(笑)

【銀河】
今日イチ盛り上がった(笑)


【黄金】
体のことでいうと、僕もお酒を飲んでないので、体重もかなり減ってきてるからありがたいんやけど。あるお客さんに会いに行ったら、「お前、病気やろ」って言われて。ちょっと痩せすぎやって言われて。そうかな、と思って一応検査行こうかな、と思ってますけど。睡眠もちゃんととってるし。すこぶる健康です。次飲む酒が怖いな、というのはあるぐらいで。

あとはですね、最近家に帰っても会話がないんです。
(一同笑)
嫁はんと娘が会話していて、娘は用事がないと話さない。
昨日ゴキブリが出た時に「お父さんお父さん!」と言って、そういう時は引っ張られるんやけど、それ以外では娘とは会話もない。
3人でいる時は会話できるんですけど、嫁はんと2人になったときにはまたこれが難しいんですわ。なかなか話することがなくて。
それでみなさん、どんな会話をされてるんかなと(笑)
お聞きしたいなと思ったりするんですけど。
(一同笑)
しかしながら、コロナ禍で家にいて過ごし方というのがなんとなく身についてきて、無視されていても居場所を作ることが出来たから、急にそんなことを感じる今日このごろです。


【緑山】
私はですね、この夏ぐらいから仕事が何か精神的余裕が徐々に出てまいりまして。
今日来る時、一分間スピーチ何喋ろうかな、と思って、何も思いつかなかったんですけど、なんで落ち着いてるんやろうと思ったら、7年ぐらい継続して勉強してきたことがあって、その勉強してた勉強会が社団法人になった。
そこで資格試験があって、勉強してきたことを試験されて、一応合格したんです。
62歳になって試験を受けましてですね、その試験の問題が、「日本の経済が発展していくためには何が必要か?」みたいな抽象的な話だったりするんですけど。
それで資格をもらったんですけど、その資格が「日本中小企業継続支援士」っていうやつなんですね。
実際、試験ビジネスみたいなのが世の中にあるんで、それに近いものだとは思うんですけど。
まぁ62で試験を受けて、資格を取って、それで今まで勉強してきたことをお客さんと話をしていくと、なんかやっぱりどこか自信がつくんかな、みたいなことがあるんやな、ということで。
たまたまお客さんで、上場企業の社長がいたんですけど、その社長が6月で退任されまして。
「緑山さん、仕事何しようかな。ちょっとお遍路行ってくるわ」っていうて四国へ行かれて、帰ってこられた先週「何しますの?」て聞いたら、「どうしようかな」って言わはるんで、「うちの会社来ます?」っていうたら、「行かせてもらおうかな」言うて。上場企業の社長がうちの社員になるかもしれん。
それがさっきの精神的な余裕につながってきてそういう話が出せたんかなぁ、と。
まぁまぁいいように回ってきているかな、というふうには思う今日このごろでございます。


【蒼天先生】
皆さんの話を聞いて。
お酒の話。
お二人飲んでおられませんが、私のところは一升瓶がすぐなくなってしまうから、3リッター入ったお酒を通販で買うんですわ。
3リットルを蛇口から出るようにしている。それを3箱買うんですわ。だから9リッター、まとめて買うんです。それが一番僕に合ったお酒やから。
そんなことで、お酒は辞められまへん。
(一同笑)
8月に入院した時に10日間辞めました。
入院の前は薬飲まないといけなかったんで、合計3週間ぐらいは止めてました。
退院して飲み始めた時はちょっと気になったけど、2日目からは全然関係なし(笑)
またもとに戻りました。
やっぱり、お酒は体のためにいいと思う。
(一同笑)
血液検査する前の日でもお酒飲んでいくんやけど、それでも全然大丈夫。
親からもらった強い肝臓のおかげかなと思ったりしてるんですけれども。
私の人生からお酒は絶対に取り除けません!
(一同笑)

それから、奥さんとの会話がないという話。会話する方法教えてあげましょか。
簡単なこっちゃ。家でドジばっかりしていたらいい。
そしたら怒られてばっかりになる(笑)

【黄金】
それは今でも怒られてます(笑)

【蒼天先生】
さて僕も病気の話をします。
今回なんでこの病気になったんかな、と思って調べてたら、結局若いときに無理したことが祟ってるんです。
若い時には、若いから何でもしますやんか。そういうものがこの年齢になって、今になって出てくる。これか、と結論が落ち着いた。
みなさんも、もう手遅れかもしれませんが、今からできるだけ無理をしないように。

一番大事なことはね、水島さん、先程12時まで仕事してるって言うてたけど、あかん、そんなんしとったら! 規則正しい生活をする、ということです。
藤崎さんもですね。

今ものすごい規則正しい生活をしてるんです。体調はものすごいいい。絶好調です。
睡眠時間は普段は6時間弱です。朝4時45分に起きます。
規則正しい生活をする大切さ、やってみて3,4,5,6年経ってはじめてわかります。
それがすごく大事。だからしばらく前から、時間割を作ってやっている。

できる方は、黄金さんなら早く帰るって言うことだったけど、帰ってからの時間表を作っておくといいと思います。
帰ってから、朝出勤するまでの間の時間表を作っておく。流れに沿って仕事をするのは一番悪い。時間表を作ると、体調がよくなるし、酒も飲めるし、快適になります。
一回やってみてください。

【黄金】
ありがとうございます。

【緑山】
えー、1分間トピックスがだいたい3分(笑)
(一同笑)

なんと和やかな1分スピーチだったことでしょう。
リモート参加の白石さんごめんなさい。「会って話す」を満喫し合っていた感じがありました。人と話すことが、こんなに気持ちを豊かにするんだな、と、笑えてきました。
コロナが教えてくれたこと。きっと私たちは、コロナ前、個性を、自分自身を見失うくらい、他者と密に関わりすぎていたかも。いったんひとりになって、他者と距離を置いて、自分自身と向き合って、そして時を経て、ほどよい距離感で人と関わることの大切さ、心地よさを思い出したのかもしれません。
「リモートは必要、でも人間はリモートだけですべてを解決することはできない」
最近あちこちで言われていることを、心底実感した時間でした。

 

藤崎さん近況報告

【緑山】
それではおまたせしました。
藤崎さん、お久しぶりでございます。近況の報告をお願いします。

【藤崎】
皆さん、ご無沙汰してしまっておりまして。
久しぶりにここに来させていただいて、この景色を見ながら、爽やかな気分かと言うとなんとも言えないですけど。
新たに気持ちを一新して、という感じになっている。

先程の痛風の話。私も痛風をやっているけれど、蕁麻疹が出るので痛み止めが使えなかったので、必死でこらえて辛い思いをした。お酒を飲まないのに痛風になるという。
お酒が強い人はやっぱり体・肝臓も相当強いでしょうから、私は体質的にお酒も飲まないのに痛風になる体質なんで、やっぱり親からもらった体というのはあるんじゃないかな、と思う。なので墨田さんはやっぱり無理をしてるんじゃないかな。
近況報告ということでお時間を取っていただいて、ありがとうございます。
今の会社、私自身に起きていること、今までの経緯、今の心境みたいなところをお話していくことで、なんとなく私がやってきたことというか、なんとなくこんな感じだったんだろうな、ということを皆さんで想像していただけるのかな、と思っている。
悪いところを参考にしていただくというところも含めて、皆さんの中でお役に立てるネタがあれば、嬉しい。

実は私今、少しずつ自由になる時間ができてきている。
今、先生にも指摘されたけれども、お腹も大分出てきてしまって、少しずつ太ってきた。
黄金さんのようにキリッと締まった体になってないんで、情けない限りではあるんですが。

うちには幹部社員が4人いて、彼らが今ヒーヒー言っている。幹部社員は、昔から一緒にやってきた仲間で、僕のやっていた仕事が、彼らのところに下りていっているというところ。
その下の社員、パートナーさん、外注さんは、忙しい時もあれば暇なときもある、という状態。

2019年の夏ごろ、僕の会社の課題が明確になるできごとが起こった。
それは、急にあるお客様からのクレームが発生したこと。初めての経験で、非常に焦った。非常に焦りながらも、このことが、色んな課題に対して向き合うきっかけになった。

クレームに対しては、蒼天先生にご相談しながら進めて落ち着いた部分もあり、また、会社の担当者が一生懸命頑張ってくれて、落ち着きを取り戻し、今はそのお客様と、良好な関係にある。

うちはシステムの開発会社で、プロジェクトマネジメントができていなかったから起こった問題で、それをやっていくことが課題だとわかった。
僕は4人の幹部、昔からの仲間と阿吽の呼吸でやってきたところに、当時、新たに入って来た人たちがプロジェクトを動かしていたために発生してしまった部分がある。そういうことに気が付きながら、じゃあどうやって育てていこうか。
僕らはどんどん老朽化していく一方で、新しい人を入れないと、社内が活性化しない。新しい人たちをいかに育てるか、そういうことが、そのころから僕の中にある。

仕事が非常に忙しいということもあって、課題に向き合ったり、根本的な問題解決をすることができないまま、仕事の忙しさで振り回される部分もありながら、僕の中ではうちの中の課題と言われているものを、確実にクリアしない限り、次のステージに進めないだろう、ということは思いながら過ごしていた。

プロジェクトマネジメントに対する課題をいろいろ進めていくと、その先にある問題が見えてくる。
次々と真因に近づいていくというかな。
現象的な対策から入っていくと、その次に問題が出てきて、その問題の対策をしていくとその先がまた見えてくるということで。

人の採用の問題。社内で起きている課題の解決、対応。そして、売上自体が伸びてきていて、なかなかこの会に参加するのが難しくなったということで、長期間休会させていただいた。
2020年6月から休会し、12月までになんとか立て直す意気込みだった。2021年1月、2月と参加させていただく中で、コロナのこともあって、もう少し私がしっかりやらないと立て直せないということで、休会の延長をお願いして、今日2021年10月を迎えた。

人の採用の問題について。
田舎なので地域柄なかなか難しいが、2020年の春に2名採用して、そのうちの1名が今年の1月ぐらいに退職した。
うちとしては、初めて退職者だったということで、いろいろ思うところはあるが、まぁやはり、うちに辞めていくだけの理由があるだろうと痛感した。
うちの中の問題って、結局「私が行き当たった先ってなにか?」ということになる。
そこが僕の中で大きなテーマではあるんですけれども、やっていく中で、僕自身は新しい人材を入れながら、その人材に力になってもらいながら、特にスーパーな人に来てもらってやっていくのがいいだろうと考えていたが、そう簡単にスーパーな人はいないし、人の採用はなかなか難しい。

幹部を育てることについて
人材採用の経験を経て、僕がやらないといけないのは、4人の幹部をとにかく育てることだった、ということに改めて気がついた。僕たちは阿吽の呼吸で、何をやるのも当たり前のようにやってきた。
彼らにとって、最優先事項は、自分のプロフェッショナルとしての仕事の領域を極めていくこと。
彼らがいかに成長していくか、うちにいる社員のためを思ってどこまで働けているか? 彼らに「社員を育てる」という方向に意識を向けてもらうことが、僕のやらなければならないことだと思っている。
今彼らはパンパンに忙しくなっているが、あえてそうしている部分が僕の中にある。

リーダーシップについて
今年の春、僕自身のリーダーシップについて、疑問を抱いた。
4人の幹部をどう成長させるか? どうやっていくか?
僕が意見を言うと、その通りになってしまうので、できるだけ意見を言わずにいると、リーダーシップが取れない状態になる。
彼らと話をするときに、先に彼らに意見を述べてもらうようにしているうちに、だんだん僕自身が、リーダーとして考えないといけないことが、何なのか、わからなくなってきて。
これまで、あまり深く考えずに自分の思い通りやってきたので、リーダーシップもへったくれもないけれども。

ある勉強会で、リーダーシップについて、自分の中での悩みがある、という話をしたことがある。その時に、「藤崎さん、リーダーとしてどうしたいの?」と単刀直入に言われた。そうだよね。「僕たちはリーダーについていくだけだから、あまり気にしなくてもどんどんやっていいよ」と言われた。
あぁ、そうか、と。
人の意見を引き出すことばかりに意識を向けていて、もやもやした感じで自分自身がリーダーシップをよくわからないものにしていたなぁ、と気づいた。

そこでリーダーシップについて勉強しようと、「宇宙兄弟」という漫画を読み始めた。
そこに登場する南波六太という人間は、カリスマリーダーではなくて、ダメダメ人間なんだけど、リーダーとしてみんなから慕われている。
読みながら、僕自身、カリスマ性があるリーダーでもなんでもないので、なんとなくリーダーとして、みんなを引っ張っていく… というか、道筋をつけてあげられるような考え方をしていけばいいかな、なんてことも考えている。

あれやこれやと数ヶ月やりながら、最終的に、僕自身に自分の時間ができ始め、その代わりに幹部が非常に厳しくなってきた、という現状になっている。

彼らをサポートしながら思うのが、やっぱりスペシャリストなので、どうしても自分の仕事を手放せないんだということ。
どうしてもこれはほかの人たちには任せられない、という意識が強くなっている。
僕自身が彼らと対話しながら、いろんなフィードバックしながら進めていく、っていうことが僕自身に必要なことなんだろうということを考えながら進めています。

いろんな課題はあるが、根本的な問題「私がやらなければならなかったことは人を育てるということ」「仲間たちをいかに成長させていくのか」というところに行き着いた。
ただ、彼らを成長させるというようなところになるには、僕自身がもっと成長しなければならない、というのは非常にあって。「組織を見ると、リーダーが見える」、と言われたこともある。

好きなこと・楽しいこともあるんですが、僕がやっている業界の仕事は、こないだ長野県の中のシェアを数字で表したら、86%ぐらいシェアがあって。
改めて僕自身が長野県の中で一番だ、という話はできるなと思っている。
その中で、僕はどういう生き方をしたいのかな? ってずっと考えていると、昔からそう思っていたかもよくわからないんだけど、経営者として、人として立派である生き方をしなければならないと、感じています。

なんとなくの思いとして、生まれたからには何か残したい、という思いはある。
その中で、そういう人としての生き方・経営者としての生き方を僕はしていくことで、死ぬときに後悔しないんじゃないかな、っていうのを今は思っています。
ちょっとすいません、そんな思い・心境を、自分の中でいろんな社内的な問題とか、僕自身の問題とかを考えながらやってきて、自分の思っていることはそんなところかなという感じがしている。

まとまりづらい話だったが、休会させていただいて、現状どんな心境でいるのかな、というようなところを、ニュアンスだけお伝えできればなというところで、終わりたいと思います。

 

藤崎さんへの質疑応答

【緑山】
藤崎さんの今のお話は、私には2割しか理解できませんので(笑)、銀河さんに通訳をお願いしたいと思うんですけど。

【黄金】
僕行きます。藤崎さんの物の考え方、ロジックでいくと、 楽しくなさそうですよね。

『人生せっかく生きているんだから、何か残していきたい』という言葉があった。でもそんなことはどうでもよくって、『楽しく一生を過ごす』とか、『幸せに過ごす』とか、そういうふうにしないと、藤崎さん一生迷路迷い込んだまま、終わってしまう気がする。
人間どうあるべきかなんて、そんな答えなんてないから。もっと楽しく。

リーダーシップも同じで、もっと楽しくやってないと人がついてこない。
トップが楽しくやっていたら、それがリーダーシップになるんだと思う。
だからまずは藤崎さんが楽しく仕事をしないとダメだと思う。


【藤崎】
今やっと、迷路のその先が見えたっていうところで。
今楽しいか? って言われると楽しそうに仕事はしていないと思う。

【黄金】
迷路のその先が見えるかどうかなんて、どうでもいい。勝手に見えてくるんですよ。
答えなんかないんだから、それを探し出したら迷路から出られなくなる。

お話の中で、『前よりも楽しくない』っていうところが一番気になった。リーダーシップなんて、理屈で引っ張ったらダメだと思うから。

【藤崎】
たぶん僕は、課題っていうところが一番先に出てくるんですよね。 だから楽しくない感じが出てきちゃう。

【黄金】
課題ってどうでもいいじゃないですか。

【藤崎】
どうでも良くないところに僕は突っ込んでいっちゃってるんです。

【黄金】
課題なんか解決したって、後から後から出てくるんだから。そういう考え方のプログラムを1回リセットないと。 もう人生の半分ぐらい過ぎているのだから。なるようにしかならないんだから。

【藤崎】
自分の頭をどう切り替えたらいいんだろう? というところに、今引っかかっています。

【黄金】
それは理屈で考えたらもう無理。

【蒼天先生】
前は楽しかった、今は前より楽しくない。
ということは、結局、自分の殻の中に閉じこもって、外の世界が見えていない。
休会せずに、毎月ここへ来ていたら、きっと、もっと早く気が付いていたと思う。
組織がどう、とか、成長がどう、とかそういう話が出てきたけれど、本質がわかってないなと思いました。
藤崎さん、成長って何ですか。

【藤崎】
できないことができるようになる、それが成長だと思っています。え、違います?

【銀河】
私にとって、成長とは、「自分」そのものに気がつくことと、「自分が納得できることとは何か」ということに気がつくこと。
「こうするべき」、じゃなく、「こうしたい」、が最優先事項。
じゃあ「こうしたい」というのはどうやって決めるか、どうやって見つけるか、というと、「どうしたときに、自分が納得するか?」というという問いに答えるということじゃないかと思う。伝わりました?

【藤崎】
なんとなく。

【銀河】
私の些末な例ですが……。
仕事が山盛りあって、おじいちゃんおばあちゃんがややこしいこと色々言ってきて、母が入院して、父がワイワイ家に来て、うさぎは病気になったと。
そういう時にどうしたらいいのか? 何が最優先か? 
「どう決めていったら、自分が納得できるか」か、という観点で考えていくとすっといきました。
それは、「人として正しいか」「命を大事にしているか」 これが最優先事項を決める判断の基準でした。
なので、仕事を放しました。申し訳ないけれど、謝ったら済む。うちのパンを食べなくても誰も死なない。でも今私が動かなかったら、死んでしまう人やウサギがいる。
そういうことが選択の判断基準で、自分の生き方として、自分が納得しているので、誰になんと言われても、まったく気にならなかったし、結果仕事も含め、全部うまくいきました。

【蒼天先生】
さっき黄金さんが言った『楽しくしないといけない』という話で、帰って明日から楽しくしようと思ったら、最優先で何をしなければならないと思いますか。
例えば銀河さんだったら、人の命が最優先だと言うことですが、藤崎さんが楽しくするためには何を一番にすべきだと思いますか? それがすぐに回答できなかったら、まだ苦悩は続きますよ。僕が藤崎さんの話を聞いていたら、その回答はないと思う。

【緑山】
ぼくが藤崎さんの今の立場だったら、黄金さんに、「今日京都泊まるから付き合ってくれ。もう仕事を投げて今夜ちょっと僕に付き合ってよ」っていう行動を間違いなくとると思う笑

【蒼天先生】
僕は別の解答を持っている。話を聞いてわかった。ものすごくシンプルな答え。何だと思います?
仕事を減らすことです。
最大のネックは仕事が多すぎること。 心に余裕がない。 だから、楽しくしようとしても無理。「人を育てよう」なんていう発想が出てくる。
シェア86%なんて高すぎる。今までの考え方を全部捨てる。それが今まで全然できていない。 今までの藤崎さんの考え方だったらこれからもずっとこの状態が続く。来年も再来年も。そんな人生やめましょうや。

人間は育てるんじゃなくて勝手に育つんです。何したら育つのか。一人一人が生まれ持った能力があるわけです。A 君は A 君の B 君は B 君の能力がある。その能力を把握して、活かすような仕事を与えることがリーダーシップ。社長の仕事です。それが、全然できてない。
それをやろうと思ったら、仕事を半分にしなければいけない。仕事に追われていたら、そういう社員の能力を見抜けません。暇になった時に初めて見抜けます。もっと言えば、社員と、仕事の話ではなくて、どうでもよい日常会話をした時に、いろんな言葉、本音みたいなものが、ポロッと出てくる。一番大事なのは一人一人の真の能力、持って生まれた能力、これをきちんと把握することです。だから組織論とか、どうでもいいんです。

【藤崎】
今、私が言っている組織というのは、 個人個人の能力を発揮できる場ということに近い認識がないことはないんです。 ただどこか、自分の頭の中が凝り固まってるところがあるんでしょうね。仕事を減らさないと変わらないだろう、っていうのは思っています。

ただ、ひとつの考え方として、私は、負荷がかかるから、どんどんどんどん新しいものを生み出していこうと頑張る、という部分があるんじゃないかと思うんですね。何も負荷がかからない状態でドヨ~ンとしてるより。
そこが、今までできなかったことができるようになる、成長するということなんです。だから負荷がかかればかかるほど、次のステージに行けるということが僕の頭の中にあるんですね。

【黄金】
そこに、楽しさがあれば。成長することが楽しければいいですけど。

【藤崎】
え、成長することって楽しいじゃないですか。

【銀河】
藤崎さんはそれでオッケーかもしれない。負荷がかかればかかるほど頑張れると言うか。でも、幹部の方、社員の方全員がそう思っているわけではないかもしれない。
藤崎さんの中でそれは常識、ということが、その人たちの中にはそれは非常識だと考えている人もいるかもしれない。

さっきおっしゃってた、幹部が部下に、仕事を任せることができないというお話、幹部の方は自分の知識とか技術を抱えたい、渡したくない、という感じなのですか?

【藤崎】
人に任せて仕事をするというスタイル今までとってこなかったので、自分から仲間を巻き込んで仕事をするということが今のところ不得意ということです 。

【蒼天先生】
今までやる人間がいなかった。僕も経験があるけれども、多忙で任せられる時間がなかった。そんなところではないですか。
あ~、もっと早くこの会に復帰していたらよかったのに!

【藤崎】
ただ、こうやって悩んでいることがとても大事かな、とも思っていた。次に進むことが何か見えてくるだろうと。

【蒼天先生】
今日の藤崎さんの話を聞いて、楽しいと思って聞いていた人はたぶんいなかったと思う。

【藤崎】
そうですね、楽しい話はしなかったですね。

【蒼天先生】
楽しい話をしなかったから、聞いているほうも楽しくない。
この状態で、来年まで継続していったら、言葉は悪いですが、化石人間になりますよ。頭が固まってしまう。堂々巡りで、問題の本質が見えないままね。

まず、考え方が変えられる柔軟性が必要です。考え方というのは、何かきっかけがあったら、変わるんです。
黄金さんがそうだった。何かきっかけがあって、さっと変わった。元々経営者としてキャリアがあったから、変わっても成長していけるんです。今までそういう人、この会の中で、辞めた人も含めて、何人かいた。

【白石】
藤崎さん、いつも物理的な成長にばっかりとらわれすぎているのかなと。
できないものができるようになるだとか、何々ができるようになったとかいう、目に見えるものだけが成長ではない、と僕は思う。
僕は目に見えない成長も、一つの進化なのかな、と思っている。

【蒼天先生】
それは僕が最後に話ししようと思っていたことです笑

【墨田】
先生が仕事を減らせとおっしゃること。
僕の解釈は、藤崎さんは、もっと自分の時間を持つこと、自分のことを深く見つめる時間が必要、ということかなと思っています。
仕事が忙しいことは、いいことだけれど、ただ物理的な時間をしっかり確保して、自分のことをもっと深く見つめる時間はあるほうがいいだろうなと。

相当ご自分のことを犠牲にしておられる気がします。僕もかつてそうだったので、本当に自分を大切にしてほしいと思います。
僕はコロナのおかげで変わりました。コロナで時間ができたから考えてそういう答えが出たのかわからないですが、本当にやりたいことをやらないまま、死んでしまうのは嫌だなと思って。 それなら自分の思うように好きなことを1回やってみようと。それで周りから見たら大したことはないけれど、 会社をとにかく綺麗にしたいから、リフォームをしてみようとか。

【藤崎】
自分をすり減らしていると思う。自分をすり減らして得られるものって何なんだろうなって。

【墨田】
自己犠牲だと思う時点であかんと僕は思います。それも含めていま自分は納得して人のために時間を使っているという覚悟があればいいと思います。

【藤崎】
基本的には自分を犠牲にするっていうことは考えたことはないんだけど、自分の方ではなくて、周りの方ばかりに目を向けている、というのはあります。

【墨田】
ものすごく小さいことでもいいから、自分がやりたいことをやったり、買いたいものをかったり、たまには自分を大事にしてあげたらいいと思うんです。

【黄金】
会社でずっと仕事だけをやっていたら、今墨田くんが言ったようなことは、考えられない。空白の時間ができてこそだと思います。

【藤崎】
その時間、余裕を作らないといけない、と思って、今色々背負ってるものを下ろそうと思って休会をして、その仕事を片付ける、ということを大きなテーマにしたんだけど、多分その背中が軽くなってくると、また新しいものを乗せてきている可能性はあるよね。

【銀河】
それ習慣ですもんね。

【水島】
アドラー心理学の「嫌われる勇気」によると。
今置かれている状況は、自分が作り出しているものだ、自分がそれを選択して、その状況をつくっているのだと。それで考えると、藤崎さんは、「悩みたいから悩んでいる」ということかもしれません。だから悩みを解決したくない、悩みがなくなると、新しい悩みを見つけてくる(笑)

【藤崎】
いや、解決したくないわけじゃないけど、どんどんどんどん深掘りされていくんです。

【銀河】
どこかでリセットが必要。でも自分で、自分の方からそう思わないと絶対できないですよね。人から言われて、その通りだと思ったとしても、自分の中でしっかり腑に落ちて、自分から「やろう」と思わないと、絶対に変われない。
だから、他人からそういう話をずっと聴き続けることは、非常に大事かなと思います。

【黄金】
藤崎さんには、今までいろんな選択肢があったはずなんだけど、いつも難しい方難しい方ばかりを選択して悩んできたから。
だから、今まで取ったことのない選択肢を選ぶ、という考え方もあっていいじゃないかと。

【水島】
藤崎さん何かペットとかかっておられますか?

【藤崎】
四年ぐらい前かな、亡くなってしまって、主に飼っていたのはかみさんで、もう(亡くなると)泣けるんで嫌だって いうことで、飼わなくなっちゃいました。

【水島】
うちで今ネコを飼おうと思っているんですけど。
いつもキレキレで、ピシッとしておられる知り合いの社長が、最近 Facebook にやたら猫の写真をアップされるようになって。何か変らはったな、と思って、 たまたま仕事の電話をしたときに、「最近猫を飼い始めはりましたよね」って言ったら「そうやねん‼」と いつもとは違うキャラで、めっちゃ喋ってくださって、「この猫ええよ、絶対飼った方がいいよ‼」って。
猫を飼うというちょっとしたことなんですけど、環境が変わると、それで劇的に変わるんだなと思って、お勧めさせていただきました。

【蒼天先生】
自分の殻を破る、抜け出そうと思ったら、一番いいのは、毎月ここへ出てきて、そういういろんな話に触れるということですよ。そうじゃないと自分の殻ってなかなか破れないよ。

【藤崎】
そうなんです、今まで、そういう話をずっと聞いてきて、でも理解できていない、納得できていないんですよね。

【蒼天先生】
だからね、悩んだら、コンセント抜いたらいい。それができるようになったら一人前ですわ。これ、コンセント抜くの、相当勇気がいる。何が起こるかわからない。

【緑山】
藤崎さんの近況をご報告いただいて、まだまだ議論は尽きないのですが、そろそろ時間ですので、さあ、藤崎さん、来月から毎月来ていただけますか?(笑)
みんなで藤崎さんの問題の課題解決事業、という感じで取り組みましょう(笑)
発表ありがとうございました。
次は白石さんです。

 

白石さんの追加報告

【白石】
現状、「課題・戦略」は書けておらず、そこに行くまでの過程をお話する。

8月例会で、1回目の発表をさせてもらって、本来は9月にもう一度発表する予定だった。

僕は会社で、例会が終わって2、3日中くらいに、例会であったことを社員に話す。議事録も読んでもらっていて、この例会で何をやっているかというのは、社内のほとんどの人間が知っている。この状態で、9月に発表する内容について、社内で話をしかけていた。
最近は、何かとキーワードに「コロナだから」「コロナを機に」という言葉が出てくるが、少しそこからは距離を置いて、かけ離れた状態で考えてみようか、と話していた。

会社のメンバーは、60歳代がひとり、40歳代が僕も入れてふたり、30歳代がひとり、20歳代がひとりだった。
そのとき既に、10月から新メンバーの20歳代が入社することが決まっていたので、新たなスタートに向けて、改めて話をしよう、と提案した。
1番年長の人が、あまりポジティブじゃないことを言ったので、その方には9月いっぱい、というか、8月いっぱいで辞めていただいた。

その間、9月に社員からコロナがひとり出て、濃厚接触者の社員がひとり、コロナになって、その社員が4週間近く経って、やっと復活してきた。
その間に、僕自身が少しメンタルをやられてしまったっていう。恥ずかしながら、初めて、心療内科にお世話になっている状態なので、あんまり前向きなことが考えられていないというのがひとつある。

30歳代の入院した社員というのが、地方から出て来ていて、ひとり住まいをしている。
ホテル待機から、病院に入院になり、下着などを差し入れしたときに、何だかわからないが、彼が自分の子どものような感覚がしてきて、このままこの社員がだめになったらどうしようとか、そういうことを考え始めた。
こんなときに、オレ会社のこととか、これから会社をどうしようとか、考えていていいのか? と思い出したら、もう身体が痙攣するくらい息ができないようになったりした。PTSDじゃないが、適応障害みたいな感じになっている。
あまり前向きなことが考えられない、という中で、10月で会社のメンバー全員がそろった。ようやく、何かしていかなくては、と思っているが、少し今、すごい病んでいます、というのが現状。

その中でずっと考えていたことがあった。藤崎さんの話にも出ていたが、「課題と戦略」っていうと、課題があるから戦略を立てないといけないのか?、戦略を立てないといけないから、課題が必要なのか?、とか、答えの出ない中でずっと悩まされてるみたいな感じになっていた。いやいや、これは違う、と思って、まず「目標」を立てようと。目標を立てるから、課題がはっきりしてきて、課題がわかるから、戦略を立てるんだ、っていうところまではたどり着いたが、今はその「目標」を見失っている状態。

今日蒼天先生が出されたレジュメに、「目に見えない物事」とあったが、今まさにそれにぶち当たっていて、右往左往している状態。だからこれをもう1回しっかり読んで、何かいい答えが出せたらまた改めて発表できたらいいな、と思っている。


【緑山】
ありがとうございます。
白石さん、zoomだったら私は寂しいですね。顔見て話したいなって思います。

【銀河】
なんか、ゆっくりしてほしいです。
無理に元気になろうとか、前向きなことを考えねばとか、そういうところはもういらないという気がする。

【白石】
どうなんでしょうね。人と接するときに、どこまで人に介入していいものなのか、というところに少し悩んでいるところもありますわ。

【銀河】
社員の方に、ですか? その方は、ありがたいと思っていらっしゃるんですか?

【白石】
でしょうね。親元が茨城県なので、やっぱり下着とかそういうのを差し入れしているときに変な感情移入をすごくしてしまって。

【銀河】
白石さんがそうしたいと思ってそうしてしまう、それでいいじゃないですか。
親みたいで、いいじゃないですか。私はハグしてあげたらいいと思う。

【白石】
でもひとまわりくらいしか変わらへんのでね。いや気色悪いでしょ、オッサンどうしが。

会場笑

【白石】
経営者っていうのは、どこまで社員のことをカバーしなあかんのか、とかね。

【銀河】
家族としてみなしていらっしゃる、ということではないんですか?

【白石】
僕はもう、そんな気がしてきて、嫁さんと一緒に、洗濯物とか汚れ物も洗ってあげたりしていたので、こういう、前向きなことを考えることは今なのか? とか思ってくると、自分が、ものすごく息苦しくなってきて、今は彼が復活することが先じゃないの? と思っていたら、すごく深刻になってきた。

【銀河】
墨田さんが藤崎さんにおっしゃった言葉をそのまま使わせてもらうと、「自分を大切にしてほしい」と思います。

【白石】
で、10月から全員そろったので、心機一転できるな、という話をしていたんですけれども、9月はそんなことが全然考えられなかった。
今をどうのこうのしない、というより、早く彼が元気にならないと、と。

【銀河】
「こんな日もある」以上終わりでいいんじゃないんですか?

【白石】
はい、以上終わりです。

【黄金】
今はね、頭で考えないで、ココロで、というか、思うとおりしはったらええのと違います?
経営者として、じゃなくて、一個人としてやらはったらそれでええんとちゃいますか?
経営者として、戦略を考えられないときは、考えなくてもいいし、今の素のままの白石さんでいやはったら、そんでええんちゃいます? ほんとあんまり難しいこと考えたらあきませんわ。だって戦略だって答えあらへんのやしね。100点満点なんて誰も言ってくれないし。それもね、正しいかどうかもわからへんのやし。「今は心の赴くままに、今は頭ではなくてハートで生きていく」のでいいんとちゃいますか。

【銀河】
名言がとびまくってますね。これ、どうしたんですか?

【黄金】
「素のままでよろしい。戦略なんて後でついてきます」わ。

【蒼天先生】
僕が今日発表予定だったメモを見ていただくと、「経営者であるまえに、只の人間である」とある。
みんななぜ経営者とか、そういうことにこだわるのかな? と思っている。
経営者もただの人間ですやん。まずね、人間に戻りましょうや、みんな。特に白石さん。それが、僕はすごく大事なことだと思う。だから、経営者として責任感を感じなくても、人間として、何をしてあげたいのかということを考えられた方がいいと思う。
経営者として何をやるのか、ということと、普通の人間として、普通の人間に対して、何をやりたいのかということ。全然発想が違う、答えも全然違う。そういう視点で1度考えてみられたらどうでしょう? 僕は今、白石さんの話を聴いて感じた。

これはもう、20数年前から感じていたこと。中小企業の経営者と話をしても、全然面白くない。個人としてのその人と話したら、めちゃくちゃ面白いのに。
経営者経営者といって、経営者の型にはまっているから、経営者としての発想しかできないようになってしまう。しかし、個人的にしゃべったら、人間になっているから、色んな話ができるからおもしろい。
まず人間として、社員を見る、ということ。そういう目で見るということですよ。それが基本の基です。
前にも言いましたが。これはリモートのときに、ドラッカーの本をお見せして、その次に「7つの習慣」を見せましたね。ここで完全に、発想の原点が変わった、と。ドラッカーの時代は完全にまず経営ありき、ですよ。あの方の本はいっぱい読んだし、あの方の考え方は理解していますけれどもね。これはもう昔の考え方。「7つの習慣」を読んだときにそう思いました。
そして「非まじめのすすめ」ですよ。あの本には何が書いてあったか。くそ真面目は全然だめやと書いてますなあ。なぜだめかということも書いてますなあ。
やはりね、時代が流れていく中で、社会的な背景の変化というものが、とても敏感に、無意識のうちに、「人の生き方」「生き様」に変化をもたらすのです。
どう変化していくのか、というと、要は「経営(儲け)から『人間』という視点に変わってきた」ということです。
説明しますと、さっき墨田さんが言ってくれたことに尽きる。
「仕事を半分にしなさい」、というのは、どういうことか。
自分に対する時間をとれ、自分に対して、もう少し、自分を見直す時間をたくさんとるためじゃないかな、ということを言ってくれた。
分かりやすく言えば、この発想です。

もうちょっと言えば、
「時間とお金とどっちが大事?」ということです。
それは、「人生とお金とどっちが大事?」ということです。
ひと昔前は、お金だった。今は違う。お金が大事ですか? 人間が大事ですか? と聞かれたら、必ず人間が大事、という答えが返ってくる。そういう時代になっている。
それがわかっていながら、ひとりひとりの行動を精査してみると、お金のために大量の時間を費やしている。結局自分のために全然時間が取れてない。頭の中では「人間が一番大事」とわかっているが、みんなお金のために犠牲になっている。

だからこそ、今の時代、本当に自分を大切に生きてみようじゃないか。
人間的な生活、人間的な人生を歩みましょう。それはもう、経営者云々の問題じゃない。人間として、ですから、生きている人間みんなに当てはまること。

しかしながら、特に中小企業の経営者は、そこの視点がわかっていても、行動としてできていない。しかしね、お金お金と言っていた経営者の方ほど、業績が悪化している。一方、社員を大事にしてきたところは、いい会社になっている。

まず人間に戻るということ。人間に戻ったら、経営者としての行動も変わってくる。人間として行動する。最後は人間です。そこに信頼関係が生まれる。その信頼関係というのは、経営者と社員という信頼関係とは違う。その切り替えがどこまでできるか。どこまで早くできるか。

お金は、結果としてついてくるものです。結局誰が勝つか、というと、お金を持っている人ではなく、魅力的な人が勝つ。魅力を感じる人、より何か憧れる人、楽しい人、そういう人と仕事をすると楽しいから、長続きする。で、結局それをたどっていったら何かといえば、菖蒲さんのおっしゃる「愛」になる。「愛」というのは人を愛おしく思う心。
その気持ちが底辺にあるかないか。
白石さんには、社員に対する「愛」があるから、色々考えるんです。どんな事柄でも、やっぱり究極的には「愛」なんですよ。そこのところで、我々は、仕事の底辺を「愛」というもので考えて行かないといけない。
時代の変遷とともに、我々の考え方、行動、規範、そういうものは変わっていくので、いつまでも同じスタイルで経営していくのは無理

白石さんも、経営者として、社員とどう向き合うのか、という視点ではなくて、人間として、その方と、どう向き合っていくのか、という視点で考えられたらどうかと思いますよ。


蒼天先生、黄金さんともに、とてもとても大切なお話だったなと、振り返ってしみじみいたします。好きとか嫌いとかを超えたところに愛があり、愛というのは、どれほど弱い人間であっても、社会人としてこの社会に適応することが難しい人間であっても、誰でもが、自分自身に対して、そして他者と共に育むことのできる、最強の生き方だと思います。
そして、日々遭遇する様々なできごとに対し、ひとつひとつ丁寧に、「そこに愛はあるのか?」「このできごとを、素敵な思い出にするためにできることは何か?」と自問しつつ向き合い、その最初で最後の瞬間を過ごしていきたいなと改めて思いました。


【緑山】
白石さん、皆さんや先生のお話を受けて、どうですか?

【白石】
ありがたいというか。今全員揃ったので、気持ちはだいぶ楽になっています。だいぶ復活しましたが、9月はそんなことが全然考えられなかった。これは言い訳です。
もう、全然大丈夫です。

【水島】
仕事は今、忙しいんですか?

【白石】
今、無茶苦茶忙しいですよ。

【水島】
無茶苦茶忙しい、っていうのは、白石さん自身のお仕事か、会社として忙しいのか、どんなもんでしょう?

【白石】
会社が忙しいですね。春くらいまで仕事パンパンにありますね。

【水島】
遠山さん自身のお時間は結構取れそうなんですか?

【白石】
僕はもう、6時までしか仕事しないんで。

【水島】
結構時間に余裕があるって感じなんですね。

でしたら、ゆっくりされるのがいいかなと思うんで、皆さん言われてましたけど、あんまり考えすぎて、また迷路に入ってしまうと、なかなか抜け出せなくなりそうな感じもするんで、あーみんなよかったねーというくらいで、退院できてよかったねーという感じで、ちょっとゆっくりされてもいいのかなという気がします。

【白石】
ありがとうございます。

【水島】
白石さんだったら、復活したらまたバリバリやらはりそうやなって思うんで、むしろあんまりやりすぎないようにブレーキをかけるほうが大事かな、という気がします。

【白石】
仕事は全然、彼が入院しているときでも、やってたんですよ。
ただ、彼がホテル療養から入院したときに、酸素マスクみたいなのをしてるシーンを見たときに、ものすごいココロが折れたんです。
息子でも、そういう場面見たことないですし、どうしたらいいのかわからず、何もしてやれない、代わってもやれない、それがつらくてつらくて、その中で前向きなことを考えられなくなって、うっとなってしまったんです。彼にすごい依存してたんだな、と感じました。

【水島】
依存なんですかね?
白石さんの優しさが爆発した感じやなっていう気がしますね。

【白石】
なんかこう、泣いちゃいましたもん。

【水島】
やっぱ優しいですね。
それだけ社員さんのことを思える職場って素敵やなと思います。

【白石】
いやだから、依存しちゃってたんですね。

【水島】
持ちつ持たれつかもしれないですしね。そういう意味で言うと。お互いに。

【緑山】
余計なお話なんですけど。
コロナで在宅やホテルで療養されても、医療保険とか、入院給付金出ますからね。
もらえますから、大丈夫です。もらいもれのないように。

【墨田】
白石さんが心療内科に行くくらいそういう心境になったというのは、白石さんみたいなタフそうな感じの人でも、そんな風になるんやなと思って。
自分自身でもあれですか?
え、おれこんなんなるんや、って思われましたか?

【白石】
そうなんです。
えっと思いました。
オッサンですよ。オッサンが酸素マスクしてただけなのに。

【墨田】
それが鬱っていう症状なのかどうか、わからないんですけど、それは鬱っぽかったんですか?

【白石】
鬱っていうよりも、パニックになってました。彼がこのまま復活できなかったらどうしようとか、もう彼に対してネガティブなことばっかり考えてしまって。
コロナにかかったのは、誰のせいでもないのに、なんでこう、コロナを広げてしまったのか、と思ってしまったり。俺の責任や、と思ってしまって。

今も、自分がコロナの要因、起因になるようなことをしてはいけない、とずっと思っているんですよ。人と会うのもダメだ、と思ってしまっているし。
けどそれは、彼が退院して、仕事に出てきたことで、だいぶ気分は晴れてるんですけどね。僕自身がコロナにかかったらあかん、というのと違って、なってしまうと、誰かに移してしまったりする、誰かに迷惑がかかってしまうとかね、もしかしたら、僕はもう、コロナに感染してるかもしれないじゃないですか。そこでこの会に行ってしまって、墨田さんとかみなさんに感染させてしまったら、当然皆さんのご家族とかそういうなんにご迷惑をかけると。
そうすると、どうしたらいいんや、と思ってしまうんですよ、今。


【蒼天先生】
話題変えますけどね。

孤独感をいっぱい味わっておられるということはありませんか?
ひとりで考えるんじゃなくて、職場の誰かに話をされたりしないんですか?

【白石】
いや、孤独感はないですね。

色んな人に、考えすぎだとは言われるんですけど。そういわれれば言われるほど、ちっちゃくなってしまってるんですよ、今。

僕の中では、社員が酸素マスクしてるシーンがものすごく衝撃的やったんですよ。映像では酸素マスクしてるシーンとか見たことがあるんですけれども、自分に近いところにおる子が、息がしづらい、という状況をみてしまったときに、もうそれがすごく衝撃的だった。。俺は何をしてるんだ、その答えのでない問題にさしかかったようなシーンを見てしまって、それが一番の要因ですわ。酸素マスクをしてる従業員を見てしまった、というのが。もう2度とこういうシーンを見たくないと。

【蒼天先生】
時間が経てばだんだん和らぎますよ。時間の経過を待ちましょう。

【白石】
思い込みすぎてるんですけどね。
誰が悪いわけでもないんですけども、近い存在がそういうことになってしまった、というのがものすごく衝撃的やったんです。近い人間が酸素マスクして息がしづらいシーンというのを見てしまったときに、もう何かすごい衝撃的だった。初めて人が死ぬんじゃないか、っていうふうになったんですよ。初めて、何と言ったらいいかわからない感情に押しつぶされそうになったんですよ。そのシーンを見たときに。

【水島】
その方は今、復活されてるんですか?

【白石】
はい。復活しとるんですよ。けろっと。

【水島】
じゃもう、気持ちが晴れて、その件はだいぶクリアになった感じなんですか?

【白石】
なってます。なんでオレあんなときにそんな思いつめたんやろ、って今思ってます

彼はがんがんに仕事出て来て、たばこ吸ってますしね。

僕が病んでただけかなと。
病んでてその引き金がそれやったんかと。

【水島】
コロナがでて、手続きとか、ばたばたしておられた心労が出たのか、また重なってたのかもしれないですね。

【緑山】
時間がたって、笑い話になればいいなあとは思いますね

【白石】
意外と打たれ弱い自分がおったんで。打たれたことがなかったんで。

【緑山】
先生の発表はまた次回に。
では、総括をお願いいたします。

【蒼天先生】
そうですね。
今日の藤崎さんの話、白石さんの話を聴いて思いました。やっぱり「愛」ですな。経営者という枠から外れて、一人の人間になって生きる。それがね、これから求められていくことだと思いますわ。

殻に閉じこもって、殻から出るのが怖くて、ますます殻に閉じこもる。
その時期が済んだら、化石人間になる。半年前、3年前も5年前も、全然変わってない、変わらない、化石人間。

一番大事なことは、自分を見つめる時間をとらないといけません。
その時間をとればとるほど、自分のことがよくわかる。
意外と皆さんは仕事に追われて、自分をあまり大切にしてない。
で、仕事に追われるということはね、要は、お金の犠牲になっているということ。お金の犠牲になっているということは、人生よりも、お金と仕事を大事にしてしまっているということ。

さっき銀河さんの優先順位の話、とても大切なこと。
我々は一番大事なのは自分の命。命を守るために一番大事なのはなにをすべきか。
自然に逆らってはいけない。自然には勝てない。自然には勝てないからどうすればいいか。お金儲けなんかして、自然に逆らってる訳ですよ。
お金というのは、あとから結果としてついてくるものです。

今、高齢に対する波に襲われている。
10日間入院して、何をしていたかというと、普段読まない本ばかり読んだ。
感じたのは、俺の頭はまだ大丈夫だなと感じた。
身体ってね、今まで元気にしていたのが1回寝込んでしまうと、やはり病人になってしまう。病人になって感じたのは、若い時に横になるときと、歳取ってから横になるのとでは全然違うということ。
70歳前に、何回か手術してるんですよ。70歳はまだまだ元気。だから、70歳までは確実に大丈夫。
僕の場合、75歳までは大丈夫で、ぼちぼちちょっとヤバイなと思いかけたのが77、8、80になって入院したから。俺も歳いったな、と、もうちょっとで年に負けるところでした。
色々と悩みはありますよ。体型が悪くなったとか、不細工になったとか、年寄りくさくはなったかもしれない。頭の中は全然変わってない。
これも自然の流れ。
最近ね、ひとつだけ歳いったな、と思うことがあるんですよ。
つい、2,3年前まで、夜中にトイレに行ったことなかった。
ところがね、最近は夜中に必ず目が覚めて、1回トイレに行く。ひどいときは2回。これはヤバイな、と。これもひとつの年寄りの兆候かなと。

【黄金】
先生、全然大丈夫ですよ。
私だって1回くらいは行きますよ。夜中に(笑)

【銀河】
ほんとほんと。全然大丈夫ですよ。
うちの母なんか、2時間おきくらいに行ってますよ。
全然OKです。

【蒼天先生】
それ聴いて安心。
来月は発表させてくださいよ!
今日お配りしたレジュメは捨ててください。
また、来月になったら、変わっていますから!

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