読むドラマ(議事録)

相手を知ることは、自分を知ること。
年齢も業種も異なる経営者たちが、月に一度つどう目的はただ一つ。
決して一人ではたどり着けない月面「本当の自分」に降り立つため。
これはそんな経営者たちのリアルなやり取りから生まれたドラマ(議事録)です。
(禁:無断転載)

 第154回 百年企業研究会内容(2022/01/13)

【3分以内トピックス】

●銀河
年末に墨田さんから、なぜ役場の職員からパン屋になったの? という質問を頂いた。
パン屋になりたての頃には、よくされた質問だったのだが、もう10年以上経つと、そういうこともなくなったところへ、久しぶりに受けた質問だった。
改めて、なんでだったのかな、と振り返る時間をいただいた。文章に書いていくと、結局今までどうやって生きてきたのかということを振り返ることになって、非常にありがたかった。
今年、パン屋を始めて15年。公務員は11年間で、パン屋になってからのほうが長くなった。そして、過去の公務員生活があったから、今がある、ということも、いい感じで振り返らせていただいて、新年を迎えた。


●緑山
私は何にも変わったことなく、魚釣りにも行けなくて、仕事も変わってなくて、という感じです。
菖蒲さんの気の毒な声、年末に僕も1週間ほど、声が出ない時期がありました、病院に行って、ステロイド系と抗生物質の強い薬を飲んで、声は出るようになりました。本当に気をつけないといけないと思います。
あと、娘の体調が悪くて、今ふたりの孫を保育園に朝送る仕事を仰せつかって、非常に楽しい毎日を過ごしております。
こんなところです。1分40秒ぐらい余りました。


●桜庭
子どもがもう少しで受験があり、受験ママをしているところです。自分も子どもと一緒に問題を解いています。自分も教えてあげられるように、というのと、答え合わせは自分もやったりしていて。
受験問題が、結構おもしろくって、頭の体操にもなります。いろんな傾向が見えてきます。
最近特に、国語の中で多いのが、環境問題とIT技術と今のテクノロジーと、それから人間関係とか、社会問題的なこと、そういうのが結構あります。
そういうことをわざわざ問う、というのは、その学校に入ったら、それらの問題の解決に向けて、常に考えさせるような土俵を準備してくれるのかな、ということを期待したいです。策を与えることはできないと思うけれど。
今の子ども達っていうのは、そういうことを考えながら学校に通うことになるのかな、と思うとなんだか申し訳ないような気もするんですけれども。それでも彼らに託すしかないのかなっていうような思いを持ちつつ、問題を解いています。今だったら私、どこの学校でも行けるわ、と思ったりもしています。
そんなことを結構必死でやっていたので、すみませんが年末の行事みたいなことは一切放棄しました。年賀状も無理、おせちも作らない、大掃除も一切やらないって決めて、とりあえず今やるべきことだけに集中しました。すみません、今年は色んな失礼をしていたと思いますがご容赦ください。そんな年末を過ごしまして、今年はどうなることやら。もうすぐ受験です。


●藤崎
年始の恒例行事として、ここ2、3年ぐらい静岡に出かけることにしています。
(写真を見せつつ)これが日本平と 清水港。長野県の私の住んでいるところから、2時間ぐらいで到着する場所で、日本の海と山と、正月から非常に気持ちのいいところですね。
たまたまなんですが、「平澤寺(ひらわさでら)」という私の名前と同じお寺が日本平にあって。ここを見つけて以来、毎年行くようになり、今年も天気が非常に良かったので、2日に行きました。ここに行って1年に1回のお参りをした、という感じです。
(リフォームされた会社の写真を見せながら)あと、うちの玄関こんな感じです、というイメージだけ、お見せします。

ほんとにホテルのフロントみたいでした!

お正月から、社内に向けて、自分が思ったことをみんなに情報発信する、ということを始めてみました。朝7時に来て、思ったことなどを話します。これも始めてみたばかりで、いつまで続くやらっていう感じなんですけれども。例えばここ最近だと、段取り8分ということで、頑張るきこりの話とかをしています。


●水島
年末、奥さんと子どもが、奥さんの実家の徳島に里帰りしました。2年ぶりのおじいちゃんおばあちゃんとの再会です。僕は猫の世話があるので帰れなかったんですけれども、かわいいなぁと言いながら2匹の猫と過ごしておりました。
正月は奥さんと子どももこちらに帰ってきて、3人で過ごしました。毎年実家の親と過ごしていたんですが、親が熊本に行ってしまったので、今年はうちの家族3人+猫2匹ということでささやかに過ごしました。
おせちは作らず、買ってきました。ひとり用のおせちってあるんですね。3人用に小分けにしたおせちで、ひとり1箱一箱というのがあったので、それを買って食べました。
結構便利だったな、と思います。
今年初めて、会社で新年会をやろうかと企画をして、コロナが落ち着いていたころ、なんとかギリギリ開催しました。2年前、2019年3月から在宅ワークで、オンラインでのやり取りをしていて、2年ぐらいスタッフと顔を合わせていなかったんですよね。今僕を含めてスタッフは4人いるんですが、4人で集まるのが初めて、というような状況でした。
近くの村上さんがやっているJinenさんでランチを食べながら、色々話をして交流しました。
2年間顔を合わさずに仕事するというのも今どきやなぁ、と思いますけれども。まぁでも、会ったら会ったで、違和感なく話せていたので、zoomとかがあってやり取りできていてよかったです。


●墨田
そうですね、私の方は12月の中頃ぐらいから、家出をしてきた次男の同級生を預かってるという……(笑)
向こうの親御さんの母親だけは居場所を知ってるという、すごく今複雑な状態で。
もうずっといるんですね、うちに。
うちは実家と離れがあるので、次男とその子は実家の方の部屋にずっといるという、そんな凄くイレギュラーな状態を続けています。
やっぱり学校とかは、何か早く解決しようとするんですね。
なんで家出してきたのか、おおよそなんとか想像はつくけど絶対に本人は言わないし、向こうの親御さんもそんなに頻繁に電話してくることもなく、母親の方もなんかちょっと他人事みたいな所があったりして、どうしようっていうのを僕ら夫婦とか息子も入れてしゃべったりしています。
僕らの中では、帰すことが目的になったらあかんよな、っていうようなことを言いながら、僕らは全然受け入れて、一緒に生活までは行かないですけど、そんなことしていて、ちょっと心を解きほぐそうと思って、バーベキューしようかとか言ってやったりしてます。
こんなことをしている中で思ったのが、先月先生がお話しされていた「人生は即興だ」というところが、まさにそうだなと。「これ生きてるなー」っていうのを、なんでかわらないけれども実感しています。
なんか目の前のその家出をしてきた子っていうのを、結構受け入れている自分というのも、昔に比べたら、変わったのかもしれないなっていうふうに思ってて、なんか向き合ってる気がしました、というようなトピックスでした。


●蒼天先生
今日は1月例会ですから、例年通り、今年の皆さんの考え方を聞く、短冊の発表で進めたいと思います。
やり方を少し変えます。これまでは、時間無制限でやっていましたが、全員に回るのが半年先くらいになってしまうので、1人20分に決めようと、事務局と話をして決めさせていただきました。
ベストな時間配分としては、1人7、8分でまとめて頂いて、あと20分まで質疑応答すると。そういうことで、20分で、途中であっても切ると。そうすれば1月2月の例会で全員回ると思いますので。
全員発表後、皆さんから共通の課題が出てくると思います。共通の課題を課題別に、3月・4月に議論するという形で進めさせていただいたらどうかな、と思って、今日はそういう時間配分でさせていただくことにしました。

それと、私のお正月は、3日間、いわゆる寝正月です。体重は大分増えました。せっかく減量してきたんですが、また元に戻って、ちょっと困ったなと思ってるんですが。本当に何もせずに3日間過ごしました。来客はあったんですが、それはそれとして、楽しくいつもの通り、のんびりと、ちょっと肥えたお正月になりました。

 

【短冊発表 桜庭さん】 「働く喜びを楽しみに」

●桜庭
去年は「潜龍」で、初めての追試をいただきましたが、結局ゴリ押しして「潜龍」にしました。
今年は、「働く喜びを楽しみに」と書かせていただきました。なぜこれにしたか。私の会社では、丸2年、お客さんがない状態になってしまった。1年目は何となく、まぁしょうがないかな、という感じでしたが、2年目になって、当然焦りますよね。
廃業したり、休職して他のことを始める方がいたり、新しいことを始める方もいる中で、ものすごく悩んでいました。
たまたま去年は、観光庁の助成金というお金をいただきながら、新しいツアーを作っていく事業を実施することができました。今ちょうど、最終のまとめをしている段階です。補助金の締めの期間が迫ってきてるので、報告書、精算書類等を美しく整えて、文句言われたり監査が入ったりするようなことがないようにやっています。
でも、コロナの先の見通しは、まだまだ立たない状況で、もうどうしようかなっていう気持ちは今も続いてます。その意味では、1年前とあまり変わっていないのかもしれません。
いろんな人に、「日本人を相手に仕事したらいいじゃない」とか、「同じツアーをやってたとしても、お客様を変えたり、やり方を変えたらいいじゃない」ということは、何回も言われたし、自分の中でも何度もそうしようかなと思ったこともありました。
でも、ずっと考えてきたのは、何よりも、私は海外のお客様をここにお迎えして、色んなアクティビティを提供する仕事が、すごく好きだ、ということです。今もすごく好きで、楽しいです。
観光庁の予算を使わせてもらって、在日の外国人の方と旅行会社さんをお招きして、テストのツアー、モニターのツアーをたくさんさせてもらいましたが、すごく楽しかった。ホストの農家さん、職人さん、それから通訳さんも同じ気持ちでした。早くコロナがおさまらないかな、という気持ちも、みんなでシェアしていて。
年齢的なことも考えると、これから新しいことにチャレンジするよりも、今すぐには先が見通せない中でも、インフラもまだ整っている状態なので、お客様が帰ってくる見通しはあると信じて、ここに賭けたいなっていう思いがあり、やっぱりこれをやろう、と思っています。
正直それは趣味じゃないかと言われたら、本当にもうその通りだなと思います。
 それでも、「やりたいことを続けて行こう」と思ったとき、これから、もうちょっと楽しく過ごしていけたらいいのかな、そういうふうに思いたいな、と思いました。
事業を拡大したり、成長させていく、という目標を立てるよりも、大事だと。
 久しぶりにお客さんを迎えて、何が1番自分の心に残ったかというと、やっぱりこの仕事は面白い。楽しい。純粋にそこだけでした。
 お客さんを迎えて、いろんなことを話しながら、この地域のことを紹介すること。それが好きなんだと。
 でもそれだけだと農家さんや職人さんは、本業があるから別として、大事な通訳さんたちがすごく困る。彼女たちも、派遣で仕事をしたり、技術を磨いて別の仕事をしたり、大学院で勉強したり、英会話の先生をしたりしていますが、彼女たちが起業なり、何かしらやりたいことがあって、私がお手伝いできることがあれば、応援させてもらおうかなと思っています。
私の発表は以上です。


●墨田
「働く喜びを楽しみに」、ただただ、いいなぁっていうか、逆に桜庭さん、前はあんまりそうじゃなかったのかな? って思ったという感じで。
だからこそ、こういう割と純粋なことばが出てきて、桜庭さんの中で、すごく変化があったのだなあっていうのを感じました。
だから、桜庭さんは、普段から、笑顔がいいな、と思うんですけど、よりもっとバンと花が咲いていくような気がしてしょうがないです。

●銀河
吹っ切れた感じが爽やかです。こちらも嬉しくなります。晴れた空みたいな感じがして、嬉しい気持ちで聞かせていただきました。だから、そのまま頑張って! と思っています。
普通に「好き」が1番です。ほっといてもそれやってしまう、みたいな。もう意志とか環境とか関係なく、勝手に気持ちがそっちに向いてしまうというのが、心から好きっていうことなんだと思います。きっとそれが今やろうとされていることとか、これまでやってこられたことなんだろうなというのを、改めて感じさせてもらって、男前や~!と思いました。

●蒼天先生
あのね、ものすごくよかった。

●桜庭
えー!そうなんですか。久しぶりに褒められた(笑)

●蒼天先生
出てくる言葉が、「楽しい」とか、「喜ぶ」、「面白い」でしょ。それから「趣味だと言われても構わない」という言葉も出た。やっぱり、のめり込むことが仕事の第一条件だと思う。のめり込むっていうことは天職に近い仕事だ。
銀河さんもさっき言ったように、あなたの心は、まさに「青空」、ブルースカイです。非常によいのではないでしょうか。
人生は長い。いい時もあるし悪い時もある。自分のしたいことがある、ということは、またそれにのめり込むことができる、ということは、最高に楽しく、意義のあることだと思うから。
僕は今日の話を聞いて、いや、よかった! 変わった! と思いました。これですわ。(桜庭さんの今年の年賀状を見せる。阿闍梨さんと川口さんが写っている写真) 阿闍梨さんと撮ってる写真ね、いい顔してる。この年賀状を見てね、あ、これで決まりやな、と思った。だからこの道を突っ走って行かれたらいいんじゃないですか。

●緑山
「働く喜びを楽しみに」という言葉、あぁ桜庭さんうまいことおっしゃるな、僕それもらった良かったなと思いました。次に僕、発表するのちょっと嫌だなと思ってるんですけど。
ただ2年間仕事がなくて、でも今後オミクロンとかでどうなっていくんやろうっていう不安は当然お持ちだとは思います。
「働く喜び」、というのが、「仕事がある」という喜びなのか、「自分が動ける」という喜びなのか、いろんな捉え方はあるかと思います。「仕事をさせてもらえる環境がある」ということが嬉しいとか。あと、「仕事をしている自分が嬉しい、楽しい」とか、いろいろ捉え方があって、それ全般含めて「働く喜び」と表現されたのかな、とか、勝手に解釈していました。そのままの言葉をいただいて、僕もそうしようかな、後で変えようかなと思ってるぐらいです。

●水島
桜庭さんは、いつもロジカルな感じで言われることが多いと思っていたので、感情的な面を言葉にされたのがすごい珍しいのかな、と思いました。「楽しい」「面白い」「喜び」、そういう言葉ですね。
吹っ切れられたのかなと。もうええねん! 好きにやるねん! みたいな(笑)。それがすごく潔くて素晴らしいです。
先月「右脳的」という話がありましたけれども、そっちのほうに行かれたというか、理詰めで考えるよりも、感情の方で動いていこうとされているのかなという印象を受けましたので、今までとは違った桜庭さんの姿が見えるんじゃないかと、面白い展開になるんじゃないかなと期待しております。

●藤崎
私も皆さん言ったのと同じで、桜庭さんが変わられたな、というのは非常に感じてはいます。なので、少し方向を変えて事業としてみた時に、2年間まったくお客さんがいないと、事業としては成立しないと思うんですね。
そのことに関して、事業者としてはどうなんだろう? という評価を、今の右脳的に考えて、桜庭さんは、どう評価されますか?

●桜庭
例えば、財務諸表で言ったら P/L は何にもないけれども、B/Sで資産の分もない。なんにもないけれども、あえて今時に言うとしたら「知的資産」があります。
今回、観光庁の助成事業で、新しいツアー、例えば「阿闍梨さんと一緒に歩くツアー」を企画したときに、様々な費用がかかります。阿闍梨さん、通訳さんへの報酬、ツアーにご参加いただく方の、東京からの交通費などなど、です。
そして、阿闍梨様との関係、視察ツアーに参加する外国人を雇用している旅行会社さんとの関係、そういうものをキープするためのお金でもあります。
旅行会社さんたちは、今回、このファムツアー(観光地の誘致促進のために行う視察ツアー)を見ていただいて、すごく喜んでいただきました。コロナが明けたら、このツアーを紹介するから、ということで、よい関係が築けた。
阿闍梨様、農家さん、通訳さん、それら関係者の皆さんとの関係、金額に換算されない資産というものが、かなり構築されていると思っています。

だから、見栄えがするような固定資産は何も持ってないけれども、そういう金額に置き換えられないような資産は持っていて、それが次の条件が整った時に収益の元となる、 P/L の元となるものになるのかな、と思っています。
だから、それこそ屁理屈を返すような形ですけど、何をもって事業とするのかっていうところが、たまたまこの2年は P/L の数字が立たなかったけれども、私の中ではしっかりと今回予算をもらったためにですけど、B/Sの見えない部分をきちんと積み重ねているっていう、そういう自負はあるので。
まぁ条件が整ったら、きちんとそのP/Lは結果として出てくるのかなと思っています。「土台を固める」ようなことをしていたかなと。

私の中では、中小企業診断士という資格が重たくて、自分が今までどうやったら事業を成功させることができるのかっていう頭でその勉強をずっとしてきていたので、立証しなければいけないっていう変なプレッシャーがありました。でもいざこういうことが起きたら全く動けなくなって。
色んなアイデアがあったり、フットワークがあったり、お金があったりしたら、次々他の事をやるっていうこともできたのかもしれませんけれども、結局そうはしなかった、ということは、やっぱり私はこれが好きだった、もうこれしかないな、と気がつきました。そこに目を向けるしかないな、と思う状況になったんですよね。
もう、診断士だからどうこうしなきゃいけないなんて思う必要ないなと。
今大変なのは私だけじゃないし、苦しい業界の人もたくさんいらっしゃる中でも、好きなことにこだわることができる環境に身を置いているので、そこを思ったら、別に診断士だからこうじゃなきゃいけないっていうことはもう考えなくていいんじゃないかなと思いました。

●蒼天
大事なことをひとつだけ。
B/Sは、資産ゼロ、負債ゼロ、がこれから1番いい企業。
あなたもそうだし、菖蒲さんもそうだし。それがベストな企業だと思います。これからはそういう企業がどんどん伸びると思います。

先程言われた知的資産みたいなものね、どれだけそれを蓄えているか。これによってこれからは格差がどんどんついてくると思う。お金は持たないほうがいいと僕は思う。
コロナの問題は、外的な条件だから、仕方がないこと。でも、ずっと続くわけではない。その後にメキメキと頭角を現したらいいんだから。絶対いいと思うよ。
だから皆さんもそうですけれども、B/Sは借方ゼロ、貸方ゼロが一番いいんです。
これからはそういう企業が大きくなると思います。

 

【短冊発表 墨田さん】 「人と向き合う」

●墨田
今まで人と向き合ってこなかったのかというと、そうではないけれど、どちらかというと私はずっと人が怖くて嫌いだった。
社会人になって、仕事に集中するようになると、あまり人と向き合わなくてもいいような気がして、人が強いとか嫌いとかいう感情がまぎれたりして。その場その場で表面的にやってきた気がします。
自分が代表になってから、特にここ数年、やっぱり最後は人と人との関係かなと思うようになって、もっと中へ入っていくと言うか、突っ込んだ関係になる、そこがないと面白くないなという気がしてきました。
「お客様のために」と思ってやっているのに、バタバタしていると、いけないと思っていても作業を終わらせることが「目的」になってしまっていたりしていた。
でも、いやそれは違う、そこでいま、自分は何をしに行くんだろう、目の前に今、ひとりの人がいる。深く関わってみよう、そういうふうに思えるようになってきている。
そうなってくると、案外目の前の人の魅力がわかってきて、一歩踏み込んでよかったな、と思うことが増えてきたので、あ、これかな、と思うようになってきた。

ここ3年ぐらい止まっていた会社のニュースレターがあって、それを再開することになった。コンセプトも変えて、どちらかと言うとお客さんを取材して、記事にしている。やってみると今まで知らなかったお客さんのことが分かって、仕事で味わってきたものとは違う満足感が得られて、嬉しいなと思うことが多い。これが「人と向き合う」ということかなと、意識してやろうと思っている。
なので、今年一年のテーマは「人と向き合う」です。

●水島
最初「人が嫌い」という言葉が出て、悪い墨田と言うか(笑)、本音が出て良かったです。今まで言われなかったことかなと思って、印象的でした。
ただ今までも十分向き合ってこられたと思うので、更に、ということでしょうか? さらに上と言うとどういう向き合い方があるのかなというところが知りたいと思いました。

●墨田
確かに「更に」 というところはあります。
もっと意識して、ということと、その時の気分とか都合で、向き合わないというムラがあったので、それをなくそう、表面だけの向き合い方で終わらせることなく、正面から向かっていこうという意味合いです。 一歩踏み込んで、ということです。

●水島
人というのはどこまでの範囲が入るんでしょうか? 例えばお客さんだけでなくて、スタッフとか家族とかも入るのでしょうか?

●墨田
一番身近なところからですね。まずは自分自身から。次は家族とか会社の中、それから仕事を依頼いただくお客さん、そしてこういうところで出会う仲間たちです。

●蒼天先生
それは少し発想が違うのではないかな?
ここであなたが言う人というのは、いわゆる一人ひとりの人に深く入り込む、そういう意味ではないのかな? 僕はそう受け止めた。だからどこまでの範囲とか、そういうことではなくて、どこまで深く付き合うか、どこまでお互いに心を許して理解し合うか、そういう意味かなと思って。
範囲なんてこの際考える必要はないのではないかな? 今まで作業にばかり時間を使っていたから、その時間を人と向き合うことに使うということではないのかな?

●墨田
そういうことです。

●蒼天先生
まあ当たり前の話だけどね。

●墨田
その当たり前のことをやってこなかったので。

●蒼天先生
人と人とのつながりを深めようとうことはいいことだしね。もちろんビジネスの原点だし。そういう受け止め方でいいんですね。

●墨田
はい。

●緑山
墨田さんに嫌われてたんかと思って(笑)。 「シーカヤック」押しつけたりして悪かったなあとか思ったりもするんですけど(笑)。
蒼天先生がおっしゃったのは、本質をおっしゃったんだな、ということは理解できました。
僕も人見知りはするし、電話は嫌いだし、人に会いに行くのも嫌いだし、営業サイドで言えば、そういうのもある。
でも、生きている間にやることって、すべて人が間に入ることばかりじゃないですか。だから嫌いとか言っていられない、っていうのが本音かな。
墨田さんが「人と向き合う」というのは、最初のトピックスで喋っておられた、家出少年をかくまうという、そのできごとが、更に「人と向き合う」という言葉を出すことにつながってるんじゃないかな、と思うので、非常に良い社会貢献をされてると思うし、別に人が怖くて嫌いだったっていうのは、軽い冗談かなと思っています(笑)。

●墨田
すべてお察しの通りです(笑)。

●桜庭
意外だったんだけれども、わからないでもないなと思いながらお聞きしていました。
いつもお聞きしていると、時間の使い方とか、似ているなと思っています。
今まで、もっと技術面に対する目標の方が多かったんですかね? それが別の方向に、というところですね。
私も作業に振り向ける時間って結構長くてそれこそ人を案内するような仕事しながらも、結局会社の運営のことは自分で全部やらなければならないので、そこに時間を使わざるを得ない部分というのがどうしてもあります。そうするとついつい邪魔くさいなって思うところもありますが、それをしなければ始まらないというところですよね。何が言いたいのかよくわからないんですけれど。まとまらなくてごめんなさい。
意外だなっていう印象です。

●藤崎
今までも、そんなのできてますやん、ってことですか?

●桜庭
草津のお地蔵さんとまで言われていた墨田さん(笑)。
いろんな人の悩みを普通にニコニコ笑って受け止めるっていうのが私にはなかなかできないよなーって。
私も含め、いろんな方がいろんな悩みを藤田さんに相談していたと思うんですね。いろんな話が必然的に入ってくるような、そういう性分って言うんですか、羨ましいぐらい、私にはないなっていうところを持ってらっしゃるので、今さら人と向き合うのかというところで、ちょっとびっくりしたんですけれど(笑)。

●墨田
自分は、受動的な部分はできると言うか、受け止めることもできるし、対応もできるけれど、こちらから積極的に、ということがないんですよ。そこを意識してやりたいと思っています。

●桜庭
道端のお地蔵さんが、今度は救済に走る、そういうイメージ? 動く地蔵(笑)。

●蒼天先生
いや、僕は逆に受け止めた。
今まで動き回っておられたお地蔵さんが、元に戻られた。
なぜなら、この「人と向き合う」という背景は、去年仕事をし過ぎたということだと思った。
仕事をし過ぎたことの反省みたいなもの。仕事ばかりしているということは、作業も非常に多かった。人と向き合う時間も少なかった。だからやっと戻ってきた。そんな印象を受けたのですが、どうですか。

●墨田
どちらかと言うと桜庭さんのような印象かもしれないです。 結局見ているところが全然違ったな、忙しすぎて、こなすことばかりになってるなという、心の余裕の部分かもしれないですけれど。

●銀河
私は共感しかないです。
向き合ってるふりをして結構流してたとか、人から見たら向き合ってるように見えるけど、そこまで自分をさらけだしていなかった、 っていうそういうことかな、と私は思いました。そういうのをやめて、超えて、素の自分でいく、ということかな。

●藤崎
墨田さんって、自分をさらけ出していると思っていますか?

●墨田
最近はだいぶ。

●藤崎
以前は違った?

●墨田
そうですね。

●藤崎
それは人に対して、何らかの壁があったということですか?

●墨田
まあそうですね。

●藤崎
もう人に対して、変な忖度もしないし、突っ込んで行くぞと。

●墨田
はいもう嫌われてもいいかなと思ってます
人のことを深く知っていくと面白い、ということが最近の自分の中で一番おもしろいことなので、どんなことであれ深く知っていきたいなという、単純なところです

●菖蒲
お地蔵さん、墨田さんのキャラクターが走っている姿が見えてしまって。水島さんに、墨田さんのキャラクターデザインをしていただいたらいいな、とふと思ってしまった次第です(笑)。
やっぱり、愛されるキャラクターをお持ちなんだなと改めて確認しました。
人見知り、人嫌いな面があったのは意外でしたけど、やっぱりずっと人から信頼され、愛され、おちゃめ要素も持ったキャラクターを、是非作ってもらって頂きたいです。

 

【短冊発表 緑山さん】 「離の実践」

令和元年「学知貢献」
令和2年「役割を果たす」
令和3年「不昧(ふまい)に生きる(ごまかさずに生きる)」

今年作ったんですけどお見せしたくないです。1ヶ月考えさせてください……。年末年始考えていて、夢にまで出てきて。毎年これが苦痛で仕方ないんです。1ヶ月考えても一緒なんですけどね……。

●藤崎
じゃあ今やっといた方がいいじゃないですか。

●緑山
じゃあ発表しましょうか。
承認得られなくて来月やるのも一緒ですもんね。

●蒼天先生
今回未承認はありません。

●緑山
「離の実践」
桜庭さんは、仕事を通じて人生の喜びということだったじゃないですか。
墨田さんも、人と向き合うという生き方みたいな話ですよね。
私は仕事のことしか考えていないんですね。それが駄目だと自分でわかってるんですけれど、過去3年をみると、昨年は別として、1年目2年目は、仕事のことしか考えてなかった。
今回もやっぱり仕事のことしか考えてない。 これを思いついたのは、正月明けぐらいなんですが、今日のふたりの発表を聞いていて、これではあかんわ、となったんです。

皆さんご存知だと思いますが、「守破離」という言葉の意味です。
基本に忠実に教えてもらったことをちゃんとこなすというのが「守」で、自分のオリジナリティを入れてくる「破」、新たな形を創造する「離」 という話だったと思うんですけど。

40年間営業しかしてこなくて、 昨年墨田さんの発表の時に、「お客さんの期待を上回る」ということを考えてるということをお話しになられて、それは常に僕も考えていたことで。40年間の自分の営業を考えると、進化してきているとは思います。

昨年コンサル会社を作ったんですけれど、その営業スタイルを大きく変えようとしているところです。今年63歳で、いくつまで営業するねん! というところなんですが、蒼天先生の年齢まではやろうかなと思っています。体が動くかどうかは別として。
営業スタイルが変わるし、マーケット自体も変わると思っています。基本を忠実に守っていきながら、オリジナリティを出して、さらに新しい営業の形を作ろうかな、と思っています。それが「離」 になる、と思って「離の実践」ということにしました。

ただやっぱり相変わらず仕事のことしか考えてないんやなぁと思って……。
桜庭さんや墨田さんみたいに、人生観みたいなところに考えが行かないという自分がいて 、営業面ではいいのかもしれないけれど、人生面ではこの短冊が承認されないんじゃないかなと思って発表やめようかなと思いました。

●蒼天先生
僕はこれ、仕事の事だと思わなかったですよ。
緑山さんの生き様そのものだと思いました。何で仕事にこだわるのかなと。これが今年の緑山さんの「生き様」かなと思って。

●墨田
私も同じように思っていて。先生のおっしゃる通りかなと。
営業一筋でまだそれを先生の年までやろうと思っておられる。お金儲けのためだと思ってないよなと思うんです。営業が好きでそれを追求されている。
それを緑山さんは違う見方をしているだけで、自分の他の遊びもバランスをとっておられてとてもいいよなと思うんです。まだこれからも何かをしようということは、それが好きなんだなと。皆さんと表現が違うだけで。

●緑山
先生も墨田さんも優しいですね(笑)。

●墨田
本心ですよ
人生の大先輩なのに、自信なさそうにされているところが、かえって自分の弱さを見せておられるようで、おもしろいなと思います。

●緑山
メンバーの中で自分ひとり浮いてるような気がしています。

●蒼天先生
今日から浮かなくてもよろしいですわ。
この通り行かれたらよろしいです。素晴らしいです。ケチの付けようがありません。

●銀河
お話聴きながら笑っていたのは、おかしかったのじゃなくて……。
「守破離」ってすごいやん。としか思わないですし、笑ってしまったのは、いや、自分の短冊を思い出して、「いやもっと小さいし」という、全然生き方とかの話じゃないから。という笑いでございました(笑)。(お気になさらず!)

●桜庭
最初から型にはまっていない感じがするので、すでに「離」だと思っているんです(笑)。 去年航空会社の話をしていただいたのがすごく面白くて。ああいうぶっ飛んだエピソー
ドがないので今年はまとまりすぎたと思っておられるのかなと。緑山さんの話はいつも大変面白くて。たいしたコメント ではありませんが。

●菖蒲
緑山さん、今年は飲みに行きましょうね(笑)。
きちんと言葉にまとめられているんだなーって。表現がカチッとしてる。
ビジュアルが真面目さを物語っている。お人柄は、型にはまりすぎているとは思わないし、さっき新しい仕事のやり方を考えようっておっしゃっていたので、 その辺もちょっとお聞きしたいです。

●緑山
新しい仕事のやり方について。
保険の営業というのは、いかに人と出会うのか、ということが、仕事の8割なんですね。
電話は嫌い、人に会いに行くのは嫌い、それでどうやった営業してるの? ということですが、自分でお客さんを見つけに行くのではなくて、人に見つけて来てもらう、という、あちこちに自動販売機を設置していくようなイメージです。人が仕事を見つけてきて、私に仕事を持ってくるようにさせる、というようなやり方です。労少なくして、実入りを稼ぐ、というしょうもないやり方かもしれませんが。
いつまでも数を追いかけてはいけない。フォローができなくなってしまう。理想は、法人50社くらいをずっとフォローしていくだけ、という仕事になるかなと思っています。その法人が、人を見つけてくる。私の所に依頼が来る。そういうやり方をしようとしています。
具体的には、今の京都のオフィスに、私を含め、営業マンが9名います。私以外の8名が、自分の手に負えない仕事を、私に「一緒に来てください」、と言ってくる。
兵庫とか、大阪の代理店の営業マンも、わざわざ京都まで来て、仕事を持ってくる。「神戸のお客さんなんですけど、一緒に来てもらえませんか?」「大阪のIT系の社長がいるんですけど、一緒に行ってください」というふうに、自分では探さずに、自分のお客さんは社内にいる、というイメージになっていっています。
ほかには、所属している異業種交流会とか、そういうところで、誰かが見つけてくる。そんなイメージですかね。現にやっていることでもあるのですが、それをもう少し広げていきたいというところです。

●水島
仕事のことばっかり言ってる、とおっしゃるのですけれど、僕からすると緑山さんは、仕事の事も言われるけど、人生もしっかり楽しんでおられる気がするので、両方とも高いフェーズと言うか、レベルで実現されているんじゃないかなと勝手に思っています。
僕からすると全然上のレベルでやっておられるなと感じているし、さらに上のレベルに行こうとされてるのはすごいなと。今まで積み上げてきたものを壊すところもあるかもしれないし、それをさらに発展させるというところを独自のスタイルで作っていくというところがすごいです。
それは緑山さんが楽しいなと思ってやっておられるのか、それとも、必要にかられて仕方なくやっておられるのかというところがちょっと気になりました。

●緑山
楽しんでいます。泳ぐアヒルの水面下では足が高速で回転しているということもあるんですが(笑)。

●藤崎
非常に良い話を聞かせていただきました。私なんか足元にも及ばないなと思って聞いていました。ありがとうございました。

 

【短冊発表 水島さん】 「成長癖をつける」

●水島
昨年は「面白くなるまでやる」にしてたんですが、怒られまして、「面白くなるまでやるとかじゃないだろう」ということ言われていました。
後は本、小説を読むということでそれをしなさいということで頂いておりましたが、昨年は本当にすいません。完全にサボりました、という感じです。全然できてなかったなというところです。本を読んでたんですが、あまり小説とかを読んでいなかったなと思っています。

すいません。去年は完全にサボりました! 読書はしていましたが、小説はあまり……。
今年は、「成長癖をつける」です。

「君は成長していない」よく言われるなと思いまして、それは何故だろう? 色々考えました。確かに、自分で成長した感はないよなぁ、と思いますし……。
アドラーの「嫌われる勇気」をパラパラめくっていたりすると、「(成長しようと)思っていないから、やらない、できていない」という話ですね。
要は心の底から成長したいと思ってないんじゃないかな、と。
実は自分の中に、「現状でいいんじゃないの?」という思いが少しあって。
「完全に現状でいい」とまでは思っていないけれども、どこかでそういう自分を受け入れてしまっている。「激烈に変化したい」とまでも思っていない、というのが、どこかにあると思いました。
かといって、仕事をサボっているわけではない。ちゃんとやっています。
ですが、それは皆さんから指摘されていたように、「作業」というか、「業務」としてこなす、頑張る、そういう意味でちゃんとやっている感じになっている。
だから、「成長のための頑張り」というよりは、「仕事をこなす-業務上のトラブルや問題を解決していく-ための頑張り」、そのために知恵を絞り、学んでいく。そういう生き方をしているのだろうと思います。

会社経営の方は、売上は去年は今までで一番よかったです。補助事業の数も多かったので、ラッキーな上積みも多少はありましたが、その代わり、仕事に振り回されていた感じですね。

そして、会社としての今年のテーマは、「お客様の期待値を超える」です。
お客様に対して、デザインなりを提案したときに、「おぉすごい」という感動を与えたい。
感動を与えるとはどういうことか。適切にお客様の会社を表現してあげる。ブランディングというか、「見せかた」「魅せかた」を適切にやっていく。というところ。もうひとつは、そのサイトから売り上げが上がる、成果が出る、というところです。

そうするためには、自分が成長しないと、それが実現できない。
例えば、先月蒼天先生がおっしゃっていた「見えないものを見る力」ですね。デザインでいうと、その裏側、デザイナーの意図、そういうものを読み取る力。それを自分の血肉にして、仕事に活かしていく。そういう成長。
デザインに限らず、世の中にある、いろんなことに対して、そういう視点を持つことが成長かなと思います。今までは、ちょっと調べて、わかった気になって、それで終わり。そんなことが多かったのですが、それがいかんなぁ、と。

じゃあ具体的にどうする?
今までも言われていて、結局途中でやめてしまっていた「日記をつける」。これをちゃんとしようと。その日学んだこと、気づいたこと、できたことを書いていく。今日は何もできなくて終わり、という1日を作らない。自己肯定感を上げるという意味もある。そういう癖付けをしていきたいと思います。
後は、「1回やってみる精神」の発揮ですね。「これ、自分のやることじゃないよな」ということは、拒絶したりやらなかったりすることが結構あるけど、とりあえず1回やってみようと。
今年1年やってみて、すごく成長して、すぐに結果に結びつくようなことはないと思うけれど、3年、4年、5年と続いていけば、結構いいものになるんじゃないかという気がしています。以上です。

●菖蒲
皆さんのお話を伺いながら、私、今年はおひとりおひとりの会社に、伺ってみようと心に決めました。皆さんと知り合って数年、お仕事の内容も含めて色々知ることができました。私で役に立つことがあるのかどうかはわかりませんが、訪問して、少し踏み込んだお話を伺ってみたいです。
水島さんは、デザインとか、表現とか、そういう意味では、私の仕事と近いところにいらっしゃる。いつもお話をお聞きしていて、水島さんの仕事の範囲とか、発想とか、そういうものは、もっと自由でいいんじゃないかな、と思うんです。だから、1度膝を突き合わせて、お話をしてみたいなと思った次第です。
人生の方は別として、仕事に関して、もっといろんな広がり方があるんじゃないかな。

●墨田
今日の話は、私の知っている水島さんらしさが出ていなかった気がします。
絶対にそんなことないのですが、自信なさげだし、「また、何か言われるのでは?」と思いながら発表している感じだったし……。そんなことない人なのに。
何か型にはまっているというか…、これが水島さん、というのをバーンと出している気がしなかった。飲みにいってるときの水島さんと全然違うし、水島さんがもし、自分のやりたいようにやっていたら、もっと、違う言葉が出てきそうな気がした。成長してないはずもないし。もったいない。もっと、何か気が付けるような言葉を言ってあげられたらいいなと思う。

●緑山
「お客様の期待値を超える」 すごい仕事をしたいというのは、みんな共通のことで、そのために成長するとおっしゃっているので、それはもう間違いのない普遍のことだと思う。
水島さんはめちゃめちゃいい仕事されるし、うちの会社のドアも、値段に関わらず「おーすごい」というデザインもしてくださってるし、さっきの墨田さんの言葉にもあったように、もっと自信を持って、この場でも発言されたらいいんじゃないかと思います。
さっきの僕が言うのもなんですが(笑) 「謙虚さ」と「自信のなさ」は、別物だと思う。もしかしたらだけれども、「謙虚さ」よりも、「自信のなさ」に、取られてしまって、損されてるかも、と思います。
「成長癖をつける」
ご飯を食べたら血となり肉となるわけで、水島さんの一挙手一投足が、たぶん成長にはつながっていると思う。仕事されていること、読書されていること、色んなことに気づけること、全部成長していくんで、成長癖はもう、ついているのではないかと思います。
適当な言葉が見つかりませんが、なんか、もうちょっとええ格好したらええんちゃいますか、と言いたいです。

●銀河
皆さんがおっしゃったように、水島さんはめちゃめちゃ面白くていい人。インスタグラムの猫の写真も、言葉も、全部大好きですよ。
だから、緑山さんもおっしゃったように、何を気にされているんやろう…と感じました。
「謙虚さと自信のなさは違う」のと同じように、「気を遣うのと気にするのは違う」と言いたいです。

●桜庭
皆さんの発言、そうだよな、と思いながらお聞きしていましたが、少し、別のことも考えていました。
私は代理店を通して集客をしているので、少し立場が違うのですが、ほとんどのクライアントさんは、ウェブサイトから、本気でお客様を取りに行かれるのだと思います。
私がもし、ウェブサイトの制作を依頼するとしたら、誰彼かまわず、ではなくて、「本当のお客様」に巡り合う確率を高めてくれるものなんだろうと思います。もちろん、クライアントの思っていることを、アバター的に語ってもらうのだが、最終的には、クライアントの求めるお客様にアピールできる場であり、アプローチできるツールになる、そういうものを作るお仕事かなと思います。
となると、さっきの「人と向き合う」、ですね。
お客様のことを、ものすごく深く深く見ていないと、表現はできないと思う。お客様のその先を想像しながら、その人となり、そのビジネスをすごく上手に表現してあげないといけない。その深みみたいなものが必然的に求められる仕事だと思います。
プロにしかできない表現と、自分自身では気づけない部分をすくい上げてもらえるスキル、そういうものが必要かなと思う。それが見えてくると、きっと最強になるんだろうなと思いながら、いつもウェブビジネスってどうなるのかな、と思いながら見ています。

ただ私が考えると、いつもちょっと悲観的というか、なんとなく辛気臭いんですけれども、水島さんはあくまで「晴々屋」なので、明るくそこを表現されているんだろうなという風に思っています。何かそういう深みとか凄みとかみたいなものがこれから見えてくると楽しみだよなと思います。

●藤崎
皆さんの感じられていることが、ああ分かるな、と思いながら聞いておりました。
水島さんは、すごく色々なことを思っているのに、なんで出ないんだってみんな思ってる、という感じだと思いますけども。

●蒼天先生
皆さんの話は、全部当たっていて、それを一言で表現するとしたら、どういう言葉になるのか? と考えながら聞いていた。抽象的な表現になるけれども、「勇気」だと思う。最後の決断というか、勇気というか、そこが欲しいんやな。
ホームページというマーケットはずいぶん大きくなったが、企業のホームページに対する依存率は、特殊な業界は別として減少していると思う。
だから、これからは型にはまったものではなく、個性が求められると思う。今までにない、思い切った勇気が求められていると思う。
例えばだけど、僕に「ばかもん」って言ってみたりとかね。怒鳴ったりとかね(笑)。
もしかしたら、そういう勇気なのかもしれない。言ったらスカっとするかもしれないでしょ。それで、言ったあとは気にしない。後を気にしていたら、何もできないから。

さっきの緑山さんの話で、「型を破って改善する」と書いてあったけれども、この際、自分の今の型を、思い切って破ってしまうというか、そういう気持ちがあったら、また別の良さが出てくるのではないかな。
もともといいセンスを持っているんだから、ちょっともったいない。自分自身を活用できていない。本気で一歩踏み出す勇気がないから、「成長癖をつける」といった「今の土俵」で、言葉を選んでしまう。

●藤崎
多分水島さんは、最終決断はお客様、だったりするんでしょうか? お客さんに決断を預けてしまう。私自身ができているかどうかは別として、多分水島さんが、そのハードルというか壁というか、そういうものを超えれば、自分で背筋がゾッとするような経験をしていくんじゃないのかなと思います。
蒼天先生から、「ばかもんと言え」と具体的なお話もあったのですが、全体的に聴いて、どう思いますか?

●水島
その通りだなと思います。ま、「ばかもん」とは本当に言いはしないですが(笑)、
ご提案した時に、お客様が、こっちがいいと言うとじゃあそっちで行きましょうかと、こっちの提案を引き下げてしまう、というのはあるので、こっちの方が絶対いいですよ、絶対こっちで行きましょうよ、と、勇気を持って言える押しの強さも、ちょっと出していきたいなと思います。

●蒼天先生
これで行きましょう、というよりも、これ以外の答えを求めるんだたら、私下ろさせてもらいます、それぐらいの迫力で、相手に迫る、そういう部分があったら、少し雰囲気が変わってくると思う。

●水島
はい、そうですね。確かに

●藤崎
水島さん、今回は持ち帰りますか? それともこのままで行きますか?

●水島
持ち帰りません(笑)。今回いただいた言葉を、プラスします。括弧書きで付け加えて両方でいきます。ありがとうございます

●藤崎
サブテーマですね。
皆さんの発言は、本当にその通りで、水島さん、めちゃめちゃいいとこ持ってるのに、何やってるねん、って僕は思いますので、ぜひ、ハードルを上げていきましょう。ありがとうございました 。

 

【短冊発表 銀河】 「読みたいものを書く」

●銀河
「読みたいものを書く」
昨年12月、2021年3月に所信表明を発表した例会の議事録と、2020年12月の日記とかをみていたら、去年は人生のどん底から始まったことが思い出されました。いつの日か緑山さんみたいに、笑い話にしたいんですけど、今年もまだ笑えなくて。
3月の発表では、仕事も休んで、色々あって、そのときようやく健康になってきました、という話をしていて、「真理(しんり)のほうへ」と短冊に書いていました。
お釈迦様の教えのなかで、「心の整理、掃除」をするというのがありまして。
教えをいただいたのは、
「こころを洗う技術-思考がクリアになれば人生は思いのまま」です。

怒り、焦り、過去、不安…すっきり落ちたら力が満ちる。
瞑想法×最先端の脳科学
源流は「ブッダの超合理的な思考法」
草薙龍瞬(くさなぎ りゅうしゅん)SBクリエイティブ

この本です。
あの時の自分に必要だったことがすべて書かれていて、それはそのときだけではなく、一今、使っていける思考法です。というか、一生かけても、マスターすることは難しい思考法かも。非常に細やかに、丁寧に書かれているので、手に取っていただけたら嬉しいなと思える本です。
自分の中から出てくる感情をすべてラベリングする。
「怒り」「貪欲」「執着」、3つに分類するんですね。だいたいの感情は、3つのどれか、または複合した形にあてはまる。感情を分類するだけで、結構整理できてしまって、ムダな感情が、減ってくる。すると頭にちょっと余裕ができる。さらにいろんなプロセスがあって、最終的に、こころを綺麗にする、こころを綺麗にして、毎日新しい1日を生きていく、「クリーンな心」が人生が手にしうる最高の価値のひとつである、そういう思考法を学び、実践していく本です。

自分から出てくる、心にひっかかる感情、誰かと話した後の、よくないもやもや感、そういうものを細かく洗い出して、分類する作業を、結構こまめにやってきました。
本に従って、つまづいたりサボったりしながらも、「自分だけワークショップ」を繰り返してきました。
あとは、ウォーキングや体操などをして、健康にもなってきましたし、仕事も楽しくやってますし、今までになく、心が平和、平穏な日々を送れるようになり、何となくゆとりもできて、自分の中に、小さな自信が戻ってきたように感じられるようになってきました。

昨年末には、どん底だったから、あとは成長するしかなかった。
2022年の目標は、「今までは内側に向かって自分を掘り下げ、怒り、貪欲、執着に満ちた自分から、少しばかり開放された。2022年は、少し強く、明るくなった自分を、外側に向けてみよう」そういう、内から外へ、みたいな言葉を何となく描きつつ、新年を迎えました。

そこで1月3日です。
堀川中立売のあたりに、「堀川新文化ビルヂング」という商業施設が去年11月にできました。1階が大垣書店、カフェ、印刷工房、2階にギャラリーがある、感じのよい建物で、行ってみたのです。
大垣書店に入ったところ、本が平積みになっていて、ふっとみたら、作者が高校のときの同級生だった。京都本屋賞受賞、と書いてあって、ドキドキして、手に取るときに、震えました。
ドキドキしたまま、フロアを歩いていると、もうひとつ、別の本で、「日記をそのまま小説にした本」というのがありました。毎日の日記、ノンフィクションが、こんなにドラマチックでいいのか? いう感じで、日常生活を描きながら、面白い、という衝撃的な小説が置いてありました。

これほど心を揺さぶられながら、自分のとった行動というのは。
同級生の本だ! と買い求めるのかと思えば、買うことができず。
日記が小説に! と興味津々でありながら、買うことができず。
帰り際に「堀川新文化ビルヂング」という文字を眺めながら、「文化」から置き去りにされた空っぽの自分、みんなに置いてきぼりにされて、「私はいいもん」と強がっている自分、そういう自分と共に、帰宅しました。

放置しておいても、どうにもならないので、仕方なく向き合う感じになったのですが、「嫉妬なのかな」という結論に達しました。
1年かけて、心をきれいにしたつもりだったのに、いとも簡単に、クリーンではない心が自分にあることが発覚した。
何ともいえないがっかりした気持ちになりました。

更に考えると、自分は、自分が書いたものを、(時間をあけて)読み返すと、「読みたくない」と思ってしまう。
自分が書いたものは、使い捨て、みたいな感覚でいる。書き終わって、読み返して、何度も読み返して、「これでOK」と自分にゴーサインを出した文章であっても、時間が経ってから読み返してみると、まず題材そのものがしょうもないし、書いた内容が恥ずかしくてもう、読みたくないのです。
もともとそういう自分がいて、そういう自分よりも、はるかに上の方にいる同級生を見つけてしまったときに、比較とか嫉妬とか、そういう感情がいっぱい溢れてきたようです。

つべこべ言わずに、今年は、自分が自分を読んで、「読みたい」「面白い」と思える文章を書くことを目標にします。

●蒼天先生
こんな本、知っていますか? 「あの頃のこと」
日記が本になっている本。僕の親父が死んだ翌月、1944年11月から書かれてる。いわゆる戦中から戦後のことが書かれていて、日記の形式になっている。当時の日記と、60年たってから読み返している著者の感想、今のことが交互に書かれてあって、結構面白い。
僕が3つのときの日記だからね。僕は、親父が死んだころはどんな時代だったのかな、と思って、関心があったのと、それから、日記が本になってるな、おもしろいな、ということでね。結構おもしろかった。

●水島
あの、本を出すべきですよね。
銀河さんが。

押しを強くいけ、と言われたんで、「本を出せ」と(笑)。
銀河さんは、読む側の人じゃなくて、書く側の人やなと思ったんで。たぶん、書いたものを人に読んでいただくという。
喜びもあるだろうし、たぶん、もう心づもりがすでにおありなんじゃないかなと思います。
嫉妬するということは、どこかで自分が本を出したらどうなるだろうというのを、どこかで想像しているから、たぶん嫉妬するんだと思うんですね。
なので、どこかで出したいという欲、おもいが、どこかにあるんじゃないかなと思うんで、ぜひ、出さはるべきかなと思います。
出したら買います。

●蒼天先生
あなたが本を書いたら面白いと思う。
例えばさっきの桜庭さんの発表のとき、こんな表現をした。「晴れた空をイメージした」と。たぶん、自然に出てきた言葉だったと思う。
これはものすごく僕の心臓に突き刺さった。いい表現だなあと思って。

質問です。

例えば、自分が日記を本にしようとする。二番煎じになるかもしれない。でも、それを本にして出そうと思うことが、「貪欲」になるのだろうか?
それを「貪欲」と考えるべきなのか、それとも、自分のステップアップというか、自分が前に進んでいく、自分のやりたいこととして、意欲的に取り組むということで、考えたら僕は貪欲に全然ならないと思う。
その辺はどうなんやろ。
心をきれいにするという話のなかでね、貪欲と意欲との境界がどこにあるのか、その辺のところが僕の中であいまいというか、理解できなかった。

●銀河
そうですね。心をきれいにして、あんまり人を羨んだり、比べたり、とか……

●蒼天先生
それはわかる。自分のことで、貪欲になることが、よくないことなのかどうか、というところや。

●銀河
よくないとかいいとかはわからないですけど、何かひっかかったという。すっといかへんかった、という感じ。

●蒼天先生
貪欲って、よくないことなんでしょ? 

●銀河
仏教的には良くないことです。

●蒼天先生
心をけがしているというか。そういうことなんでしょ? 仏教の言う通り生きなくてもいいと思うけど。

●銀河
そうですよね。お釈迦様にはなれないので。

●蒼天先生
一方で、心をきれいにするということは、すごく大事なことだと思うし、心がきれいだったら、何でもできそうな気がするしね。
自分の心がきれいやったら、何でもできる。勇気もでる。どんな勇気も出ると思うから、この際、貪欲になったら? と言う気がしました。
同級生と対抗意識を燃やせ、ということではなくて、そういう道を歩んでいると思うし、どっちかといえば、いいんじゃないかと思います。今年中にそういうきっかけというか、足がかりをね、つかんだらどうかな、おもしろいかもしれんで。ちょっと期待してます。

後で文字起こしをしているときに、蒼天先生の質問を、しっかり把握できていないまま、回答していることに気づいてしまいました。
質問に対して、かみ合っていない回答をしている、いや、回答ではなくて、蒼天先生の言葉にただ反応しているだけだということがよくわかりました。

他者のことで「貪欲」になるのは、確かによくないことだろう。でも、自分のことで「貪欲」になる、ということは悪いことなのか?
そういう意味のご質問だったはずです。

「ブッダが伝えた『執着』『貪欲』とは、ひとつの反応が持続している精神状態であって、『方向性をめざして、正しい方法を実践する』ことは、意味が違うのです。
ゆるぎない方向性を持つことを、仏教では『信を持つ』と表現します。
方向性を見定めて、正しい方法を実践し続ける、これは正しい生き方です。
手にしていないもの(妄想)に執着して苦しむ、これは、非合理な生き方です」

前回ご紹介した「こころを洗う技術」からの引用です。
私が「書く人になりたい」と、心の奥の方で思っていたらしい、ということを表に出すきっかけとして、新文化ビルヂングがあり、大垣書店があり、同級生の書籍が登場したのであって、そこは貪欲とか執着とは異なる視点だ、ということだと思います。

先生のおっしゃっていた、「自分のステップアップというか、自分が前に進んでいく、自分のやりたいこととして、意欲的に取り組むということで考えたら、僕は全然貪欲にならないと思う」この言葉が、「方向性を見定めて、正しい方法を実践し続ける、正しい生き方」ということになると思います。失礼いたしました。(議事録があって、本当によかったと思えるできごとでした!)

 

●墨田
およそパン屋さんと関係なくて、面白いなと思いました。先生がおっしゃった、「それが貪欲なのかどうか?」、という話のところは、単純に、自分のやりたいとか、ちょっとこんなんやってみたいと思っている、ことに気づかせるだけのきっかけなのでは? と思うんですよ。その嫉妬みたいなところってね。

はい。ありがとうございます。墨田さんは、先生のご質問に対して、完全にブッダの回答をされております。すごいな~。

僕もなんか、おなじようなことを、例えばビフォーアフター、みたいな番組とか、有名な建築家の、とか、そういうテレビとか、昔はちょっと興味本位で見ていたけど、もう嫌で、あるときから見なくなったんですよ。
それは俺のほうがもっとできるわ、とか、こんなんでキャーキャー言われてんな、よ、とか、ちょっと思ったりするのもあって、もう見たら嫌になるんですよ。ちょっと似てる感覚やと思うんですよ。嫉妬とというか。俺もできるみたいな。

●銀河
そこまでの自信はないですが……。

●墨田
それに近いものを感じるから、自分もそういうことには興味があって、圧倒的に負けてるから、興味がないわけではない、ということじゃないですか。なので、それもほんとにやってみはるのもいいなと思いました。
実際僕は自分でもできる、と、色々あれこれ考えて設計とかやってみて、あの、やっぱり上には上がいるし、全然だめや、と思うこともあったりして。やったらおもしろいです。

●桜庭
銀河さんが書いたら捨てるタイプだと思わなかったので、あれだけたくさんいっぱい書かれてて、結構ちゃんと見返したり記憶にとどめたものみたいされてるのかなと思ったんですけどもそうじゃなかったんですね。
私は逆で、書く数は少ないんですけれども、書いた文章を何度も見直すんですね。考えるんです。なぜそんなこと書いたのか、もうちょっと他の言い回しはないのか、自分の本当に表したかったことなのか、とか、何度も何度も読み直したりします。すごく好きな作家さんの本を読んだら、その中でいい言葉とかを拾って、格好つけたり使ったりっていうのを、割と小さなころからやっていた記憶があるんです。銀河さんもそういう感じなのかなと、勝手に思っていたのですが。

●銀河
誰かにお見せする前には、読み返すんですけれども、書いてどこかに提出した文章を、後からもう1度読んだときに、面白くないというか、もういらない、と言う感じですね。

上記(桜庭さん-銀河)のやり取りについて、少し補足させていただきます。
「書いたら捨てるタイプ」というのは、恐らく、「自分の書いた文章は、使い捨て、という感覚になっている」という私の発言に対して、そう思われたのかもしれないなと思いました。言葉足らずで、「あ、伝わってなかったな」と感じましたので、そこだけ少し、触れさせてください。
もちろん、書いているその時間というのは、「今、自分の考えていることや、伝えたいことを、適切な表現で文字にする」ということに徹していますし、その時には、自分が納得のいくまで、書き続ける、読み返す、直す、という作業を繰り返しています。
しかしながら、日にちをあけると、その内容も、表現も、考え方すらも、「なんじゃこりゃ」という、恥ずかしくてもう、読みたくないものになってしまっているのです。
「使い捨て」というのはあくまでも、「その時その瞬間の感情や、その表現は、その場限りのものであり、時が経つと、変化、劣化、酸化してしまう、古びてしまう」という意味です。
しかし、何度読んでも読みごたえのある文章というのは、時を経て何度読んでも、色あせることがない。表現、考え方、ものの見方に説得力があり、豊かな感情をよみがえらせてくれる。
自分の文章には、そういうところが欠落しているので、自分自身のなかで、「使い捨て」扱いになってしまっているのです。


●桜庭
私の場合は、たぶん他の人がこれを読んだらどう思うかな、っていうことを気にするのかなと思うんです。

何か作ったり表現したりする人は、そんなものかもしれません。
物を作って売っている奥に持っている深いものを、もっと知ってもらうということですよね。
どういうカタチで表現をするかということですね。パンだけにとどまらず、たまたま今度表現方法が文字になる、ということですよね。
応援します。

●蒼天先生
すごく大きな希望というかな、大きな夢を追いかけようとしているから、いいことだと思う。「読みたいものを書く」ちょっとした短いセンテンスだけど、これは中身が深い。だからぜひチャレンジした方が面白い。その代わり、なかなか終わりのない旅ですが。

●菖蒲
私はすごい話だなと思って聞きました。
そのお正月の3日の日に出くわした同級生の本、これはお釈迦様というよりは神様が遭遇させたのだと思いますね。
おそらく銀河さんの頭の中に、はっきりとしたアウトプットの形が、具体的にはなかったけれども、パッとその形になって本にして見せてくれたのだと思います。
そういう出会いって、私にもたくさんあります。パッと出くわす。歩いていると出くわす。そういう形で見せてくれる。

去年までの、ラベリングして、整理してきた感情、気持ちからの脱却、みたいなことがあったのかもしれないけれども、そもそも、私もそうですが、負けず嫌いでしょ。どこかで。
闘争心をむき出しにするとか、そういうことではなくて、刺激として受け止めて、新たに自分に火をつけてくれた、という意味で、1月3日のできごとは、絶対にいいことだったし、それが3日という日だったんだと、お聴きしながら思いました。ぜひ、そういう方向に、チャレンジしていただきたいです。また、「日記」というひとつのキーワードが出てきたのもすごいと思うし、絶対に何かあるんだと思います。時間がかかっても、形になっていくといいですね。

●緑山
今菖蒲さんがおっしゃった「負けず嫌い」っていうのもあるのかもしれないんですけれども、僕も同じような感覚を持ちました。三条通り商店街のパン屋5軒も回るとかね。結局、ライバル心とか対抗意識とか、誰もが心の中に持ってるもんだと思うから。

出版の話。本出して、儲けられる人って、そんなにいないんですって。1回出すと、200万円くらいかかって、1000冊くらいは自分で買わないといけないとかね。僕の知り合いでも、10冊くらい本を出している人がいるけれど、それは売名行為のために出しているだけ、とか、そういう人もいるし。

僕は銀河さん見てて、僕、蒼天先生に褒められたら当然嬉しいけど、銀河さんに褒められたらそれもまた嬉しいんです。十分、きれいな心をお持ちの方なんで、と思います。ということです。

●藤崎
皆さんから、もうこれやれ、みたいな形になりましたね。
銀河さんが議事録がやりますって言ったのと同じように、もうなんか本出します、って言わざるを得ない感じだと認識しましたけれども。

●銀河
あたたかいお言葉、ありがとうございました。だんだんわかってきました。やっぱり自分が負けず嫌いですということがわかりました。改めてそこも認めつつ、なんか決意しとこうかなあ…水島さんを見習って、はい。書く人になります。

●藤崎
決意させられたのも、必然だったのかもしれませんね。ありがとうございました。

じゃあ今日はこれで先生の方から最後ひとことありましたら、よろしくお願いします。


●蒼天先生
去年と比べて相当レベルアップしましたね。深いですね。
皆さんの話を聞いて、非常に満足でした。来週発表される方は、プレッシャーを感じることになります。その覚悟で、ひとつ頑張って1ヶ月を過ごしてください。

●藤崎
私、めちゃめちゃハードル上がりました。
今日は皆さんありがとうございました。1年間頑張っていきましょう。また、元気でお会いしましょう。

★蒼天先生のひとこと★
今年は違う。
何かが違う。
こんな印象を強く受けました。
昨年1月とは比較にならないハイレベルの例会になりました。
皆さん1人1人が、自らの本質を見極め、その本質に向かって歩み始められた。という印象を強く受けました。

今年は何かがある。何かが起こる。何かが変わる。
そんな予感が… 襲ってきました。

 

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